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コロナ特需という幻想-開業する人に向けてのアラート➁-

私が小川真広です。頑張っていかななぁ~言うてるんですが。
前回の記事読んでいただければ幸いですが軽く言いたいことをまとめるとこんな感じかな。

  • 行政書士業は本質的にはレッドオーシャン

  • 「成功者がやってる⇒だから自分も大丈夫」という短絡的思考はやめよう。

  • スタートラインは本当に平等かを考えよう。

  • 自分のリソースを深堀しよう。

  • 成功は定義しにくいが失敗は定義しやすい。

  • 「成功したい」、「失敗したくない」という気持ちにつけ入る手合いに気を付けよう。

  • 失敗から学ぼう

まぁ、こんな感じですわな。それを踏まえて、今日は私自身への戒めとしても書きます。特に一番最初の行政書士業は本質的にはレッドオーシャンと言われる所以と絡んでの私の開業時期の特殊性を少し話してゆきますね。

コロナが生んだバブル

いきなりボーナスステージ

 私が開業したのは2021年3月のことでした。
 この時はまだコロナ騒ぎの渦中でした。純粋にこの時の空気を思い出すならまさにこれでしたよね。

  流石に2021年時点ではZOOMは当たり前だし、テレワークは当たり前という空気になっていました。しかし、まだ、現実的な経済は外出規制なども相まって厳しい状況下でしたよね。
 事実、コロナは父の会社を完全に直撃でした。だって、遊ぶ子供いない、それに外出規制や自粛によりそういう遊具が一番に止められましたから。
 多くの零細事業者が疲弊してゆく中での開業でした。
 「そんな時期の開業で大丈夫か?」というツッコミもらいそうですが一言・・・

「大丈夫だ。問題ない」(cv:三木眞一郎)

という状況でした。いや、これはガチでその時の特殊性です。
 その時がどういう特殊性があったのかといえばいわゆるコロナ給付金というやつです。
私の時には国が実施する「一時支援金」「月次支援金」というものとあとは各種自治体が実施する給付金(大抵が国の支援金の上乗せか支援対象外への手当)が実施されていた時期でした。
 もしかしたらこれで気づいたかもしれませんが、そう、これが良くも悪くも開業して間もない時には収益の柱となっていたのです。
 あの時は本当に電話が鳴りやまず、メール返信に追われる日々でした。事前確認できますか?事前確認と申請サポートお願いできますかと毎日のように連絡が入り、毎日PCの前でZOOMをつなげまたは対面で粛々と事前確認とお客様から預かった書面を精査し、申請を実施していました。
 正直に言うと開業し、この手の支援金の締め切り時期は大抵サラリーマン時代の月給+ボーナスの半分程度は入り、自分にとっては上々なものでそのつながりから大口の補助金案件や今でも仕事でのつながりもある事業者もいます。
 しかし、それは一過性のものなのです。考えたら当たり前なのですがそのことにあの当時は気づけてませんでした。

調子に乗んな!

 体験したこと、体感したこと、知っていること‐これが思考に対して一定のバイアスがかかるって話はよくある話ですよね。
 自分にとってのバイアスはまさにこのコロナ絡みの支援金・補助金でした。
 
「なんだ、どうにかなるじゃないか?」

 無論、当初から補助金をやろうと思っていたのもあります。それはただ、コロナ渦というバイアスによるものでした。代表的なのはフルーツサンド補助金事業再構築補助金がその筆頭格でしたし、今でもうちの事務所といえばの小規模事業者持続化補助金もコロナによりその特別枠がかなり注目されました。
 ただ、そこで私が真摯に反省をしないといけないのはこのコロナ渦がどこかのタイミングで収束したら、あんたどうするの?あんたの本当の競争優位の源泉はどこなのとの問答の質が悪かった点につきます。
 歴史にif はありません。ただ、早く気がついていればHPや集客の構成、戦略的な面は大きく違ったものとなったのは事実です。
 私の資金調達関係での師匠である先生のこの指摘は非常に大きかったです。

