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あたっくNo.1

舞台、あたっくNo.1の感想です。

吉澤要人さん (原因は自分にある。)が出演する上に、物語の内容も興味があったので絶対に観たかった舞台です。
連番相手の都合で土日しか申し込めず、当選するかどうか不安はあったものの、無事2公演分のチケットを手にすることができました!

公演2日目(9/23)を観劇した翌日、これを書いています。←全然書き終わらなくて今29日です
千穐楽を終えるまでネタバレを流す気はありませんが、私の脳のメモリはすぐにいっぱいになってしまうので、先に出力しておく必要があります。

私は事前に原作を読み観劇に臨みました。
結果として、2回観られるなら初見は前情報なしで行って、2回目の前に原作読めばよかったのでは?とも思っています。まあでも、原作読む時間を確保できる保証もないし!たられば論になるので考えないこととしましょう。
(原作読まずに観た方の感想知りたいです🥹)

初っ端から余談ですが、23日の席が下手側前方だったもんで、基本的にずーーっと舞台中央方向へ首を曲げていて、かなりつらかったです!暗転するたびに左に首を曲げてどうにかこうにか乗り切りました。カーテンコールで要人くんと別府くん両名が下手側だったのはラッキーでした✌️

以下、23日の公演を見ての感想です。千穐楽観た後の感想は※で記しました。思いつくままに書いたので物語の内容が前後する部分が多々あると思いますが、何卒容赦ください。

まず序盤から舞台上段どセンターに位置どり、脚にキそうなモーションをこなす吉澤要人さん…もとい横川。
普段鍛えた体幹と筋肉が今、いかされています。皆さん、見ていますか。あれ、私の推しなのです。などと浮き足立ちました(集中して)。
とはいえ、始まったということは終わるということ。ああ、イ18号が、出港してしまった。終点のことを考えると、心がずっしり重くなる。

そんな心の重みを吹き飛ばすような、明るい潜水艦内での日常。
原作を読んだ時は古瀬・寺内・勝杜・横川が主軸かなと思っていたのですが、コミカルなシーンの割合の関係で寺内・北・勝杜・永井の見せ場が多かったですかね。

北と大滝は原作のイメージよりかなりとっつきやすいというか、粗暴な中にも親しみやすさが感じられて好きでした(原作より方言がキツくなかったからですかね)。
大滝、あんな感じだけど空は万国共通云々言っててかわいいし、接吻は惜しげもなくするし。船酔いで具合悪くて不機嫌なところまでかわいく思えてきました。
テラと北のやりとりはテンポが良くておもしろかったです。テラが周囲の勢いに押されて翻弄されしまうところ、いいなあ。
永井の格好には少し驚きました。推しがあれで出てきたら思考停止してしまいそう。でも間違いなく生きた永井でした!すごい!
永井がおしゃもじを特殊潜航艇に見立てて方言でぶつぶつ言うところめっちゃ好きでした!
村松軍医は威厳とはかけ離れた、町医者のおっさん。原作では あんちゃん だったけど、おっさんになってましたね。村松軍医役の牧田さん、以前別舞台で拝見しましたが、やっぱ役者さんて役の仮面と魂を入れたら別人になっちゃうんだ、すごい、とバカみたいな感想を持ちました。大尉という肩書きに反し情けない姿が笑いを誘います。

そんな中、要人くんがお芝居の中で笑いを誘う姿ってあまりイメージできなくて。ていうか横川に対してそんな笑うシーンもないかと思ってたんです。でも、あの“つきたての餅”の感覚、接吻を夢見る横川の表情!思わず笑ってしまいました。しかしこのシーン、彼の出演ドラマの最終回を見た後だと、純粋な気持ちで見られないかもと今私は不安になっています。吹き飛ばしてくれ。
(※まったくの杞憂でした。千穐楽、唇突き出して空に接吻しようとする横川が、北にビンタ食らってて普通に笑ってしまいました。)

眉毛一族に囲まれたときも、華麗なターンを決めて、ボソッと 踊っちゃった なんて言うの、ズルいですね。まさかここで踊りを見られると思ってなかったですし。そんなつられ方あるかい、って。(※千穐楽はほぼドセンだったので、正面から見られました!アドリブ増えててすごい!付け入る隙を逃さないでツッコみを入れている姿に感動。散々周囲に助けを求めた後、「すみません直接言いますけど無理です」と眉毛ちゃんに断りを入れる横川要人くんかわいすぎて最高でした。)

夢の中なのでなんでもありなんですよね。あれを舞台上で好き勝手(言い方)するの、すごくいい。
(※北が眉毛ちゃんとみどりちゃんを比較する場面で少しセリフを飛ばしたのですが、あの場面ではそれも笑いに変わって、横川めちゃくちゃ笑ってるじゃんとイジられていました。)
何より演じている皆さんが本当に楽しそうで。物語の中の彼らが、真珠湾へ向かった彼らが、本当にこんなふうに楽しく、ずっと過ごせたらいいのにと。まあ、夢なんですけど。
(※眉毛ちゃんが1人1人の身体チェック?を行うところで、眉毛ちゃんが頭を振り回して三つ編みがバシバシ顔に当たっていました。横川は震えながら笑っているし、北は目がいてぇと嘆いていました。)

古瀬中尉は、終始爽やかな笑顔と良く通る声が強く印象に残っています。拳を振るうのは自分ではなく人のためばかりで、下士官からの人望が厚いのも納得です。1年前から死を覚悟していた古瀬と横川が共に過ごした時間も、察するに余りある現実です。

