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【セルフライナーノーツ】ここにいること

すっかり夜型人間◯ムに戻ってしまっているのですが、
昼の寝落ち(昼寝とは言いたくない)をしなくなってて、
ちょっと不思議な感覚です。なんでじゃろ。

そろそろ食材の在庫が心もとなくなってきてるので、
買い出し行かんといけんなあ。そんな雨の夜です。
(豚肉を定期的に食べないと調子悪くなるようです、俺)

それでは今夜も書きましょう、
万貴音2ndフルアルバム「Smile Co.」の7曲目になる、
「ここにいること」。

サブスク登録してない方はこちらからサンプルを、
登録してる方は是非しっかり聴いていただけると嬉しいです。
CD買って聴いて下さってる方は、ほんとありがとうございます。
シンプルに興味を持ってご注文くださる方はもちろんですが、
今ライブができなくなったアーティスト支援、として
ご注文くださる方もいらっしゃって、その心遣いが沁みる。


・「足し算」から「引き算」へ。

初出は2013年5月。確か「Keep on Smile」と同タイミング、
万貴音の主催ライブの時ですね。

万貴音は2006年の結成当初から、フルアレンジされた
「音源」を併用するスタイルでした。
当時の広島では割と珍しいことだったんだけど、
今ではアイドルさんをはじめ、みんなよく使われるスタイル。

メンバーは二人でも、バンド楽器だったり、
ストリングス、ブラスなんかの音もたくさん鳴らせる。
バンドメンバーの担当楽器に左右されないので、
曲によって自由に音を組み合わせることが出来る。

もちろん弾き語りでもライブではやっていたんですが、
音源としてリリースする際、こういった「ピアノ一本」
とかの楽曲はすごく少ないんです。

「足し算の音楽」「引き算の音楽」って聞いたことあります?
余計な音は極力排除した方が本質的で、より歌が伝わるよ、
という考えが「引き算の音楽」、
色んな音を自由に加えて、カラフルにするのって楽しいよね、
という考えが「足し算の音楽」。
自分はどっちかというと「足し算」好きの人間だったんです。
メジャーアーティストでいうと、代表的な「足し算の人」は
槇原敬之さんかなー、やっぱり。

そんな好みや傾向で、ほとんどの曲はがっつりアレンジして
まとめてたんですが、「引き算の経験値」がもっと欲しいな、
とも思いつつ、そもそもこの曲は
この形が一番美しいんじゃないか、と思って。


・音の特徴。

この曲、ツイッターでは動画出してなかったわー。笑

特徴といっても実にシンプル。
ボーカル二人、ピアノ、そしてソプラノリコーダー。
ライブの時は相方がリコーダーソロを担当したり、
リコーダーの替わりにピアノ連弾でやったりします。

ミドルテンポの三拍子、伴奏はピアノのシンプルパターン。
難しいことは何もせず、メロディに過剰な味付けをせず、
二人で歌ってもほぼユニゾン(オクターブ)、です。
着飾らないルーム感というか、
裸足に白いシャツと黒いパンツ、ぐらいのまっさらな感じ。
(これ、俺のいつもの衣装だわ。。笑)

とはいえ、後半は少し変化を入れてます。
リコーダーソロの後は、ピアノの伴奏が
「ぶんちゃっちゃ」の縦のパターンから、
ペダルを踏んだアルペジオの横の流れに。
あとは、時折挟み込まれる無音。テンポはルバート。
音楽を演出する要素の一部分なんですが、
調和(予測可能な流れの気持ち良さ)と
意外性(耳を引く音やコード、リズムなど)の駆け引き。
基本的には違和感なくスムーズに、気持ちよく。
の中に、スパイスとして活きてくる無音とリズムの停止。
それは意識してまとめました。
シンプルなものでも、立派なアレンジ要素です。
ガチャガチャ音を加えるだけがアレンジャーの仕事じゃない。


・ミュージシャンの「ここにいること」。

ここにいること/万貴音

作詞が完成した日付が書いてありましたな。笑

歌詞がそのまんま「THE ノンフィクション」なもんで、
あまり説明することもないんですが。

「万貴音」というユニットを組んで活動して、
有名になりたいとか売れたいとか、
大箱で爆音ライブしたいとか音楽番組に出たいとか、
(それは今でもありますよ、結構たっぷり)
そういうのを全部一回剥がして、ただのシンプルな
音楽家になったら、メロディに乗せる言葉はこうなった。

そして当時、本当にしんどい、悲しいことがあって、
「命」についてたくさん考える時期だった、ということも、
やっぱりすごく強かった。
自分(たち)にとって、ミュージシャンにとって、
「生きていること」、「ここにいること」とは、
という自問に対しての、自分なりの「自答」でした。


・影響を受けた人。

似てるのかというと疑問に思う人もいるかもしれないけど、
この曲を作るにあたって、明確に影響を受けたのは、
広沢タダシ」さんの「今日の証」という曲です。
ぜひご本人の歌を聴いてみてください。

この曲、途中からはストリングスが入ってきて
すごく美しいサウンドになってるんですけど、
ギターと歌から始まる1コーラスで虜になった。
こんなにシンプルな言葉と音で、自分が切りとれるのか、
と思ったのがずっと自分に残っていて。

確か浪人中だったかなー、初めて聴いたのは。
その状況にプラスアルファでぶっ刺さった側面もあるけど、
もしもうたえなくなっても」という曲が、
ものすごく当時の自分には沁みました。これも聴いてみてー。
何度かカバーしたことあったような気がします。


アルバム「Smile Co.」の7曲目「ここにいること」の
セルフライナーノーツでした。
こういう曲、あまり語らないほうが格好良さそうだけど、
こんな感じで。ただシンプルに生まれた曲です。


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