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父も当事者、「共育て」

先日の読売新聞に、「イクメン⇨ともそだて」という記事がありました。

内閣人事局が男性国家行員の育児休業取得を即するためのハンドブックの名称を「イクメンパスポート」から「ともそだてパスポート」に変更したそうです。
「イクメン」は「女性が子育てを担い、男性が手伝うという発想が根底にある」という指摘があり、男女が共に子育てする「共育て」の概念を前面に打ち出したそうです。
我が家では「ようやくか」と感じるばかりです。

2024年8月24日(日) 読売新聞より

私たちの育児の旅が始まったのは、1990年長女誕生から。当時「3歳児神話」が広く信じられていました。「3歳児神話」とは、3歳頃までに母親の元で育てられなければ、その後の発達に悪影響があるという考え方です。妊娠がわかった時、私は「仕事を辞めたくない」「でも3歳まで母親が育てた方が・・・」と悩みました。そこで夫婦で相談してダメもとで上司に「3歳まで無休でいいので休ませてください」とお願いしました。そう言われた上司も困ったでしょうが、人事にも相談してくれてたのでしょう。妊娠中に、会社の制度として満一歳までの育児休職制度が始まり、人事担当者から「使うか?」と提案され、私は迷わず「もちろん」と答え、制度を利用させてもらいました。私は育休制度利用第1号となりました。

こうして幸運にも満一歳までの育児休業制度と短時間勤務を利用することができました。私の実家も夫の実家も遠方であったため、通常の子育ては夫と私の二人で。娘が8か月の時に保育所に入れることができ、私は職場復帰しましたが、すぐに満1歳の誕生日が来て通常勤務に戻ったため、夫が「手伝う」ではすまない状態となりました。夫も「当事者」。その頃、保育所の送り迎えに父親が来るのが珍しいことでしたが、できる方ができることをする、どちらもできない時はどうやったらできるかを考えてやっていました。そして「だまし、だまし」(笑)を合言葉に乗り切りました。

その長女も34歳。趣味と自分の得意を活かした物品製作、販売の仕事を始め、現在は友人と立ち上げた会社でその仕事を拡げていっています。30歳になる次女は、日本での会社勤務をした後「海外で働きたい」とイギリスでの転職を決め飛び込んで2年。新しいキャリアを築いています。私は仕事で「キャリア自律」をお伝えしている立場として、彼女たちが自立し、自分で考え行動できるように成長してくれたことに喜びを感じています。

先日、家族で長女の誕生日を祝った際、長女がちょっと照れながらこんな言葉を伝えてくれました。「二人が一生懸命に育ててくれたおかげで、不足を感じたことはないよ」と。そして、仕事と子育ての両立に悩んでいる友人や同世代の人たちに、「共育て」された側として「大丈夫!育てられた自分が言うのだから間違いない」と伝えているのだそうです。この言葉に私はとても感激しました!!

それぞれの家庭には独自のスタイルがありますが、一生懸命に子どもと向き合っていれば、それがその家庭の「正解」になります。どの家庭にもに当てはまる一つの正解があるわけではありません。そして母親だけでなく父親の関わり方も非常に重要だと感じます。最近は「共育て」に取り組む父親が増えてきていますが、さらに多くの父親が「当事者」となって「共育て」してほしい。そしてそんな家族を応援していきたいものです。


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