じぶんさがし　その１

私は今、世間から外れて生きていると思う。「外れた」とあえて言ったのは、普通の人々が毎日課せられているであろう行動や言動の範囲から自分は逸脱していると思うからだ。

初めの頃は、周りから取り残されたような疎外感や元通りにならなければと焦燥感がつのり、何かに夢中になってはすぐ投げ出し、自分を無理に押し戻そうとしては自己嫌悪に陥っていったい何がしたいのかと自問自答しては当てもなく答えを探し求めていた。しかし答えはどこにもない。ないことが正解なのだとやっと気が付いた。

私はごく普通の人間だ。たぶんそれで間違ってないと思う。まわりの人たちと比べてもどこか大きく違ったところはないように見える。

特別に美しい容姿ではないが、はた迷惑なほど醜悪でもない。スキルもこれまた人並みとしかいいようがない。ある程度の学力と努力で得たプラスアルファの知識だけが武器だ。

前を見て上に向かってひたすら毎日の課題をこなしてゆく。一段上がればまた一段、やっと上ってさらに次の一段が壁のように立ちはだかる。

人生とはそういうものだと言ってしまえばただそれだけのことだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく。。。