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言葉の浮かぶ日:奥地新吾精選歌集 奥地新吾(著)

[商品について]
―生きている今この瞬間を、濃密に大切に味わう― 夏の夜の 人恋しきに堪えずして 街を歩けば 深まる一人 教師として、父母の子として、生きることの意味を問いながら、空を見上げ、季節の移ろいを感じ、日常のこと、家族のこと、仕事のこと、ときどきに心の中に生起する心象風景を三十一文字の言葉に紡ぐ――。 生きにくい世の中をときに笑い、ときに蕭蕭と見つめながら、衒いのない想いを400首の作品に収めた魂の短歌集。
[出版社からのコメント]
夏の強い日差しが生みだす光と影、青春を謳歌する子供たちと折り返しを過ぎた自らの人生、育ててくれた両親と今の自分――、人生のさまざまなコントラストを感じさせる本書の作品が、私たちの日常と重なり合って生みだされる詩情を、ぜひ楽しんでいただければ嬉しく思います。
【著者略歴】
奥地新吾(おくじ・しんご) 1957年 生

第1部 なつかしき風景

伊勢の海昇る朝日に目を細め坂道下る信号は青

伊勢の海朝靄の立ち朱色なる朝日昇れり神島の上

塩浜の工場群の照明がネオンサインのごとく見ゆる夜

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