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#0090 時間の使い方と現代社会 - 忙しさの中で価値を見出す

平均寿命80歳として、「人生には4000週間しかない」そうです。

これは、現代人にとってある意味で「救い」ともなり得る視点ではないでしょうか。


○時間をいかに有効に使えか

現代社会では、時間をいかに効率的に使うかが強調されています。これは、「限られた時間をいかに有効に使うか」という人類の永遠のテーマを反映しています。しかし、この考え方が一般的になったのは、産業革命以降のことです。それ以前は、時間は生活と共に自然に流れるものとされ、切り離して考える発想はありませんでした。

昔と今とか、春夏秋冬とかというザックリとした時間的イメージを持っていた時間の方が長いかと思います。

しかし、産業革命が起こり、工場労働の時代になると、時間に値段がつくようになりました。時間は「資源」として捉えられるようになり、「時間を有効活用しなくてはならない」という発想が生まれました。マイケル・サンデル教授の熱血教室のテーマにもなりそうですが、時間を切り売りするという概念はこの辺が起源な気がします。

この考え方は、現代人を苦しめる一種の「呪い」でもあります。だからこそ、「人生には4000週間しかない」という事実は、私たちをこの呪いから解放し、「本当に大切なこと」に集中することへと導きます。

○倍速視聴の功罪

しかし、現代社会では、映画などのコンテンツを倍速視聴するという効率化のテクニックが広まっています。この行為自体は必ずしも悪いことではありませんが、その背後にある動機には落とし穴が存在します。倍速でコンテンツを視聴することは、結果的に時間の価値を損ない、本当に価値のある経験から私たちを遠ざける可能性があります。これは本来なら見なくても良い作品を倍速で見ないといけないというような例を想定しています。

私たちが「忙しさ」に依存する理由の一つは、時間を含むすべてをコントロールしたいという強い願望から来ています。これは占いを気にしたり、自然災害をテクノロジーによって被害をコントロールしたいと思うことにも繋がる気がします。

しかし、私たちが感覚的に理解しているように、これはかなわぬ願いです。この現実を受け入れれば、私たちは終わりなきタイムマネジメントから解放され、他の大切なことに集中することができます。

さらに、ニーチェが述べたように、私たちは人生をめぐる本質的な問いから逃れるために「忙しさ」で頭をいっぱいにしています。ToDoリストに追われる日々は、私たちを真の問題から遠ざけ、自己反省や深い人間関係を築くことから私たちを遠ざけています。こうランナーズハイ的に忙しさで満足するような感覚が落とし穴な気がします。

○真の意味で時間を有益に使うとは

結局のところ、「人生には4000週間しかない」という事実を踏まえると、時間をどのように使うかは非常に重要です。効率化がもたらす便利さとともに、時間をどのように価値あるものとして使うかについて、私たちは真剣に考える必要があります。自分自身の価値観、情熱、そして人生の目的を深く理解し、それに基づいて時間を使うこと、そして自分の内面に目を向けることが、現代社会における時間の使い方の鍵となると思います。

日本を離れて新興国や文化の違う地域に行って感じる非日常。あ、こういう生活も良いなと感じるもの。こういうところに、人生を豊かにするヒント、真の意味で時間を有効に有益に使うヒントがあるように思います。

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