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おうち学校物語「あしたおかしなしとはいいきれない」

3月後半からの2週間、自宅から出ない生活をしていたら、すこぶる調子が良くない。このままだとイライラ爆発が目に浮かぶ・・・嫌だ!! ということで4月頭に計画したのが「おうち学校」です。

おうち学校開校から1カ月と10日を振り返って、家族4人が自粛生活を徹底するのに大事だったことを記録しておこうと思います。今後、新しい日常が訪れるときにもきっと役立つ(はず)。

家族構成
ママ 2019年1月から個人事業主で在宅勤務経験あり
パパ 今回はじめて在宅勤務を経験
兄(小4)
妹(小1)入学式はなし

目的はメリハリをつけること

家族が家の中でこんなにも長期間一緒にいることはない。長期戦になりそうだから「学校っぽくしてメリハリをつけること」が大事だろうと考えました。

【イベントで節目を作る】

まず、新小学1年生の妹のために兄が主催した新学式(入学式)から始めることに。ビートルズのBGMを流して入場。開式の言葉のあと、お名前を呼ばれて大きな声で返事をして、校長先生役のパパから祝辞、嵐のBGMで退場という簡易入学式です。

BGMに親の意向が色濃く反映されたけど、それっぽく仕上がって満足。何より「イベントを作る」というミッションは兄にとっては魅力的だし、正直なところ彼が準備に没頭する間、我々も仕事ができました。主役の妹は「みんなが私のために(ふ・ふ・ふ)」というモードで大人しくしていました。

入学式

図1

兄お手製のウェルカムボードには「おやつ500円まで買えるけん」付き

【小学校の時間枠に合わせつつ、時々緩める】

式翌日4月9日(木)から本格的に開校。運営ポイントは時間枠を本当の小学校の時間割に合わせること。そして、「ゆるさ」を認めることです。

7時45分、検温して身支度したらランドセルを背負ってリビングに登校します。8時に朝の会。その日の4人のスケジュールを日直が発表。連絡帳代わりのスタンプ帳に押印して、「OKグーグル、8時55分にアラームを鳴らして」と1限目のチャイムをセットします。給食の後は掃除時間。掃除が終わったら昼休み。とにかく枠だけは学校のまんまにしました。

(「検温」は新しい日常のルーティンに加わりそうですね。音読カードと共に・・・。)

登校2

スタンプカード

スタンプ帳も手作り。ふたりとも富士山の絵(笑)「富士山近くでのキャンプ」の妄想が止まりません。(ゆるキャン△の影響です)

時間割

朝の会終わり〜1限目始まりの8時55分までは自由時間です。好きなことができる時間をちょいちょい入れることが、おうち学校のメリハリには大事だと思います。子供たちはだいたいYouTubeタイム。安定のポケモン動画のほか、学童の先生の創作動画を食い入るように観ています。大人はこの時間に、通勤中のような感覚でメールチェックや急ぎの対応をします。

先生最高! 感謝しかありません。娘は一緒に笑ったあとに、「早く先生に会いたい(涙)」とうるうるしています。

低学年の実際の授業にはないけれど、週1回「家庭科」の授業も設定しました。家事効率アップも狙って、その日のおやつやおかずを作ります。料理工程の分担がしやすく、作業内容がシンプルなものが、子供と一緒の調理メニューとしてベストでした。(兄妹がいる場合、分担がしにくいと小競り合いが・・・)作ったなかでは『ホーローバットで作る とびきりスイーツ』掲載のプリンがイチオシ。

プリン

「集中してくれるなあ〜」という教科第1位は「図工」です。特に「家にあるもので」という条件付きの「ピタゴラスイッチ風装置づくり」。何度も何度も失敗するので、創意工夫をする力と集中力が育まれているような気持ちになれます。(ちなみに、一度集中モードに入ると手が離れる時間が確保できるから、つい図工に頼りたくなりますが、作品ができあがる後半は、ほかの科目以上に「ママ、見て!!!」と声をかけられる回数も増えるのが図工です。)

【毎日15時30分からは4者4様の会議タイム】

6限目終了の15時30分から16時30分は全員が「会議」という設定を導入しました。時間を合わせることで、お互いに集中しやすい時間をつくることが目的です。(時間割を決めていても、同じリビングの空間にいる以上、「ママ見て!」「パパ聞いて!」とちょいちょい声がかかるので。「声がかかりにくい策」はずっと模索しています。)

兄は、友人と「ポケモン会議」
LINE動画で繋いで、お互いの画面を見せ合いながら、『Let's Goピカチュウ』を一緒にプレイするという試み。その場にいなくても、一緒に遊んでいるような空気感になってすごい。

ポケモン

日によって、
「ごめん今日できない。」
「どした?」
「宿題終わらない」
というLINEのやりとりがあったりして。
「明日は宿題終わらせといてね」とお互いに声を掛け合うようになったのは嬉しい誤算。毎日1時間限定のこの時間のニンジン力たるや! 放課後の楽しみがあると頑張れるお年頃です。ありがとうポケモン。ありがとう友達。

