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「歌ってみた」の ミックスを500件納品して気付いたこと

おはようございます!MaCoと申します。(MaCo@oddeyelabo)

生業としてはレコスタでの録音やミックス、ライブやイベントのPAなど音に関するエンジニアを担当させて頂いております。

フリーランスになったタイミングで、オンラインで録音データを頂きそちらをミックスして納品するという。ほとんど文面のやり取りで進むオンラインミックスを本格的に始めたのは5年前くらいになります。

ふと気がつくと!めちゃくちゃありがたい事に納品件数は500件を突破し現在、約780件くらいを遂行中です!

いつも本当にありがとうございますm(_ _)m
初めましての方で 歌ってみた ミックスがご入用のボーカル様!ご依頼お待ちしております!!

↓mixで参加させていただいた『歌ってみた』↓


ミックスに効果抜群なのは良い録音

ご依頼の80%は「歌ってみた」の件です、という事はそのボーカルデータは宅録な事がほとんどです。

普段スタジオでやっている「立ち合いミックス」と「オンラインミックス」で1番違う所が1番大事な〝録音″だという所に、当初はかなーーり悩みました。

どこのレコスタもそうだと思うのですが、録音→ミックス→マスタリングという流れがあって(録音だけでパラデータ納品もありますが。)80〜90%は録音の段階でミックスを見据えた音像、音色を狙ってマイク選びやマイクのセッティング、プリアンプ選びなどをします。

なぜ?かというと
ミックス時には、プラグインでイコライザーやノイズ処理を行う事は音の解像度を濁らす要因になり得るのです!
という事で録りの段階で出来るだけ完成イメージに近い音像、音色で録る事はミックスにおいてめちゃくちゃ効果抜群なのです!最重要任務です。

鮮度抜群のもぎたてシャキシャキなキャベツと、賞味期限ギリギリの少し傷んだシナシナ特売キャベツを調理する場合、傷んだ部分の処理は難しく もっと言うとシャキシャキ感なんかに関してはシナキャベはシャキキャベに食感で勝る事は出来ない!。。みたいな感じです。

という事を、ご依頼者様に伝えても分からないのが現実で、6時間の大手術のすえに「ご安心下さい、一命を取り留めました」という言葉はグッと飲み込み初稿を納品する。。。ボーカル音質に関して修正要望入る。。手術やり直し。

っという事態に、かなーーり悩みました!
もちろん音質が悪い方ばかりではないですが、ボーカル+オフボでのミックスの初稿までに3時間以上かかってしまうと実務でのスタジオやライブオペなどとの共存がコスパ的にも時間的にも回せなかったのです。


なんとかせねば で悪循環

宅録ではマイクの性能不足や調整されていない部屋の鳴りというスペックで声を録音しないといけない方もいらっしゃる。

そんな状況で歌い手さんは自身で機材やマイクコントロールの調整、ニュアンスや表現も考えて録らないといけない。

宅録でやっている事は、ミキサーとアシスタントとボーカルとディレクションという、、、明らかにハードモードです。

録音はそもそも難しい という事情も分かるからこそ、宅録データであっても 僕は仕事モードで考えてしまい、一生懸命に録音して頑張ったテイクはなんとかせねば!と。。。

この悪循環で 始めた当初は時間が足らず、1年くらいオンラインミックスもお受けしていない時期もありました。


完成イメージの共有で同じ方向を向く大切さ

「なんとかせねば」の時間の使い方はめちゃくちゃ間違っていました!
頂いたデータの音質が良くなかったり歪みがあったりという事は むしろエンジニアをやっている僕が伝えなければいけない事で、いざ お伝えしてみると「ありがとうございます!」「助かります!」というお言葉をいただける事に気がつきます。

今思うと、僕が逆の立場だったら完成する作品がカッコ良くなるのと、趣味だったとしても好きな分野の知識が増えたり上手くなる事はすごく嬉しいので、改善点を教えて頂けるのはありがたい!

その好き加減が大きければ大きいほど、ご依頼者様も制作における録音チームとしても本気で少しでも良い音を録ろうと頑張って調整、そして歌入れをして頂ける方もいらっしゃいます。

え?これ宅録ですか?と疑うくらい めちゃ良い音質とマイクコントロールの方も多いです。


現在の歌ってみたミックスフロー


ミックス予定のデータを頂き、トラックの確認と完成イメージの共有を踏まえた2mixをラフで制作し提出。
(この段階で録音の音質が改善出来そうな点があれば 思いっきり伝える)


ラフミックスを聞いた上での意見交換と、トラックをリテイクするのであれば音源の再提出を頂く。
オンラインでリアルタイムに打合せ可能な方は、zoomで細かいところまで作戦を立てる。


初稿納品と修正、殆どの方は1往復くらいのやり取りで完成納品!

という流れで2〜3日での、制作期間と何よりミックスの時短が出来てクオリティも上げられるという事で 実務とも両立出来ております。

考えてみると、すごく当たり前な事なのですが お互いが全力で最良な方向を向く為に意見交換をする事が大切な事だと思いました。

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