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ひそひそ昔話

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20歳前後までの忘れ去られた記憶を手繰り寄せて、話します。恥ずかしいので、ひそひそ喋るから耳を近づけて読んであげてください。
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#高校

ひそひそ昔話-その4 私を傷つけ続ける大人たち。永遠という、まんざらでもない表情で寄り添ってくる3つの顔-

乾いた泥を掴むと、ぽろぽろと崩れて地面に落ちる。どんな状態にも、どんな空間にもフィットするほどなめらかな身体を持っていたはずなのに、太陽のもとに晒されると脆くなってしまう。  私にとって怒りという感情はそういう具合に、時間が経てば経つほど無意味で無価値で、誰からも無関心であるみたいに、やがて心の片隅に掃きだめを作る。  私も忘れよう忘れよう、と何度も思うのだが、そういう怒りは、どうしようもないくらいに心の片隅で疲れ果てた姿で居座る。で、ことあるごとにその存在が引っかかってしま

ひそひそ昔話 -その3 風をきって きって 風をきってゆくよ。またしても破れかぶれな夕陽の疾走 -

高校生の僕は自転車を漕いでいた。パーカーにジーンズの簡単な恰好。簡単とは言っても安くはない。ジーンズなんか1万はする高価なやつだ。そよいでいた風を置き去りにするようにギアを上げ、加速した。この自転車も安くない。ガチャリンコ。二重鍵。中学に入学して、自転車登校が許可されたときに、じいちゃんが買ってくれた。6万する。  大きな川が、夕陽を反射してキラキラと輝いている。堤防沿いの、色を失い、生命の灯を失いつつある植物が、夕陽色に強制的に染め上げられていた。  僕はテレビゲームが

ひそひそ昔話-その1 やれやれ。いい加減な男がどうして花促進委員長までやれたんだろう? さて、僕は事実にどう向き合ったか?-

 僕は、あの頃、花いっぱい促進委員会(ふざけた名前だ)の全校の委員長をしていた。校内の花壇を管理し、土を耕し、植物を植え、花で学校生活を彩る。それぞれのクラスの前には、花壇があって、各クラスの委員が管理する。一人一役、何か委員をしなければならない面倒くさいルールの中、やれやれ、こんないい加減な男がどうして委員長までやれたんだろう?  で、僕はクラスの花壇でトマトやらスイカやらキュウリやらを栽培していた(花ちゃうやんけ)。  そんで、その開墾時、花壇を耕していると、土の中か