『タウシュベツ日誌 第7号』制作プロジェクトは残り1週間です
クラウドファンディングプロジェクト残り1週間
クラウドファンディングREADYFORで今月初めから行っている『タウシュベツ日誌 第7号』制作プロジェクトが残すところ1週間になりました。これまでに200人を超える皆さまからたくさんのご支援をいただいており、おかげさまで当初予定していた50ページからページ数を増やして本を制作できそうです。
まずはこれまでにご支援下さっている皆さまに感謝申し上げます。どうもありがとうございます。
これまでのタウシュベツ川橋梁撮影への取り組み
そもそも、タウシュベツ川橋梁を写真で記録し後世に残すための取り組みを始めたのは2005年のことでした。タウシュベツは、当時でさえ「あと2、3年で崩れるだろう」と言われており、もう先があまり長くないことは誰の目にも明らか(だと思われて)いました。
けれどそこには、いつ訪れても人の気配がありませんでした。
僕は2005年に北海道の糠平に移り住むまでの数年間、日本国内各地を旅して回っていたことがあります。北は北海道、南は沖縄。日本の端と端とを行き来する中で四国の八十八カ所お遍路を巡ったりもしました。
そうした旅の途中でタウシュベツのようなものを見たことがなかったことが、この橋を撮り始める契機になりました。
もし他の土地にあったならば観光スポットとして知られているはずのものが、自然の中で朽ちるままに放置されている。崩落までに残された時間がわずか「2、3年」であれば、それを写真で記録して置くべきだろうと考えたのです。
今となっては別の考え方もありえますが、2005年当時の僕にとっては自然なことだったように思います。写真以外の方法で後世に残す方法を思いつかなかった、という言い方もできるかもしれません。
写真展開催とクラウドファンディングによる出版
タウシュベツを撮り続ける中で、2013年には東京で写真展『タウシュベツ拾遺』(富士フイルムフォトサロン東京、六本木)を開催する幸運にも恵まれました。この写真展は後に大阪や札幌にも巡回し、1万人以上の方々にタウシュベツを見ていただける機会となりました。
当時はタウシュベツ川橋梁が今ほどは知られておらず、写真展を通じて初めて、北海道にこうした橋があることを知ったというご感想も多く頂きました。
写真展会場でリクエストを頂いたものの一つが「写真展図録」です。東京での個展が僕にとって初めての写真展だったこともあり、ご要望を頂くまで思いつきもしなかったものでした。
ちょうどその頃から広まりつつあったクラウドファンディングで図録の制作費を募ったところ、予想以上に多くの皆さまから支援を頂き、結果として「ほぼ写真集のような展示図録」を制作することができました。この時に制作した『タウシュベツ拾遺』は、写真展の展示作品全点を収録しており、後に北海道新聞社から刊行する写真集『タウシュベツ川橋梁』(2018)の元にもなりました。
クラウドファンディングをの仕組みを使って本を作ることで実感したのは、撮影からデザイン、発送にいたるまで個人または少人数でこなすDIYのような写真集制作との相性の良さです。赤字を出せず、大量の在庫を抱えることが難しい状況で、悪くないクオリティの本を作るという目的のためには、現状の最適解の一つかもしれません。
クラウドファンディングで作る『タウシュベツ日誌』シリーズ
少なくとも、タウシュベツの記録を後世に残すにあたって、この仕組みに、その中で支援者の皆さまに助けられた部分がほとんどを占めています。
数あるタウシュベツ川橋梁の魅力のひとつに、一年を通じて大きく見映えが移り変わるという点があると考えています。数枚、数十枚程度の写真では収まりきらない本質的な特徴を表現するために、『タウシュベツ日誌』シリーズのような形はある意味で必然だったように思います。
今年4月、橋の壁の3か所が相次いで崩落しました。2020年から4年間にわたって制作してきた『タウシュベツ日誌』も第7号で完結するのかと思いましたが、橋はまだ立ち続けています。しかし、完結の時は確実に近づいているようです。
11連のアーチを持つタウシュベツ川橋梁が崩落するまでを記録する『タウシュベツ日誌』。最新刊となる第7号の出版・お届けは10月中旬を予定しています。ぜひ制作に向けたご支援をよろしくお願いいたします。
クラウドファンディングでの受付は8月31日までです。制作数に限りがありますので、期限前に品切れとなった場合にはどうぞご了承ください。
いただいたサポートは、引き続きタウシュベツ川橋梁を記録していくために活用させていただきます。