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西山が描いてほしいと願う本当の理由

なぜそこまで、自分の人生を描いてほしいと願うのか。
なぜ、ひかるに会わせたかったのか。

それにしても本を書くことはできるのか
一つ返事で西山からの頼みに

ええで!!

といったことを少しも後悔していないと言えば、嘘だった。

さて話を戻そう。
西山がそこまで書いて欲しいと願う理由。
それは、西山の夢が叶ったからであった。
その夢というのが、

ひかるを笑わせたい。

この夢が、彼女の全てを作っていた。

「うちさ、中学校の時ひかるに出会ってさ、」
西山が話す。

「この子絶対に笑える、
絶対に笑えるって思ったんだよ!!」


また目が輝いている。
希望がちらついている。

「それで、なんとかしてうちがひかるを笑わそう。って思って、、それで、、」

ひかるを笑わせる??
よく聞くと、ひかるは、中学の頃、全く笑わなかったらしい。
目に力がなく、まるで身体中の生気を失ったような女の子であったらしいのだ。

「映像なら笑わせられるかもって思って、高校入ってずっと頑張ってきたんだよ。」

私は西山のエネルギーを感じた。
中学で会えなくなり、そしてそこからひかるの行方も分からぬまま、こいつはただただ映像を続けてきたのか。
そう思うと、感慨深かった。

「この前ひかると再会して、ちょうどイベントでうちのMVが流れるって決まった時に、真っ先に浮かんだのがひかるだった

やっとひかる笑わせられる。

って。」

高一の冬、西山のMVは、とあるイベントで流れた。
ひかるはそれを見て笑った。
西山は言った。


「ひかるが笑うとこまでを、本にしたい。夢が叶ったところまでを本にしたい。」


▶️次回 「言葉で人を救うって??」

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