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相続でのご支援(2)~親の財産を調べる

 前回、相続の大変さを物語る例として、経済評論家の森永卓郎さんの話を
・親の財産が何処にあるかがわからず見つけ出すのが大変
・戸籍等の相続書類をそろえるのが大変
・相続税の仕組みが複雑でおかしく、知らないと余分に相続税を払う事になる
   と勝手に3つにまとめてご紹介させていただきました。森本さんのご指摘は多分相続人の間でもめ事がなかった場合は適切だと思います。

 私自身は相続人の立場での相続手続きのボトルネックはやはり3つあると考えていますが、最初の2つは森本さんと同じですが1つは違います。それは
 ・相続財産そのものが把握できない
 ・相続手続き書類を揃えるのが大変
 ・相続財産をうまく分けられない、相続人間で調整がつかなない    です。                           

 最初の「相続財産そのものが把握できない」は相続財産がそもそもどこにあるのか、いくらあるのかがわからないということです。亡くなった親御さんしか知らないことを調べるには大変な労力がかかります。不動産は、地方で山林などを持っていると、筆数が多くなり、謄本で確認するだけでも大変ですが、それほど問題なくわかると思います。金融機関に預けている預金や生命保険といったものは、家の中を探して、通帳、証書、郵便等から資産の痕跡を探すしかないと思います。私自身の場合は、財布を握っていた母が、財産目録的なものを作っていて、父が亡くなった時にはそれですべてが把握できたので、相続財産の特定は容易でした。
父はほとんどそういったものは母にまかせきりだったので、順番が逆だと苦労したかもしれないなと思っています。

 あとは、大事なのは親との関係性をどう構築するかかもしれません。遺産の話というのは、親子といってもなかなかしにくいものではないかと思います。今はまだ母が健在ですが、私が銀行にいたこともあり、また住まいも公共交通機関で1時間余りの距離のところにあり、何かあれば顔を出しやすいところにいるので、年を取ってからは何かと相談を持ち掛けられるようになりました。父が亡くなってからは、様子見で定期的に実家に行くようになり、いろいろ話をする中で、以前のように財産目録的なものはもう作っていないようですが、なんとなく、どこに何があるかはわかっているという状態になっています。物理的な距離がもっと離れていて、行き来が少なかったりすると、どうなっていたかなと考えてしまいます。そんな場合であれば、親が元気なうちに、きっちり遺言や財産の目録的なものの作成をしておくように言っておくことが大事だと思います。

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