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タノンサック、矢吹戦へ強烈KO、ダナイWBCアジア王座獲

ウルフボクシングジムのタノンサックシムシー選手が、遂に勝負の日を迎えます。8月11日に前世界チャンピオンの矢吹正道選手と対戦することが決まりました。(2022年5月24日に某サイトで公開)

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陣営はこの試合を「チャンピオンロード」と名付けており、矢吹選手からの勝利にも自信があるようです。

そのタノンサック選手、5月1日にホームリングのシンマナサックスタジアムに登場、チューンナップファイトに挑み、格下選手を2回KOで下しました。

初回から圧倒し左ボディでダウンを奪うと、2回には左右のコンビネーションでダウンを追加し、最後は左アッパーで仕留めました。スピードがあり、パンチも多彩で、8月の大勝負も楽しみです。

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タノンサック選手はこれで、23戦23勝21KOとなりました。

この5月1日のイベントは、タノンサック選手の弟、シティサック選手が登場して、3月に獲得したABFミニマム級タイトルの防衛戦を行い、2回勝利を収め、11戦11KO勝ちとパーフェクトレコードを伸ばしています。

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その他タイの最近の興行については、タノンサック選手と同じライトフライ級に、4月30日に新チャンピオンが誕生しました。

バンコク・ラチャダーピセークで行われたNKL BOXINGでダナイ・ナコンルアンプロモーション選手がカンボジアの無敗選手(ビジェス・オーク、3勝(2KO))とWBCアジアライトフライ級王座決定戦に挑み、4回KOで新チャンピオンになりました。

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右と左の差はありますが、武居由樹選手の河村戦を彷彿させるような、一発(左フック)でのKO勝ちでした。

これでダナイ選手は11勝6KO3敗としています。アマチュア出身のダナイ選手は、パンヤ選手の持つWBC世界ミニマム級タイトルに挑んだこともあります。

2021年11月に行われたこの試合は、ダナイ選手が判定負けしていますが、今は本来のライトフライ級に戻し、より迫力が増したように思われます。今後の要注目選手です。

この日のNKL BOXINGでは、6月25日に世界タイトル挑戦を控えたシーサケット・ナコンルアンプロモーション選手が登場し、元世界王者のコンパヤック選手と4ラウンドのスパーリングを行い、終始、コンパヤック選手を圧倒していました。

本来ならばノンタイトル戦としてコンパヤック選手との元世界王者対決が実現するはずでしたが、世界タイトルが決まり、大事をとってエキシビションマッチ(スパーリング)としたようです。

スパーリング後、シーサケット選手は「ロドリゲス戦については、まだ準備中なので、100%勝てるとは言えないが、今の状態で99%勝てる自信がある。3度目の世界王者になる機会ができて本当に嬉しい。ファンの皆さん応援して下さい」とコメントを残しました。

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5月7日には、TLBOXING PROMOTION(ギャラクシープロモーション)が手掛けるTHE FIGHTERが行われ、注目のカードとして、ジョムオー・K・サックランプーンとゴンファーCPF選手の一戦が実現しました。

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ジョムオー選手はWBAアジアフライ級王者で、この日まで9勝4KO1敗という戦績です。タイ人キラーと呼ばれる、フィリピンのエイドリアン・レラサンにKO負けした以後、タイトルマッチを含む5連勝でこの試合に挑みます。

一方のゴンファーCPF選手は、WBCアジアスーパーフライ級王者でこの日まで41勝20KO1敗1分、この1敗は比嘉大吾選手に屈したもので、それ以降一引き分けを挟んで27連勝、日本の福永亮次選手、藤岡飛雄馬選手を下したこともあります。

かつて、WBCアジアスーパーバンタム級ダイアモンド王者でもあった彼が、スーパーフライからさらに1階級落として、WBAアジアタイトルの獲得に挑みます。

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初回から激しいパンチが応酬される中で、ジョムオー選手の左ストレートがカウンターでヒットし、ゴンファー選手からダウンを奪います。その後はジョムオー選手が長い距離を活かし、ゴンファー選手をなかなか中に入らせません。

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最後は6回にジョムオー選手がワンツーで、左ストレートを当てると、ゴンファー選手は堪えきれず座り込み、KO勝ちとなりました。

試合前から「40戦して1敗しかしてないゴンファー、2敗目の黒星はオレがつけてやる!」と激しく挑発していたジョムオー選手、見事KO勝なちでした。

久しぶりにジョムオー選手の試合を見ましたが、フィリピン選手にKO負けした頃のひ弱さはなく、長い距離を活かしながらのダイナミックな攻撃が可能で、今後が楽しみです。

「世界タイトルを目指す」とする陣営ですが、いいところまでいけるのではないでしょうか。29歳ですので、そろそろ勝負しても良いと思います。

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THE FIGHTERには、タイラーメン屋台ボクサー、ポクポク・ボクシングスラム選手も出場しました。10か月ぶりの試合となるこの日は、タイのホープ編でも取り上げた無敗(9勝5KO)のサーム・タンテレコン選手が対戦相手でした。

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ポクポク選手は2回、ボディでダウンを奪われ、KO負け。「この試合が自分にとって最後の試合になる」と、試合後にコメントを残しています。19勝(16KO)27敗2分という大ベテランの名物選手の引退はタイのボクシングファンも寂しいところでしょう。

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今後の彼の人生を応援するためにも、彼の屋台のタイラーメンをまた食べに行きたいところです。


タノンサック・シムシー選手の5月1日の試合

NKL BOXING 全試合

ジョムオー対ゴンファー


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