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FTR250プロジェクト2

 この仕事をしていてよく遭遇するシチュエーションに、あえて手に入りにくい物を掴みにいくというのがある。バイクでも車でも何なら家電でもよいが、それらを維持していこうとした時に重要なファクターとなるのが交換部品だ。消耗品はもちろん交換の必要があると思われる部品などもメイカーやアフターマーケットから供給されていれば所有を維持するためのハードルは下がる。しかしそのハードルが高いと思われる物を欲する人が多いと感じる。なぜだろう。

 私はその所有の維持を手助けする立場にあるため、その都度痛感させられるが部品の出ない車両は本当にきつい。仕事なのでやるがプライベートでそういった車両を所有したいと全く思わなくなってしまった。そんなロマンのかけらもないのが私だ。

 さてロマンに満ち溢れたFTR250再生プロジェクトは塗り直されたフレームにこちらも塗り直して内部はリフレッシュされたエンジンが載り、これを転がすために足回りに着手しているフェーズであった。リアサスペンションとフロントフォークは綺麗な外観と共にリビルドは完了。次はホイールだ。

 FTR250の純正ホイールはハブもリムもアルミ製。もちろん腐食は酷く、これをどうやって綺麗な状態にするか頭を悩ましていた。なぜなら腐食の根が深く、研磨するとしてもかなり削り込まないと綺麗な表面になりそうになくかなりの手間が予想される。それは外側の話でチューブやタイヤが接する内側も腐食によって表面が荒れている。いっその事新品と交換してしまいたい。そんな状態だった。

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