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【法学部生の就活】森・濱田松本法律事務所を研究する


森・濱田松本法律事務所は国内5大法律事務所の一角を占め、さまざまな法律事務所ランキングで必ず上位にランクインする実力を有しています。

同事務所のミッションは、企業活動に必要なあらゆる法分野をカバーすることであり、つまり企業案件、ビジネス案件を専門にしています。刑事事件や離婚や債務整理などを扱う法律事務所ではありません。


ビジネス・サポートでは海外業務を強みとして、アジア各国に拠点を設けています。特に中国ビジネスには30年の経験があります。


大学で法学を学び、弁護士資格の取得を目指している学生にとって、同事務所は憧れの就職希望先になっているのではないでしょうか。

そこでこの記事では、同事務所の概要や業務内容、最近の動向などについて紹介します。


記事中のデータは2022年12月現在のものです。


活動内容と概要


森・濱田松本法律事務所の業務領域は以下のようになっています(*1)。


■森・濱田松本法律事務所の業務領域

M&A、コーポレート・ガバナンス、争訟/紛争解決、競争法/独占禁止法、規制法対応/取引、事業再生/倒産、税務、ファイナンス、ウェルス・マネジメント/相続・事業承継、労働法務

IT/ライフサイエンス/知的財産、ヘルスケア/医療/薬事、フィンテック、インフラ/エネルギー

国際業務、通商法


これらの業務領域のうち、M&A、コーポレート・ガバナンス、紛争解決、独占禁止法などは、一般的な企業系法律事務所も手掛けている業務といえるでしょう。

その一方で同事務所は、IT、ライフサイエンス、医療、フィンテックといった高度な専門知識を必要とする業務にも幅広く対応しています。

また、国際業務や通商法など、海外業務や貿易に関わる法務ニーズにも対応していて、グローバル展開している企業には同事務所は頼りになる存在のはずです。


後段で具体的な業務を深掘りして解説します。


*1:https://www.mhmjapan.com/ja/practices/


事務所概要


森・濱田松本法律事務所の概要を紹介します(*2)。

少し複雑なのですが、「森・濱田松本法律事務所」といった場合、「森・濱田松本法律事務所」と「弁護士法人森・濱田松本法律事務所」という2つの事業体が業務提携契約を結んで共同事業を行っている状態のことを指します。しかも2つの事業体の住所は同一です。

なお「単なる法律事務所」と「弁護士法人」の違いは法人格の有無になります。


■森・濱田松本法律事務所の概要

●開設:2002年12月(前身は1971年開設の森綜合法律事務所)

●住所:東京都千代田区丸の内2丁目6番1号丸の内パークビルディング

●東京以外の国内拠点:大阪、名古屋、福岡、高松

●海外拠点:北京、上海、シンガポール、バンコク、ヤンゴン、ホーチミン、ハノイ

●弁護士の人数:計715人

・内訳:日本法の弁護士563人、外国法の弁護士152人

●税理士と弁理士:計7人


同事務所の起源は1971年開設の森綜合法律事務所です。

森・濱田松本法律事務所は2002年に、森綜合法律事務所と濱田松本法律事務所が統合して誕生しました。弁護士法人森・濱田松本法律事務所は2013年設立。


所属する弁護士の人数は、日本の弁護士制度の弁護士と外国の弁護士制度の弁護士を合わせて715人。これは国内最大級の規模になります。

東京、大阪、名古屋、福岡に拠点を置く法律事務所はいくつかありますが、高松に置くところは大手では珍しいでしょう。

海外拠点はアジアが中心で、欧米には拠点がありません。


*2:https://recruitment.mhmjapan.com/about/overview/


特徴的な業務その1「海事法務」


それでは同事務所の具体的な業務を深掘り解説していきます。

最初に紹介するのは、海事法務です。

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