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詩集

155
詩、ポエム、詞のタグが付いた投稿を一つにまとめたものです。
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2022年5月の記事一覧

生きてる気がしない


目が覚めて
昼まで
天井見てる
動き出す午後
財布見当たらない


食事とって
夜更けに
携帯見てる
乾かない服
明日着る服がない

生きてる気がしない
明日生きてる気がしない
生きてる気がしない
すでに生きてる気がしない

あんな風になりたい
憧れてたっけ
こんな風な現在
夢見てたっけ
どうでもよくはないけど
いいよ
もういいよ

生きてる気がしない
ずっと生きてる気がしない
生きてる気が

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過ぎる五月の雨音

少し前に比べて
背の高い草が増えた月の半ば

午前中に少し降った雨の雫が
伸びた草をつたって落ちる

固いアスファルトの上で弾ける雫が
午後の日差しに照らされてキラキラと光る

ビニール傘を杖がわりにして
人と目が合わぬように俯いて歩く

キラキラと光る宝石のような液体の粒が
俯く私の目の前を通り過ぎ
足元の薄汚れたスニーカーの上に落ちた
さっきまで宝石のように輝いていたそれは
薄汚れたスニーカー

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点が叫ぶ

小さな点の集まり
小さな粒の固まり

ひとつひとつは小さく
大した意味もない

集まったり固まったり
まとまってある一定の大きさになると
途端に何か重大な物事のような
意味を持ち始める

大きい事は力
本来意味のない事にも
大層な意味を与える
存在感を示すことで
不遇な扱いから逃れるために

点で描く
何か意味のあるものを
粒が見る
大きな一枚の絵の中から

点が叫ぶ
私はここにいる