見出し画像

本人確認情報の作成

 おはようございます。

 半年に1回あるかないかの案件って覚えられなくないですか。というか覚えようとしていないのかもしれません。
 忘れた頃に舞い込んできたりして、これだっけ?とググったり、どの本だったっけ?と書籍探したり、何条だっけ?と根拠条文引いたり、、、なさけない、なさけない。。。

 そんな経験から、忘れたらここに戻ってくればいい、そんな記事を作りたいと思いました。

 もし間違えていたり、新情報ゲットしたら、ちょこちょこ編集しようと思っています。ゆるいです。ほぼ公開メモです。いや、公開ほぼメモです。

ここから本題です。


 不動産登記において、登記識別情報、いわゆる不動産の権利書を失くしてしまったとしても再発行をすることはできません。
 再発行の規定が法律上無いからです。

 この場合、①事前通知、②資格者代理人による本人確認情報の作成、③公証人による登記申請書(代理人による申請の場合は委任状)の認証、のうちいずれかの方法をとりなさいとなっています。
 これらの方法によって、登記申請人が登記名義人であると登記官が確認します。

 今回は不動産決済や融資実行の際に多く利用される②本人確認情報の作成についてまとめました。

1.不動産登記法第23条第4項


不動産登記法
第23条
4 第一項の規定は、同項に規定する場合において、次の各号のいずれかに掲げるときは、適用しない。
一 当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってされた場合であって、登記官が当該代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるとき。

 第一項の規定とは、事前通知のことです。

 本人確認情報は、登記申請の代理人である司法書士が作成したものでなければなりません。

 単に本人確認情報が提供されることだけでは足りず、登記官がその内容を相当と認めることが必要です。必要といっても、内容が不十分であったとしても登記が却下されるのではなく、事前通知しますね、ってことになります。


2.不動産登記規則第72条


不動産登記規則
第72条 法第二十三条第四項第一号の規定により登記官が資格者代理人から提供を受ける申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報(以下「本人確認情報」という。)は、次に掲げる事項を明らかにするものでなければならない。
一 資格者代理人(資格者代理人が法人である場合にあっては、当該申請において当該法人を代表する者をいう。以下この条において同じ。)が申請人(申請人が法人である場合にあっては、代表者又はこれに代わるべき者。以下この条において同じ。)と面談した日時、場所及びその状況
二 資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識があるときは、当該申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識がある旨及びその面識が生じた経緯
三 資格者代理人が申請人の氏名を知らず、又は当該申請人と面識がないときは、申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために当該申請人から提示を受けた次項各号に掲げる書類の内容及び当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由
2 前項第三号に規定する場合において、資格者代理人が申請人について確認をするときは、次に掲げる方法のいずれかにより行うものとする。ただし、第一号及び第二号に掲げる書類及び有効期間又は有効期限のある第三号に掲げる書類にあっては、資格者代理人が提示を受ける日において有効なものに限る。
一 運転免許証(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項に規定する運転免許証をいう。)、個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。)、旅券等(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号に規定する旅券及び同条第六号に規定する乗員手帳をいう。ただし、当該申請人の氏名及び生年月日の記載があるものに限る。)、在留カード(同法第十九条の三に規定する在留カードをいう。)、特別永住者証明書(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第七条に規定する特別永住者証明書をいう。)又は運転経歴証明書(道路交通法第百四条の四第五項(同法第百五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する運転経歴証明書をいう。)のうちいずれか一以上の提示を求める方法
二 国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療若しくは介護保険の被保険者証、健康保険日雇特例被保険者手帳、国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証、私立学校教職員共済制度の加入者証、基礎年金番号通知書(国民年金法施行規則(昭和三十五年厚生省令第十二号)第一条第一項に規定する基礎年金番号通知書をいう。)、児童扶養手当証書、特別児童扶養手当証書、母子健康手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳又は戦傷病者手帳であって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか二以上の提示を求める方法
三 前号に掲げる書類のうちいずれか一以上及び官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに準ずるものであって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか一以上の提示を求める方法
3 資格者代理人が本人確認情報を提供するときは、当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。

おおお、じょうぶんながい、、、

簡単にいうと、
本人確認情報はどうやって作成したらよいのか、
本人確認情報は何を記載したらよいのか、
上記規則において規定されています。

(1)記載すべき事項、確認すべき事項


 代理人司法書士が申請人のことを以前から知っているか、面識があるかによって変わってきます。

①共通事項

 資格者代理人が申請人と面談した日時、場所、およびその状況

 いつ、どこで、面談したのか、同席者は誰かいたのかを記載します。

 対面での面談が必要とされています。オンライン面談は認められていないようです。

 申請人が法人の場合、法人の代表者またはこれに代わるべき者となります。
 代表者はいいとして、これに代わるべき者とは代表者から業務権限を与えられた者をいいます。
 大規模な会社の場合、代表者と対面で面談することは大変困難なことです。そのような場合に、支店長などに業務権限を与えることで、支店長と面談し本人確認を行えば足りるという方法ができます。業務権限があるかどうかは業務権限証明書を記入して頂き確認します。

②申請人と面識がある場合

 面識が生じた経緯を記載します。

③申請人と面識がない場合

 ここがミソだと思います。

 申請人から提示を受けた公的身分証明書を確認し、申請人が登記名義人であると認めた理由を記載します。

 本人確認情報の作成のために提示を受ける身分証明書の種類は前記2項で決まっています。
 これは忘れがちなので、まとめておきたいと思います。

 なお、いずれも有効期限がある書類は、提示を受ける時点で有効期限内のものが必要になります。

【1号書類】

(a)下記の証明書のうち1つを提示してもらう。

  • 運転免許証

  • マイナンバーカード

  • パスポート(氏名・生年月日の記載要)

  • 乗員手帳(氏名・生年月日の記載要)

  • 在留カード

  • 特別永住者証明書

  • 運転経歴証明書

【2号書類】

(a)下記の証明書のうち2つ以上を提示してもらう。

  • 国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療若しくは介護保険の被保険者証

  • 健康保険日雇特例被保険者手帳

  • 国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証

  • 私立学校教職員共済制度の加入者証

  • 基礎年金番号通知書

  • 児童扶養手当証書

  • 特別児童扶養手当証書

  • 母子健康手帳

  • 身体障害者手帳

  • 精神障害者保健福祉手帳

  • 療育手帳

  • 戦傷病者手帳

(b)上記の書類で申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもの。

【3号書類】

(a)2号書類のうちいずれか1つを提示してもらう。

(b)官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに準ずるもの1つを提示してもらう。

  • 印鑑証明書

  • 住民票

  • 宅地建物取引士の免許証

  • 国家資格の合格証

  • 国家資格の会員証・免許証

  • 営業許可証

※法務局の判断によるようです。

(c)前記の書類で当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもの。


 以上の方法で、代理人司法書士が申請人と面談することにより確認し本人確認情報を作成します。
 証明書は、ほとんど見たことのないものばかりで、実際何を確認したらいいのか戸惑うことばかりです。

最後に


 司法書士が初対面の方をこの不動産の登記名義人であると、間違いないと、確認することになりますので、その分いつも以上に責任を背負うこととなります。。。
 したがって、その分作成費用がかかります。
 思わぬ出費です。。。
 くれぐれも権利書は失くさないように大切に保管なさってください。
 これが一番大事です。マジで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?