見出し画像

Instagramのサブアカウントをはじめたら考えが変わった話

「Instagramのフォロワーを増やす方法」に苦手意識があり、「そこまでして楽しいのか?」とさえ思ってきた。実際にやってみると、手間暇かかってお疲れ様ですという気持ちとともに、別の楽しさも発見できた。ごく個人的な体験の記録および、「やってみた」系の記事として記す。

これまでのInstagramとの付き合い方

例えば、私は下町のスナップ写真も撮りたいけれど、酒で記憶が怪しくなるので記録のために写真を撮るし、練習したいなぁと思ったら物撮りや人物も撮りたい。Instagramの定石からすると一貫性の無い投稿は駄目だと知りながらも、私はいろんなもの撮って投稿したくなる気持ちを抑えられない。

画像1

もちろん、フォローやイイネが増えると嬉しい。ただ、それよりも内発的な動機の方が比重が重く、楽しさを犠牲にしてまでフォロワーを増やしたいとは思わないまま3年半くらい続けてきた。

心情変化の背景として、「地元を応援したい」みたいな気持ちが湧いてきて、自分のアカウントを情報発信するメディアとして捉えるとあまりに無力だなぁと感じたこと。それから、趣味で写真を撮るようになって、写真の善し悪しとイイネは違うと理解しながらも、やっぱり気になってしまうことがあった。数字なんて気にしないスタンスだったのに、だんだんと無視しきれない気持ちが湧いてきた。

そうだ対照実験してみよう

理系脳な人は、子供の自由研究に対してでさえ「ちゃんと対照実験になっているのか?」を気にする。Wikipediaでの対照実験は以下の通り。

対照実験(たいしょうじっけん、英: control experiment)とは、科学研究において、結果を検証するための比較対象を設定した実験。コントロール実験とも呼ばれる。条件の差による結果の差から、実験区の結果を推し量る基準となり、実験の基礎となる。1つの条件のみ変更し他条件は一致させるようにする

条件「Instagramでフォロワーを増やす方法を実践する/しない」を変更して、条件「投稿する写真の腕前」は一致(私が撮影)する実験を行い、フォロワー数に差が出るのかを検証してみようと思い立った。

・本アカウント:好きなように撮った写真を、好きなタイミングで投稿する。
・サブアカウント:テーマに沿った写真を、決まった時間に投稿する。+イイネ巡回。

厳密に言えば「1つの条件のみ変更」を守るためにサブアカウントを2つ作って同時に開始しなければならないところ、めんどいので長時間のスパンで(開始タイミングの影響を小さくして)対照実験としたい。

サブアカウントの運用では、当面の数値目標としてフォロワー1000人、200イイネ/投稿を目指す。もし上手くいかなかったら、「小手先の技じゃなくて写真が悪い」ことが検証できるので、どちらにしても収穫だと考えている。

フォロワーを増やすためにやること

投稿内容に一貫性を持たせるため、新しく解説したサブアカウントでは消失点から一点透視した写真だけを投稿する縛りを設けた。改めて内省すると、自分の撮った写真や好きな写真の傾向として一点透視が多いので、好みなんだと思う。

画像2

投稿タイミングは「通勤時間に見る人が多い」という意図から、朝7-9時と夕方19-21時あたりにする。投稿頻度は最初10件程度は続けて投稿し、定常状態は2~3日に1投稿を目安にする。タグ付けはまとめてリストを作ってペーストして使う。

フォローかけ外しは美的感覚・道徳感覚に反するので控えながらも、アカウントを知ってもらうための策としてイイネをばらまく。自動でイイネをするUWSCスクリプトを組んでPC上で走らせ、お返しがあれば手作業でやり取りをする。

// 短時間にイイネ連打するとアカウント凍結される問題の対策
DIM LOOP_COUNT = 200        // イイネ動作を繰り返す回数
DIM WAIT_TIME_FIX = 5000	// 固定の待ち時間[ms]
DIM WAIT_TIME_RAND = 30000	// 乱数の待ち時間[ms]

// マウスクリック位置
DIM POS_X = 1300 // 左から
DIM POS_Y = 500  // 上から

// [alt]+[tab]で直前に開いていたブラウザーを最前面に表示
KBD(VK_ALT,DOWN,100)
KBD(VK_TAB,DOWN,100)
KBD(VK_TAB,UP,100)
KBD(VK_ALT,UP,100)

