春日井翠✩臨床心理士・公認心理師✩

臨床心理士・公認心理師。カウンセリングオフィスつむぎ 代表。 カウンセリングを身近に感…

春日井翠✩臨床心理士・公認心理師✩

臨床心理士・公認心理師。カウンセリングオフィスつむぎ 代表。 カウンセリングを身近に感じて、それでいて真剣に取り組んで頂くためになるといいな…と、とりとめなく書いています。フォローは励みになります。ひとりよがりになることも怖いので、コメントもぜひ。

最近の記事

子どものカウンセリング・大人のカウンセリング

私はずっと「子どものカウンセリングをやりたい…」と希望していました。私の心理学との出会いは発達心理学から始まっていますし、大学院に付属している相談室は教育学部の施設だったので、プレイセラピーができる状態でした。 それでも、実習の中で実際に子どもと関われる機会はなかなかなく、ずっと憧れ的なものだったような気がします。 子どもとカウンセリングしたいという思いは、できるだけ早期に関われば関わるほど、しんどさが複雑化していないだろう、早く絡まった糸をほぐせば、その後の長い人生が生き

    • 「鬼滅の刃」に見る新しくも古い時代

      ちょっと古い記事になりますが、残しておきたいので、noteにも投稿しておきたいと思います。 すごいヒットになっている「鬼滅の刃」ですが、「鬼滅」について熱く語るクライエントさんも多く、何が観る人を魅了しているのかな…と興味本位で映画を観にいきました。御多分に漏れず、何度かウルウル…。手前勝手な感想をつらつらと書きたいと思います。 特徴的だな…と思ったのは、 鬼の強さを目の当たりにした時に、主人公が早々に自分の限界を認識するところです。 …強いな~、どうやったって勝てな

      • ロールシャッハ・テストについて

        「心理テスト」と聞いて、何が思い浮かぶでしょうか? 御自分と関わる部分で、発達に関わるテスト、知能テスト、就職時によく使われる性格傾向テストなど、思い浮かぶものはそれぞれかと思います。 心や行動のしくみを研究する心理学では、なんとか人の心の動きや傾向を数値化して目に見えるものにできないかと、長年にわたり、様々な研究が行われてきました。それでも、「これ」という限られた心理テストが台頭してこないのは、それだけ人間の心が多岐に渡っているということでしょうか。 今日は人格検査の

        • 心理士のやりがい…

          先日、何かのおりに「やりがい」について聞かれることがありました。 心理士の「やりがい」とは何だろう…。 若い頃だったら、クライエントさんに「ありがとうございました」とか、「先生に話せて良かったです」とか、言われた時…と即答できていたように思います。 何なら、「先生に会えて、生きる気力が出ました」とか「先生に会えて、人生が変わりました」とか言ってもらえたら、心理士冥利に尽きる…と思っていたかもしれません。 でも長年臨床に携わってきた今だったら、こんなセリフが出てくるうちは、

        子どものカウンセリング・大人のカウンセリング

          カウンセラーの選び方

          皆さん、どうやってカウンセラーやカウンセリングルームを選ぶのでしょう? 私は、何か物を買ったり、美容院や医療機関を探すとき、わりと全部の情報を見てから決めたい!と思う方で、昨今は情報量が多すぎて、結局は全部チェックしきれずに決めてしまうのですが、やっぱり入り口は、なるべく…といろいろネットサーフィンしてしまいます。 おかげで、最後はいつも疲れて、投げやり…。 いえ…最後は結局、インスピレーションで決めているかも知れません。 自分のロールシャッハの結果は結局もっていない

          立場が変わると見えてくること

          私は幼い時、外国で災害や事件や戦争などが起きると、テレビで「この件で、日本人はいなかった模様です」などの報道がなされることに、すごく腹が立っていました。災害や事件に、どこの国の人かなんて関係ないのに・・・。なんで日本人がいなくて良かったみたいな報道をするんだろう…と憤慨していました。誰が巻き込まれたって、ひどい話じゃないか…と。 もう少し大きくなって、自分の身内が外国に住んだり、出かけたりするようになり、こうした報道がすごく意味のあることに気づきました。 幼い頃は、ある意味

