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伶果と過ごした36週2日と78時間43分(6)

<出産3日目 後半>
病院のバスタオルを借りて、そっと包んで抱っこした。そのまま助産師さんの先導で地下駐車場まで一般の人と会うことなく、降りられた。最後にお世話になった女医さん、たぶん2人いた女医さんのうち、先輩っぽい人の方が駆けつけてくれて、助産師さんと一緒に見送ってくれた。
伶ちゃんを抱っこして、車に乗り、地下駐車場を出ると、真夏の太陽がまぶしかった。夫は何度、ここを出入りしたんだろう。夫も疲れがたまっているだろう。跨線橋を渡るとき、3日前の渋滞を思い出した。もしかして、あの渋滞に巻き込まれなければ・・・とこれからもここを通るたびに思うんだろう。
「伶ちゃん、いいお天気だね。見てごらん、テニスやってるよ」と言ったら夫は「この道をお散歩したかったなぁ」って。マルを初めてベビーカーに乗せて、この跨線橋を渡った日のことを思い出した。こんなふうに話しながら帰ってこれたので、やっぱり3人で帰ってこれてよかった。

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