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委任状の代表者が退任している場合の抵当権抹消

こんばんは。
忘れがちな知識を忘れないように、書き留めておきます。

 金融機関の委任状に記載された代表者がすでに退任してしまっている場合、抵当権抹消の登記申請書がいつもと少し違う。

ケース

  1. 平成24年9月1日、債務者Aは、住宅ローンを完済した。

  2. Aは、平成24年9月1日作成の解除証書、委任状などの抹消書類をB銀行から交付された。

  3. 平成24年9月1日当時のB銀行の代表取締役は、Xであり、解除証書や委任状は、代表取締役X名義で作成されていた。

  4. Aは、返済が終わったので安心したのか、抵当権を抹消せずにいた。

  5. 月日は過ぎ、令和4年8月10日。

  6. Aは不動産を売却することになり、抵当権抹消が必要なことを知った。

  7. 現在、B銀行の代表取締役は、Yに代わっていた。


この場合に、まずやること

1.当時の代表取締役Xが代表権を有していた就任期間を登記簿を見て確認する。
2.解除証書・委任状の作成日を確認する。


⇒ Xの就任期間に作成されたものであれば、その書類は有効である。

 Xの代表取締役としての就任期間は、平成22年6月26日から平成30年6月28日までの間だった。


登記申請書記載例

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登記の目的 2番抵当権抹消
登記の原因 平成24年9月1日弁済
権 利 者 福岡市○○区・・・・
        A
義 務 者 東京都○○区・・・・
      株式会社B銀行
代表取締役 Y
      会社法人等番号 010001・・・・

添付情報  登記識別情報
      登記原因証明情報
      代理権限証明情報
      会社法人等番号

令和4年8月14日 福岡法務局 

登録免許税 金2,000円

その他事項 原本還付書類は、登記所での交付を希望する。
登記義務者の代表取締役Xの代理権限は消滅している。
      代理権を有していた時期は、平成22年6月26日から
      平成30年6月28日までである。

完了証の交付 登記所での交付を希望する。

不動産の表示
      ・・・・・・・
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 ★義務者欄には、現在の代表者を記載する。

 ★その他事項に、旧代表者の代理権限が消滅している旨、就任期間(代理権を有していた時期)を記載する。

 解除証書や委任状は、旧代表者の記載のままそのままでよい。特に修正や追記はいらない。


無事に登記完了しましたー。


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