2024年始動!新NISA~とある証券会社の改悪を含めてお話~
こんにちは、FPの松本です。
最近X(旧Twitter)でもトレンド入りしている
「新NISA」
という言葉を目にしたことはありませんか?
人生100年時代、老後資産2000万問題など老後に向けた資産形成が重要な時代になってきました。
「投資」と聞くと
リスクがある
なんか怖い
と思ってしまいますよね。
でも投資の基本を勉強して3つのポイントを意識することで、安定的な資産形成が期待できます。
「期待できます」というのは、あくまで投資には「絶対もうかる」ということはなく、投資は自己責任でおこなうことが大原則だからです。
安定して資産を形成する3つのポイント
安定して資産を形成する3つのポイントは
投資を始めたら長期で市場に居続けること
定期的に定額で積立投資を行うこと
投資対象を偏らせず分散すること
です。
NISAに限らず、上記の3つのポイントは投資の基本的な運用ポイントです。
ではなぜ今「新NISA」が注目されているかというと、
NISA口座で買い付けた投資商品の運用益は非課税
だからです。
金融庁のHPに資産運用をシミュレーションできるサイトがあります。
毎月の積立額5万円、想定利回り3%、30年間積み立てした場合・・・
積立元本が1800万円。
運用収益が1137.7万円。
1800万円積み立てて、総額が2913.7万円となっています。
NISA口座でこれを積み立てた場合、1113.7万円が「非課税」となるのです。
(本シミュレーションには税金、手数料が考慮されておりません)
通常投資の運用収益の税率は、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税
0.315%がかかり合計20.315%の税金がかかります。
1000万円の20%というのは単純にみても200万円です。
この規模の節税ができるのがNISA口座での運用なんです。
ただしここで注意していただきたいのは最初のお話。
投資に絶対はない
投資は自己責任
です。
今回はあくまで30年間同じ想定利回り3%が続いた想定です。
新型コロナウィルス感染症が猛威を振るったように、ロシアとウクライナが戦争しているように、中東が不安定になっているように、世界情勢は不透明で毎年平均して3%も運用を続けることができるかは誰もわかりません。
ただし、長期に継続して定額を積み立てた結果、平均利回りは3%だったという可能性は短期の投資よりは高まります。
2024年開始の新NISAとは?
2024年から始まる新NISAの説明の前に、2023年まで利用されていたいわゆる「現行NISA」についてみてみましょう。
現行NISAでも投資の運用収益は非課税でした。
現行NISAの難点は
つみたて投資か個別の投資どちらか一方しか選べなかった
投資運用益の非課税期間がつみたては20年間、一般は5年間だった
非課税保有限度額はつみたては800万円、一般が600万円だった
ですね。
非課税でもだいぶ助かったのですが、期間、金額ともに「資産形成」というには不十分な感が否めません。
それが2024年から始まった新NISA制度では、
つみたて投資、個別投資の併用が可能に
運用益の非課税期間が無期限に
非課税保有限度額が総額で1800万円に
と、その運用が大幅に改善されました!
非課税保有限度額は1800万円ですが、成長投資枠はそのうち1200万円までとなります。
成長投資枠で購入できる商品は、株やアクティブ投信、ETFなど比較的高リスクな商品となっています。
つみたて投資枠だけで1800万円まで投資しても良いです。
つみたて投資枠で購入できる商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(インデックス投信等)となっています。
まずは長期に安定したつみたて投資で資産のコアを形成しつつ、市場の状況によっては個別株などに投資をしてさらに大きな収益を狙える。
コツコツ安定派の場合は、上限額まで1800万円まで積立投資ができる、という
「長期に安定した投資をおこない資産形成を」
という金融庁の政策的意図が働いていると考えます。
新NISA制度の注意点:とある証券会社の改悪も含めて
なんでもかんでもステキに見えるNISA制度。
しかし、世の中そんなにおいしい話ばかりではありません。
NISA口座にだってデメリットはあります。
まずNISA口座で損益がでた場合
「損益通算」ができません。
これは、NISA口座以外であれば10万円利益がでた投資商品と10万円の損失がでた投資商品を通算して「利益0」とすることができますが、NISA口座で購入した商品はマイナスとなってもプラスの投資商品と通算することができません。
このため、個別株などに投資してマイナスとなった場合、塩漬け株(売るに売れずどんどん値下がりして余計に売れなくなる)となる可能性が高くなります。
もう一つは、まぁデメリットというほどでもないかもしれませんが、
「NISA口座は1つしか開設できない」
というもの。
複数の証券会社に口座を持っていても、NISA口座を開設できるのは1つだけです。
NISA口座をA証券会社からB証券会社へ変更することは可能です。
しかし、証券会社と書面でのやりとりになるので、結構時間がかかります。
現在各証券会社が新NISA口座の開設キャンペーンを展開しています。
投資の場合は商品の購入が万単位になるので、2022年末にとある証券会社の高ポイント付与率にひかれ、ポイント目当てで一度NISA口座を変更しました。
しかし、その数か月後なんとポイント付与率がいやおうなく減少・・・といういわゆる「改悪」にあってしまいました。
「また変更するのも手間だな」と思い、とある証券会社のNISA口座そのままで2024年新NISAに突入しています。
物は考えようで、長期に積立をするならほったらかしが最適で(それでも 年に1回は状況をチェックしています)、とある証券会社のNISA口座はほとんどそのままです。
長期投資の敵は自分の心です。
ついついお金が必要になって解約してしまうんですよね。
財形貯蓄のつもりで、「触れないお金」としてそのまま積み立てておこうと思い、とある証券会社での新NISAを継続しています。
しかし、新NISAでは「成長投資枠」の利用も可能なので、高配当ETFの値動きを見ながら買い増していきたいという戦略も描いています。
基本的には高配当ETFも買ったら持ちっぱなし。
値動きを見て買い増していく予定です。
投資はあくまで自己責任。
新NISAをきっかけに投資の勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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