#病は突然に3 幻覚をみた話
気づいたら4月。そして終わる。早い、早すぎる。
毎回同じこと言ってる気がする。
どうもあたるです。変わらず入院生活は続いています。
入院生活が長いとなんだか世界に置いていかれ続けているような気がしていて、きっとそれはその通りなんだけど、じゃあ入院する前はちゃんとついていけてたのかと考えるとそんなことはなく、のほほんと生きてたような気がするのでこれからもうちょっと頑張ろうと思います。
意識が戻ってからしばらくずっと微熱が出続けていた。
入院する前は熱なんてほとんど出なかったし出ても寝ればだいたい翌日には引いていた。大きな病気も怪我もせずわりと健康だけは優良で生きてきたと思う。
なので微熱がずっと続くとこんなにもしんどいものなのかと実感した。
ただでさえ下半身が動かないところにこの微熱。力がうまく入らない。
加えて病気の影響だろうけど、ぼくはおそらく幻覚をみた。
おそらくというのは、誰かにあれみえます?とか確認したわけじゃないからもしかしたら本当にいたのかもしてないけど、さすがにそれは現実感がなさすぎるものだったから幻覚だったんだろうなということで納得しておく。
具体的になにが見えたかというと、身長が3mくらいの全身黒尽くめで長髪の女?の人が病院の窓の外に立っていたのだ。何をしてるのかわからないけど、双眼鏡かオペラグラスみたいなやつで道路のほうを見ているのである。
ちなみに僕がそのとき入院していた病棟は10階だった。
窓の外は一応非常階段みたいな足場はあったけど、どう考えてもそんなとこで交通量調査をするわけないし、季節は7月、病院の中にいたって暑いくらいだ。肌が見えた記憶はないから長袖長ズボンみたいな感じの服装。
たまに吹く風で長髪がなびくが顔は見えない。そして動かない。
ここまで書いたけどべつにホラー映画みたいに恐怖を煽る感じはなくて、本当にただそこにいるだけ。何してんだろうなあの人と普通に受け入れてた。まあ幻覚みたことなんてないし初めて見るとそんなものなのかもしれない。まじでキョトンとみていた。暑くないのかなとか考えていたくらい。
それ以外にも天井に老婆が大きく口を開けている写真が見えたり、窓の外の足場でダンスみたいなものを延々と踊ってる人がいたりと意味不明な幻覚が続いた。ちゃんと起きて看護士さんと会話もしてたから夢でもない。
一体全体あれはどういった類の幻覚だったんだろう?
幻覚に意味を求めても仕方ないだろうけど、きっとあれは心理学的にいうとなになにの暗示で〜とか、深層心理できっとこんな抑圧が!みたいな、夢診断みたいなもがあればいいな、と思って調べたらせん妄っていって意味不明なことを口走ったりする症状があるとわかった。
注意力や自分を含めたその場の状況を理解する能力が低下することとのこと。
意識が戻ったといえ状況に理解が追いついていなかったのはその通り。
ちょうど病院に看護学科の実習生が来てた頃だったから、これがせん妄ですよ、という参考例になってあげればよかったと状況が理解できる今は思う。
とはいえ害はないにしても幻覚なんて見るもんじゃない。
そしてはやく退院したい。