  その意識はあれどその後どうする―いわゆる緊急でないが重要なこと―に対しての意識が薄かったことが多いに反省すべき点です。
 また、数多くの事業者とは事前確認などという機会で会うことはできましたが言い方が悪くなりますが優良顧客となりえるかというとそうではないのが実際でした。
 具体的には建設業者ですとそれは孫請けやひ孫請けの零細であり、それが即建設業許可が要求されていない規模感であったり、小規模事業者持続化補助金であっても下手に手を出すと現預金が本当に危ない水域になる事業者がかなり多かったです。実際、大口の補助金であるAFFという文化庁主幹の大口補助金も事業計画作成、提出というところまでもってゆきましたが結局最後に辞退という後味の悪い結果で終わったことが思い出されます。
 また、この支援金の特徴としていわゆる性風俗といった風営法が絡む業界は排除されています。(この点訴訟にもなりましたし、私自身公平性を欠くなとは感じていますが・・・)
 この風営に関する業界が排除されていたことも自身の強み、経験を忘却させてしまう一因であったと思います。
 その意味で今、どうにかなってるからいいだろっていう甘えた考えが一番大切なことを忘れさせていました。
 その意味でこのセリフを思い出してしまいます。

コロナ特需が終わって ーこれからに向けて

総括と今後

 正直、普通の開業者が巡る過程から少し逸脱しているムーブがあった中での開業でした。無論、コロナ以前にも例えば会社法施行時の一種のムーブメントなど大なり小なり何かしらの風はあったように記憶しています。
 無論その波に乗ることも大切です。せっかくのボーナスステージがあってそれが自分の業務範囲内にしておきたい事柄ならばその波には乗るのは至極当然です。
 しかし、私の中に一番大切な視点ー”事業を継続する”という1番大切な視点を持ち、戦略そしてそれを実行するための経営計画をきちんと練り上げ、それをPDCAサイクルの中で常に反復し、検証しなかった甘さもを痛感しております。ただ、その中でも依頼は細々とあり、どうにか回せて行くことはできました。
 そんな中、2021年12月に母の死もありしばらく業務が止まってしまうことがあり、仕事どころではなくなった時期がしばらくありました。それが逆に自分を客観的に見れたいい機会だったと思います。
 ”いかに考えているようで考えていなかった”のかをつくづく痛感させられました。あの時、利益計画をソラで言えなかった自分がいましたから(苦笑)
 最初から人を雇い、組織経営できるような事務所は極稀なことと思います。自分が営業し、自分が伝票や経費精算し、自分が成果物を作り、自分がその請求処理を最後まで見て、なおかつそこに家族のことや私的なことも同時に処理しないといけない。
 そこには経理の担当も営業マンも職人もいないのです。そして、負うのはお客様、ひいては業界や社会全体への信用/信頼。経営者というものはそういうものなのです。
 私にとってはこれがいいきっかけとなりました。業務をしながら、自分が思い描いていた理想、自分の経験やリソース、そして理想を叶えるために内をすべきでないのかの取捨選択。毎日2時間は机に向かってそういうことをずっと禅問答しA4の裏紙に書いては捨て書いては捨てを繰り返していました。
 そこででた答えが今のこの行政書士事務所C.L.O.Fという形でした。無論そこに至るには様々な人との出会いもあったのも大きく、トリガーとなった出会いもありました。しかし、それが自分と向き合い、考え抜いて出た答えです。納得しての行動です。それ故に仕事そのものが楽しくて仕方ありません。また、この失敗もそして過去の失敗も初めて受け入れられたように思います。


 その意味においてはおそらく試験合格して、「すぐ登録だー!」ではなく一呼吸置いて、自分と向き合う時間を作ることが一番と思います。
 よくよく考えたら働き過ぎです。試験が11月にあって1月下旬ごろに合格発表・・・
 2ヶ月近いタイムラグあってその間は浮足立っている状況。1年程度の学習期間があったとしたらその間色々なものを犠牲としてきたのですからそれを少し取り返してもバチは当たらないと思いますよ。
 そんな時間こそ、事業を強くしなやかにする源泉だと思います。この時間はなかなか実務やるようになるとそう取れるものではないですから。(Twitter界隈でそういう時間アッピルでワーケーションとか行ってるヤツ、大体法人経営して従業員いるとか雑務や通常業務回せるリソースもってる説)
 慌てることはないのです。まずはじっくり腰を据えてみませんか。
 腰を据えて、自分と向き合い、資格を取った意味、自分でやるということ、自分が本当に欲しいものや大切にしたいものはなにかを書き出しそれをもとに業務を決め、何が必要かを洗い出し、それに伴う必要な行動をすることだと思います。ーそれがダブルライセンスならもう一つの資格取得でいいし、登録に向けた動きでもいいし、就職先を探すでもいいのです。
 もちろんここで大切なのは自分で考えることです。あの先生が言うからとかあの稼いでいる先生が言うからで思考停止していたら、変な手合に絡まれ、結局己が損をするだけですから。
 そんな手合の話はまた次回。
 また次回の記事でお会いしましょう。
 


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