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遺言でのご支援(1)~思いを込めた遺言のお手伝い


 遺言に関して常識的な知識としては、公正証書遺言、自筆証書遺言などがあげられます。今回の民法改正で遺言も少し内容が変わりましたが、そのあたりはネットで検索すればすぐにわかりますので、そちらに譲ります。

 ネットで遺言について検索をしていくと、単に相続分はこうしてくれとか、この財産は誰々にといったことを書くだけの遺言の話が多いと感じています。私は遺言でもっとご自分の思いを伝えることが必要ではないかと感じます。遺言を書く目的が相続財産の分割を円滑に進めるためにといったトーンで言われることが多く、一般的な冒頭に書いた状況はやむを得ないことかもしれません。ただ、歴史に名を成した人たちの遺言を見ると、わかることがあります。例えば、ノーベル賞のノーベルの遺言のもとに創設されたことは有名ですが、豊臣秀吉の「秀頼が無事に成長するようにこの書き付けの衆としてお頼み申す。これ以外には何事も思い残すことはないので」、白洲次郎の「葬式無用、戒名不用」も死を迎えての本人の思いをストレートに伝えています。遺言の元々の姿は、本人の生きざまや死に直面した時の「思い」を伝えるもので、辞世の句なども含まれるのだと思います。ご自分の「思い」というのは、配偶者への感謝の「思い」、子供に何かしらを託する「思い」、晩年を共にした人への「思い」などもあるかもしれません。そういった「思い」を伝えるのものが、本来の遺言なのではないかと思います。

 ちょっと横道に反れた話になりましたが、被相続人の立場からは、一番気になることはやはりどんな遺言書を書いたらよいのかということなのではないかと思います。それは遺言を書くことに、目的をはっきり持つことではないかと思います。どんなということの答えにはなっていないかもしれませんが、現実に遺言書にはいろいろなことが書けます。書いた時点の被相続人と各々の法定相続人の関係性を反映して法定相続分とは違う内容とすることもできます。法定相続人に法定相続分通りに相続させることを確認するために書くこともできます。遺贈といって法定相続人以外で特別な関係にあった人に、思いを託し財産を残すために書くこともできます。所謂争族にならないために特別な思いのある財産を誰々にとはっきり書くというのもひとつだと思います。自分の考えを整理するために書くというのもあるかもしれません。お一人お一人の状況が異なりますが、自分の意思や目的がはっきり表現できれば、著名人の遺言に肩を並べるような、私は被相続人にとっていい遺言になるのではないかと思います。

 私自身はそんな遺言のお手伝いができればと思っています。

 

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