          立場が変わると見えてくること

          カウンセリングに来るタイミング

          開業であり、決して安価とは言えないカウンセリングには、ふらっと立ち寄るようなクライエントさんはあまりいません。 良くも悪くも流されるように人生を生きてきて、ある程度「自分はこんな感じ」とわかっている方が、今までこんな感じでなんとかやってきたのに、どうも最近うまくいかなくなってきた…、ずっと危ういながらもやってきた感じがあるけれど、このままこの危うさや不安を持って、人生を折り返すのは嫌だ…。 こんな不安定なまま、人生を折り返したくない!という思い…これを感じた時に、カウンセ

          カウンセリングに来るタイミング

          カウンセリングの口コミって…

          どこのカウンセリングに行こうか…と思った時に、美容院や病院、マッサージを選ぶように「口コミ」や「評判」を調べてみたりしませんか? でも、カウンセリングの口コミって…どうなんでしょうか? 正直、あまり参考になる口コミ…ないなぁって思いませんか?それはどうしてなのか、ちょっとつらつらと考えてみました。 私個人の感想なので、御了承の上、お付き合いください。 ここで言うカウンセリングは、心理の専門家が行う心理療法や精神療法を想定しています。 実際問題として、1回や2回のカウンセリン

          カウンセリングの口コミって…

          「ハリー・ポッターと呪いの子」にみる親子の葛藤

          夏休みを利用して、本当に久々に舞台を観に行きました。日頃、クライエントさんに「心のエネルギーを育てるために観たり聞いたり、疑似体験でもいいから経験値を増やして下さいね」と言っているわりに、最近自分がそうしたエネルギーを増やす心がけをしていないなと思ったので、思い立って行ってみました。 なるべく物語の内容には触れないようにしますが、少々のネタバレは御了承の上、お読みください。 この劇のテーマは親子関係。3人の子の父親になったハリー・ポッターが息子との関係に悩むところから、物

          「ハリー・ポッターと呪いの子」にみる親子の葛藤

          カウンセリングとは、私を「治す」もの?

          カウンセリングにいらっしゃる方には、 「どうやったら治りますか?」 「私のやり方がダメだったんですかね?」 「生まれ変わることはできますか?」 などと聞かれることは少なくありません 日本ではまだまだカウンセリングの敷居は低くありません。 そんな中でカウンセリングに来られたということは、すでにさんざん御自分のことを考え、こんな自分だからいけないんだとか、こんな自分ではこれからやっていけない、きちんと向き合って、まるごと自分を変えてしまわないと!というような意気込みがあったりし

          カウンセリングとは、私を「治す」もの?

          不登校とひきこもり

          2学期が始まります。登校しぶりが起こるお子さんが増えてくる時期でもあるので、「不登校とひきこもり」 このテーマで少し思うところを書いてみようと思います。 私のこれまでの経験から思うところですので、すべての人にあてはまる意見ではないことをご了承の上、お付き合いください。 まず、「不登校」とか「ひきこもり」という言葉は、学校に行かないという「状態」、自室や家にひきこもる「状態」を指す言葉であって、病名や診断名、呼称ではないということを確認しておく必要があります。そういう状態、そ

          カウンセリングにおけるアドバイス

          カウンセリングについて調べていくと、「カウンセリングでアドバイスはできません」と言われたり、記載されていたりしませんか? 私も基本的には、お問い合わせ頂いた時点で、「アドバイスがもらいたくて…」とおっしゃる方には、「事情もわからずいきなりアドバイスはできないんですよ…。」なんて説明をよくさせて頂きます。 ただ、実際に相談された方の中には、「結構いろいろ、ああしてみたらどうだとか、こういうのを試したらどうだろう?」と言われるよなぁと思っているクライエントさん、多いと思います

          カウンセリングにおけるアドバイス

          カウンセリングの50分という時間

          私のカウンセリングは、基本的に50分1セッションとして実施しています。なぜ50分なのか…、最初は50分カウンセリング、10分で記録を書いて次のセッションができるように、50分という時間が設定されたのでしょうが、50分という時間はなんとも絶妙な時間だなと感じています。 話すことがたくさんあって、うわーってお話をされるようなクライエントさんでも、40分くらいで、一旦小休止となります。すぐ次のお話に移る場合もありますが、時間がなさそうな時には、次のお話は次回に…とご案内することが

          カウンセリングの50分という時間