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父の店仕舞い

私の父は鍼灸師。
毎日いろんな患者さんの身体を治療している。

こないだ実家に帰ったとき、ふと父の手を見ると、
利き手の親指が毎日の指圧で変形しており、それはそれは痛々しかった。
この指で家族を養ってくれたのだなという感謝と、
こんなにまで仕事をしてくれていたのかという申し訳なさで思わず涙した。
それがつい先日のこと。

今日母から連絡があり、年内で父がお店を閉めるとのこと。
体力的にもしんどかったとは思うが、セカンドライフを満喫したいと話しているようだった。
寂しさは少しあるが、あの手を見たばかりだったので、ほっとしたというのが正直なところだ。家族のために実直に働いてくれた父には、どうか思いっきり自分の人生を楽しんでほしい。

閉院の挨拶状の作成でもお手伝いしようかな。



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