大日本帝国軍の無謀とも言える作戦を聞いた時の二本柳!受け入れ難い事実に、拳を固く握り小さく顔を横に振っていたのが印象に残っています。二本柳役の別府くん、暴太郎戦隊ドンブラザーズを観ていてとても好きだったので、初舞台拝見できたご縁に感謝です。
ドンブラザーズ15話で車椅子に乗る仲間の前に敵が現れたとき、とっさに車椅子をすぐ押せるように移動したシーンが、めちゃくちゃ好きだったんです。別府くんが見せる、その役の細かな仕草が好きなのかも。
それにしても、本当に細い!骨っぽい!喉仏見逃したので千穐楽では見てこようと思います。元々出る予定ではなかった場面にも志願していくの、貪欲ですごくいいなと思いました。
(※本当に背が高い・細い・喉仏しっかりしてる。実は夫もこの舞台に連れて行ったのですが、夫は二本柳役の別府くんと寺内中尉役の永岡さんの二名のお芝居が特に好きだったそうです。千穐楽の二本柳は、2日目に観た時よりも力はこもっているけど、余分な緊張は抜けているような。たった2回しか見ていないのでハッキリしたことは言えませんが、とにかく別府くんの初舞台を観られて良かったです。)

渡久保さんは、人一倍自分の仕事に誇りを持っているのが伝わってきました。仕事道具を遊びに使われたと思って怒るところ、自分の食堂をやりたいという夢や、潜水艦は腹で乗るという言葉、うまいものを食べさせて乗組員を鼓舞するという姿勢。仕事の話をしているときは決まって笑顔でした。
球体のケーキにヨコが ケーキだ…! と言ったときの嬉しそうな渡久保さんを見て、こちらも幸せな気持ちになりました。横川ったらまた人をメロメロにして…。
宇津木さんは、特殊潜航艇のことを知っていた1人。古瀬と横川の覚悟を不意にするような言葉に涙交じりに声を荒げていて、胸の中の熱いものがこちらにまで伝わってきました。
後述の歌を歌う前に、音叉をポケットから取り出して膝で鳴らそうとするのがおもしろかったです!(※大滝の 膝じゃ鳴らねぇだろ ってつっこみも込みで好きな場面のひとつです)

特殊潜航艇の任務を知り、2人の出立前に再び横川の誕生日祝いを行う場面。
誕生日の歌、歌ってもらっている横川の笑顔が顔からはみ出るくらいで、ほんとーーーにかわいかったです。あの口角の上がり方!!あんな嬉しそうにしてくれるの、こっちまで嬉しいだろが!!
しかしその楽しい空気を引き裂く無慈悲な召集の放送。それが聞こえてなお、部品の足りない自転車に、乗ってもいいですか?と問う横川…国から受けた恩に報いるだなんて大義名分捨ててくれ。みんなと過ごす最後の時間、夕焼けを見た横川……アイスクリームなんかいらん、どこにも行かないでくれ。家族のもとへ帰ってくれ。
勝杜があんまり泣くので、😞私もこんな顔になってしまいました。
そしてスローで廊下?歩いて階段昇っていくの、すごく上手で心の中で拍手。私は普段から舞台を観ている人間ではないので、スローで表現するの初めて見ました。

甲板で2人を見送る面々。
このときの寺内の古瀬への別れの気持ちは如何ばかりか。
永岡さんが今回の舞台を最後に役者をやめること、この舞台を最後に選びたいと直談判したこと、観劇後に方南ぐみのブログとパンフレットで知りました。永岡さんの寺内中尉がとても心地よかっただけに、残念でなりません。永岡さんのタグを検索して、私が以前テレビで拝見していた方だったことに気がつき、画面越しではなく生の舞台で再会出来たこと、本当に嬉しかったです。
(※居ても立っても居られず、永岡さんへ手紙を書いてプレボに入れました。カーテンコールで客席一人ひとりを見ている姿、役者紹介で燃え尽きましたか?と問われ、大きな声で「はい、ありがとうございました!」と答えた清々しい顔。一介の観客として、とても寂しくも、これまでもずっと真摯に芝居に向き合ってきたのだろうなと窺えるような晴れやかな姿でした。自分の終わりを今ここと決めた永岡さんの潔さに感服です。これからのご多幸をお祈りしております。)

特殊潜航艇乗組員の二人は、泣かないんですよね。笑顔で去っていくのです。それが尚更つらい。横川の「行ってまいりまーす!!!」と古瀬の「さようなら」に胸を締め付けられました。

行き先も告げられず乗せられた艦で、国からの命令ひとつで戦争をさせられて、未来ある若者の命が奪われる。国のために命をつかうなんて、今じゃ考えられない。
悲惨な結果を知っているから単純にそう思えるけれど、当時はそれぞれが意志を持って軍に入って、国のために家族のためにと務めていました。艦に乗り込む時点で戦争だということも薄々感じていましたし、開戦の火蓋を切ることへの高揚を覚えていた彼らがいました。しかし、突如として知らされた「戦う前からの死」と忠誠を誓うべき国の判断への疑問・戸惑いは、彼らのそれまでを揺るがすものだったと思います。
私たちの平和な世も、気付かないうちに蝕まれ、いつか突然脅かされるのではないかなと危機感を覚えました。

当たり前だけど当たり前じゃない平和を、これからも繋げていきたい。

私も舞台を通して受け取ったバトンを繋いでいきたい、稚拙な文章でも何か記録を残しておきたい、と思い感想を書きました。
今回ご縁があり、閉館が決まっているこの劇場で、この座組で、この舞台を観られたこと、きっと一生の宝物です。
ありがとうございました。

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