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【数字のレトリック?!】電気代等の支援額4万5000円を紐解く!

先日、各メディアがこぞって下記のニュースを取り上げていました。

家庭の電気・ガス・ガソリン代、支援します…来年1~9月で負担減4・5万円に(読売新聞)

単に電力会社にお金を投入するのではなく、どれだけ料金が下がったかを国民に実感してもらうべく、「家庭への負担4・5万円減」という分かりやすい経済対策を打ち出した一方で、「本当に4・5万円負担?数字のレトリックなのでは?」という見方を持っちゃいまして。

では果たして、私たちには実際に何円負担されるのか?!
下記の順番で紐解いてみます!

そもそもなぜエネルギー価格高騰?!

結論から言えば、エネルギー価格高騰の主な原因は下記のとおりです。

  • 火力発電所の予備率がそもそも低い

  • しかし原子力発電所の再稼働は進まない

  • さらに脱炭素推進を背景に火力発電所の休廃止が進んでいる

  • 天候に左右される再生可能エネルギーの安定供給が見込めない

上記の要因に加え、ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格の高騰が、これに輪をかける結果となり、エネルギー不足は喫緊の問題となりました。

そして即効性のある対策として今年8月から「※節電プログラム」を開始し、来年1月よりこの電気・ガス・ガソリン代の支援が始まります!

※節電プログラム参加で2,000円相当のポイント、節電状況に応じてプラスでポイントがもらえる制度です。
下記の採択事業一覧に記載のある電力会社と契約を結んでいる場合はプログラム参加可能です!

4・5万円の計算は合ってる?!

結論から言えば、
「1ヵ月1世帯の想定人数にもよるが、おそらく4・5万円を下回る」です!

記事によればそれぞれ「電気・ガス・ガソリン代」の負担額は下記のとおりです。

  • 電気:1kWhあたり7円の引き下げ

  • ガス:1㎥あたり30円の補助

  • ※ガソリン:1Lあたり168円を超える場合35円を上限として補助

※ガソリンは今年1月原油価格高騰を受けて既に年末まで支援が施されていましたが、その施策を来年9月末まで延長するものであり、新しい施策ではありません。

ですので、それぞれ1ヶ月1世帯当たりの使用量を下記と仮定し、

電気使用量400kWh、ガス使用量30㎥、ガソリン使用量40L

4・5万円の試算はおそらく下記の通りではないかと思われます!
400kWh × 7円/kWh × 9カ月 = 25,200円 ー ①
30㎥ × 30円/㎥ × 9カ月 = 8,100円 ー ②
40L × 35円/L × 9カ月 = 12,600円 ー ③

①+②+③=45,900円上記の計算ですと、4・5万円の負担減も辻褄が合いますが、これは1ヵ月1世帯当たりの使用量が多く見積もられているようにも思います。

まず電気使用量400kWhですが、これは1世帯4人家族の場合の数値です。ガス使用量30㎥は1世帯3人家族の場合の数値で、ガソリン使用量40Lも2人世帯以上の数値です。

現在1世帯当たりの平均人数は2.27人とのことなので、
1世帯当たりの使用量は仮定されている数値よりも小さくなり、結果として4・5万円の負担額よりも小さくなると思われます。また車を持っていない世帯も少なくないと思うので、ガソリンの負担額は除外して考えると数値はまた小さくなります。

実際の負担額はいくら?!

結論から言えば、
「単身世帯車無しの負担額は17,460円、3人世帯車有の負担額は39,600~45,900円」です!

下記①②を想定して、電気代・ガス代・ガソリン代それぞれ計算しながら比較してみます。

①私の場合(単身世帯車無し)
②モデルケースの場合(3人以上世帯車有)

ⅰ)電気代
①170kWh × 7円/kWh × 9カ月 = 10,710円
②300~400kWh × 7円/kWh × 9カ月 = 18,900~25,200円
東京に越してきてから電気使用量が最大になる1月~3月を迎えていないため、
現在契約しているプランの平均電力使用量170kWhを値として代入しました。
①②を比較するとおおよそ8,000~15,000円ほどの差があります。

ⅱ)ガス代
①25㎥ × 30円/㎥ × 9カ月 = 6,750円
②30㎥ × 30円/㎥ × 9カ月 = 8,100円
こちらの電気代同様、現在契約しているプランの平均ガス使用量25㎥を代入しました。
①②を比較するとおよそ1,350円ほど差があり、
電気料金と比べるとそれほど差は大きくありません。

※電気・ガスは東京ガスと契約しているのですが、こちらのアプリから電気・ガスの使用量と料金が簡単に確認できます!

ⅲ)ガソリン代
①0円(ガソリン使用無し)
②40L × 35円 × 9カ月 = 12,600円
そもそもガソリンの使用がないため、負担額は0としました。

ⅰ~ⅲそれぞれを合計すると、
①17,460円
②39,600~45,900円

となり、私(単身世帯車無し)の負担額は17,460円
モデルケース(3人世帯車有)の負担額は39,600~45,900円になります。また両者を比較するとおおよそ22,140~28,440円の差があることが試算できました。

また、この負担額はあくまで1月以降のエネルギー使用料金増の抑制施策ですので、普段支払っている電気・ガス・ガソリン代が安くなるわけではありませんが、負担軽減策がない場合は各世帯の大小の差はあれど、少なくとも9月までは4・5万円ほど負担増だと考えるとありがたい支援策だとも感じます。

ざっと計算してみましたが、仮定した数値の間違いは悪しからずです、、

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