ドライブチェーン/ベルトの点検と調整2
前回はチェーン/ベルトにまつわる点検や調整について深掘り解説してきた。今回は前回書ききれなかった分を書き連ねていこうと思う。
ドライブチェーンはブレーキパッドやタイヤに並んで消耗するパーツとも言える。ハーレーに使用されるチェーンサイズは530であり、このサイズになるとシールチェーンが基本だ。シールチェーンはリンクに充填されたグリスを保持し外部からの異物(水、砂、土、塵など)の侵入を防いでおり摩耗に強い。したがってブレーキパッドやタイヤなどの様な交換サイクルではないが、やはりノーメインテナンスだと摩耗は速くなる。そして小排気量モデルに使用されるノンシールチェーンは日ごろのメインテナンスをしてこそいくらかは延命できるが交換サイクルはブレーキパッド、タイヤ並みと考えてもいい。だからこそチェーンのメインテナンスは重要ということなのだ。
身近な例を挙げると、配達員が乗るカブなどでチェーンがチェーンカバーにあたっている音をたびたび耳にする。これは日々のハードなライディングによって頻繁にチェーンが伸びメインテナンスをしていてもこういう状況になってしまうのだろう。もしくはチェーンカバーが付いているためにメインテナンスを怠り早期摩耗をしているが、カバーがあることでそれすらも気付いていないという状況もあるかもしれない。いずれにしても交換サイクルは早い部品である。
そうなると出来る限りシールチェーンを使いたくなるがシールチェーンはそのシール分幅が広い。スカスカのチョッパーなら考えることもないが、ナックルやパンヘッドのブリキプライマリーカバーにはこの分厚いシールチェーンは干渉してしまう。それはそうだろう、その時代にはシールチェーンは無くノンシールチェーンの幅で設計されている。RKなどではこういったビンテージ車両向けに幅を抑えたシールチェーンをリリースしているのでそれらが使えるといいが、それでも干渉する場合はノンシールチェーンを使うしかない。1000cc超の排気量にノンシールチェーンの摩耗度合いはもう書かなくてもいいだろう。そういう車両のオーナーは要点検だ。
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