// 指定回数「ダブルクリック→横キー操作」を繰り返す
FOR KAISU = 1 TO LOOP_COUNT
	BTN(LEFT,CLICK,POS_X,POS_Y,WAIT_TIME_FIX+RANDOM(WAIT_TIME_RAND))
	BTN(LEFT,CLICK,POS_X,POS_Y,200)
	KBD(VK_RIGHT,CLICK,200)
	IFB GETKEYSTATE(VK_ESC)
		BREAK
	ENDIF
NEXT

UWSCはマウスやキーボードの提携作業を自動化してくれるツールで、オンラインゲームのレベル上げ(やり過ぎるとBANされる)だけでなく、RPAよろしく定型業務の自動化にも役立つだろう。

スクリプトの内容についてご支援とお問い合わせを頂いたので、別の記事に残した。本記事の使い方は無料領域に、追加のスクリプトは有料領域に書いている。

記事まで書いておきつつ、自動化はオススメしない。案の定、イイネし過ぎてInstagramから機能制限をくらった。調べたところ1日のイイネ数上限は500~1000程度しかないようだ。

無題

時間に余裕あれば、目視でフィーリングの合いそうな写真を探して、イイネつけていくのが良い。

FacebookとInstagramの違い

FacebookがInstagramを買収してからは操作性を寄せているところもあって、Facebookユーザーも同じようなノリでInstagramに投稿できてしまう。でも、本質的に「自分の見せ方」において違いがある。特に、複数の側面がある場合に違いが顕著になる。

Facebookは「いろんな属性を持った自分を見せる」のに最適化されている。家庭での自分、仕事での自分、趣味での自分...複数の側面があっても、誰がそれを発信しているのかが前面に出てくる。実名制にも現れている。

画像4

一方のInstagramは「自分が持つ属性を見せる」のに最適化されている。少なくとも投稿のフィードは写真や画像だけを介してやり取りをする。極論を言えば人とナリはさほど重要ではないどころか、ノイズにさえなりうる。あまりにストイックなので、ストーリーズでは親しい人に自分を見せる側面もある。

画像5

「どれが本当の自分か?」に答えを出すのはナンセンスで「どの属性も自分」だろう。これまで私はInstagram本アカウントを、Facebookの延長みたいな投稿をしてきたのだろうと捉えている。

心境の変化、意外な発見があった

食わず嫌いでやってこなかったInstagramをInstagramとして真面目に運用すると、シムシティで人口を増やすような楽しみを発見した。付き合いで付けてくれるイイネもなく、投稿時間の影響もないので、純粋に写真の評価がダイレクトに数字として反映されるのが面白い。本アカウントのような人と人の交流は従来通り続けながら、サブアカウントで画像を介した右脳の反応だけで繋がるのも面白い。

やってみた心境変化として、これまで苦手だった「フォロワーを増やす方法」は、タイムラインに流れてきても不快にならないマナーのような面もあると。友達だから本アカウントをフォローしてくれていた人に、連投でタイムラインを埋め尽くしたりしたこともあってゴメンという気持ちになった。それから、販促アカウントを機械相手みたいに思っていた節があったのが、自分でやってみると手作業も多くて中身は生身の人間という事を意識した。すべてのアカウントに「おつとめお疲れ様です」という気持ちが芽生えた。

対照実験にするならば、本アカウントの運用は今まで通り続けるべきところ、サブアカウントを運用するうちに気持ちに変化があった。アホらしい話ながら、これまでイイネを付ける相手に負けを認めるような、へりくだるような気持ちがあった。実際は減るもんじゃない上に、むしろ相手に自分を意識してもらえるし、イイネ付けられて嫌な気持ちはしない。だから、本アカウントでも「もっと気軽にイイネしよう」と思えるようになった。お互いにリアクションしてフィードバックある方が楽しい。自分の考えが変わった意味では成長に思う。

フォロー数だけでなくイイネ数も数値目標に加えると、フィーリングの合いそうな人と相互フォローするのが良く思える。すると、上限500枚/日の写真を選んでイイネするために、一瞬で写真を判断する繰り返しとなる。センスは判断の積み重ねという意味で、一瞬で写真を選ぶことはセンスを磨く訓練にもなっているかもしれない。

運用を始めて4日目。何か書くに値することがあれば続編に続く...。
追記:100フォロワーごと記念記事を書くようになった。


「文章でメシを食う」の道を開くため、サポートいただけると励みになります。それを元手にメシを食ってメシレポします。