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私の花は一生枯れさせない


最近、わたしがわたしで良かったなと思う。
好きなところも嫌いなところも全て含めてわたしで良かったなと思う。
気付かせてくれる人がいて良かったなと思う。
気付ける自分で良かったなと思う。
全部、全部良かったなと思う。


森道市場に行きたかったけれどリセールが外れてしまって、本当なら今頃新幹線に乗っていたのにな〜と思いながらいつも通り職場まで車を走らせる。
ラッキーなことに職場にはわたしひとりだったので、3日目の出演者の音楽を連続で流して、ここがわたしの森道市場や〜!と涙を流しながら仕事をしました。


行けなかった衝動でカネコアヤノのツアーのチケットを探していると神様はわたしに優しいらしく、すぐにわたしの手元にチケットを届けてくれた。
チケットを譲ってくれた方がありがたいことにチケット代は大丈夫です!と言ってくれるので今回はお言葉に甘えることにした。ありがとうございます。
任せて!わたしめちゃくちゃ楽しむからね!


前もthe1975のチケットを譲ってくれた方が同じことを言ってくれて、わたしはそういう星の元に生まれてきたのか?とこればかりは錯覚してしまうことを許して欲しい。
この世にも優しい人は存在するらしい。人間もまだまだ捨てたもんじゃない。

その日は大雨でわたしの住んでいる場所の在来線は全て止まっていたが新幹線は通常通り運行していて、やはり日本は素晴らしい!と心の中で拍手をした。
本当はライブ前に喫茶店に行ったり知らない道を散歩しようと思っていたけれど、雨というものはそんなウキウキすらも黒塗りにしてしまうもので、雨が降るのは仕事の日だけにしてくださいと空にお祈りをする。

結局現地に着いたのは開演2時間前でどこにでもあるチェーン店で雨を恨みながら珈琲を飲む。
それでもこれからカネコアヤノが聴けるんだと思うとわたしの心はスキップをしていて、彼女の音楽を聴くだけでなんでも乗り越えられる気がした。
むしろ雨の中で聴く音楽も趣があるのでは…?とまで思えた。


''普通じゃいれないよ 優しくなれないよ
普通じゃいれないよ 傷つけたくないよ''

何度背中をさすってもらったか分からないほど聴いた曲。
普通じゃいられないけど、わたしたち、そのままでいいよね。

この曲のバンドセットがめちゃくちゃ好みでさすがに音源化してくれないとわたしがどうにかなってしまいそうです。
どうしてももう一度聴きたくてもう1公演どこか行こうか迷っています。

わたしは今まで『りぼんのてほどき』や『わかりやすい愛 丈夫な体』で涙を流す女だったのだけれど、もう今はその曲たちも穏やかな気持ちで聴くことが出来るようになっていて、わたしもあの頃とは違う人間になったのだろうかと今までの自分を思い出す。

もうカネコアヤノを聴いて涙を流すことも当分ないのかもしれないと思っていた矢先に『とがる』を楽しそうに歌う彼女を見て違う温度の涙が溢れた。


''巻き戻しなんていらないよ
壊れたものはだいたい捨てるよ
熟した果実だ おれたちは''



わたしはずっとこのまま過去に囚われたまま生きていかなければならないのかと思っていた。
けれどこの歌詞を聴いて、わたしは自分が思っているよりもずっと前を向けていることに気付いて思わず笑顔になった。

何をしても過去は戻ってこない。巻き戻せない。
前まであれほど巻き戻したかったあの時間を、今はもう巻き戻したいとは思わなくなった。

あの時間は今のわたしになるために必要だった時間だったけれど、作り直せないわたしたちになってしまったのならもう、あれら全ては''あの頃''として過去に置いていこうと思う。
壊れたものを修復するよりも新しい何かを作り出すほうに、きっとわたしにとっての光はあるんだろう。わたしは光の方へ歩いていきたい。


わたしは少しずつではあるが人間としてちゃんと熟していっているんだと。そう思えた。


親友に、このまま誰のことも信じられずにもう誰のことも愛せないのかもしれないとぼやいたとき、彼女は『大丈夫、◯◯ちゃんは絶対また誰かを好きになるし、そのままのあなたを愛してくれる人と出会うから。今は今の生活を楽しんだらいいよ』と言ってくれたことを思い出した。

4月から今この瞬間まで、好きな友達と遊んで好きな音楽を聴いて好きなものを食べて好きなものを観て自分の好きを詰め込んだ生活を送ってきた。

結局人間は''好き''があればあるほど生活は豊かになっていくもので、ああ、そういえばわたしはこんな人間だったな〜と本来の自分を取り戻していく感覚が分かる。
あの苦しい耐え難い時間も全て、わたしにとっては必要な時間だったんだと、何があっても楽しく生きると自分で決めた覚悟を貫いて良かったと思った。

みんなに出会えて良かった。生きていて良かった。
わたしをわたしでいさせてくれる世界が存在して良かった。


もう恋愛とは距離を置いておこうなんて思って自分の生活を楽しんでいたら出会いというものはひょんと舞い込んでくるものらしい。

少しだけ気になっていた人と雨宿りをしていると『連絡先教えて?』と言われ、そんなシチュエーションが久しぶりすぎてわたしの口角は頭のつむじすらも突破していただろう。
あの日ばかりは大雨にも感謝した。

今回こそは慎重に。言葉ではなく行動を信じる。
すぐ浮かれポンチにならない。急がない。ゆっくりと。
これらを肝に銘じて自分の生活を1番大切にしながら恋愛も楽しんでいけたらいいな〜くらいの気持ちで今を生きています。
まあ?もう既に?かなり浮かれていますよ。
そうです、わたしはそういう女なのです。

客観的に見るとこの間まで元彼がどうちゃらって言ってなかった?と思われているだろうが女の恋愛は上書き保存ですので、過去の男はそれぞれ生きていってください。とジャガイモになってしまいました。
そうです、わたしは単純な女なのです。


恋多き人生万歳!!!
ちゅ!魅力的でごーめーんっ!❤︎

ラブストーリーは突然に。小田和正はマジだった。

いつか好きな人とデートの予定が出来たらモテキの藤くんみたいにPerfumeの『baby crusing love』を踊る日が来たらいいな〜なんて思っていたのだけど。

自分、踊り狂っていいっすか?

まだわたしのことを何も知らない人。
まだ彼のことを何も知らないわたし。
わたし、もっと知りたいと思ってもいい?


カネコアヤノのライブが終わった頃にはザーザー振りだった雨はもう一滴も降っていなかった。
雨上がりのアスファルトの匂いと一緒に、なんだか春の匂いがした。


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