妹は、田舎のばーばと「テレビ会議」。「絵しりとり」をしたり、「折り紙制作」をしたり、内容はその日の気分次第です。「ばーば、今日は紙とペンを用意して〜!」気がつけば主導権は6歳児が握っていて、ばーばが生徒役になっている。彼女は「私も会議だから!」が口癖になり、ばーばは「脳トレになるわ〜」が口癖になりました。

かなり楽しいようなので、お友達姉妹も誘ってみることにしました。ばーば会議とは別に週に1回1時間の約束。お友達の顔が見られて嬉しそう。

バーバ絵しりとり

さほ絵しりとり

6歳児側の絵:マスカット、目玉焼き、こたつ、メロン(ん?)

バーバ折り紙

私も・・・この時間にリモート会議を当てさせてもらうことしばしば。騒々しい空間であることに理解をいただける仕事関係の方々で、本当に救われる思いです。

ちなみに、1カ月以上経って、仕事はまったく別物になったように思います。この状況にならなければ開けなかった視界が広がっているような感覚です。さらに、子供たちにとって「お仕事」が身近になった様子。仕事の途中過程を垣間見たり、「今から魚を焼くので、そのあと連絡しますね」と電話で話すパパが新鮮に映ったからか。「お仕事頑張ってね」という声かけが増えました。

お手伝いじゃない! 当番制

時間割と同じく、当番も決めました。こだわったのは「お手伝い」ではなくて、「主体者」なんだという意識付けです。「学校だから」給食当番も掃除当番も水やり当番も、金魚の金ちゃんの餌やりも当番を決めよう!

特に、これだけの長期間になってくると、ご飯を作って食べて片付けたらまたご飯を作って・・・と「食事」が課題になることは容易に想像できます。なので給食当番に関しては、「ママ・妹」「パパ・兄」コンビでローテーションを組むことにしました。(朝夜も含)

フレンチトースト

兄作のフレンチトースト。白身が混ざっていなくても拍手喝采!

掃除当番は、精神衛生上めちゃくちゃ大事な存在です。寝ても覚めても舞台はリビング。油断すると机も床も消しカスと食べ物カスだらけ。壁や戸棚に黒い手形がいっぱい。犯人は子供たちの手だ!(鉛筆で真っ黒)ということで、教室と同じく、授業終わりごとに片付けたり、こまめな掃除を取り入れました。

お皿洗い

調子が良いときはお皿洗いも。泡が残っていたらあとでこっそりゆすぐ。

当番は維持しつつ、週末はおうちキャンプでメリハリ

平日はおうち学校なので、週末は週末っぽく過ごすことでメリハリをつけます。御多分にもれず、我が家もおうちキャンプ。土曜の朝にテントを設置して、いつものリビングがキャンプ場に変化。というか、リビング=テントw夜はテントの中に布団を敷いて、蹴飛ばし合いながら寝ます。

テント

この空間で観るドラえもんが最高らしいです。お気に入りは『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』

スモア2

キャンプスイーツの定番「スモア」(再び登場、ゆるキャン△の影響)も、簡素化すれば6歳児でも作れます。マリービスケットにマシュマロを1個乗せてトースターでちょっと温めてもう1枚のビスケットで挟むだけ!

非日常のなかの非日常という感じでしょうか。
今のところ満足度のポイントは「灯り」なのかなあという結論です。カセットコンロで調理して、キャンプ用の椅子とテーブル、アルミっぽい食器で食べるだけでも十分楽しめるんですが、あえて暗闇にして手元のライトで食べるのが、子供たちのお気に入りです。

テント2

焼き鳥も、焼きそばも、カップヌードルも美味しさ倍増!

非日常だからできることが増えたけど、当たり前に思わないこと

そしてまた平日に戻ります。
4月末頃になると、ひどい疲れを感じるようになりました。とにかくキッチンに立ちたくないって日。パパさんにトレードしてもらおうと思ったけど何やら忙しそう。そこで、その日は思いきって、子供ふたりに夜ご飯を任せてみることにしました。

危ないんじゃないかとか考え始めるとキリがないわけですが。楽しそうなので手出しをしないことに決めました。そして出てきたのがお皿いっぱいの「特製サラダ」。正直、衝撃の見た目です。

サラダ初回

生のにんじん、生のキャベツに味噌が添えてある。「ベーコンは1枚ずつだよ!」と注意を受けました。それにしても、自分で作ったものは美味しい美味しいって食べるんですね。生の分厚いにんじんでも。その自信満々な様子が嬉しくて、食べながらちょっと泣きました。

さらに食後、「明日もふたりに任せて!」と提案がありました。それを聞いて、もう口から出かかっていた「もっと薄く切るといいかも」とか、「火を通そう」とか、「味付けは・・・」とか、とやかく言わないって心に誓った。そう、今は、笑顔でボリボリバリバリ食べるのみ!


そこから数日、夜ご飯をふたりが担当する日が続きました。キャベツの下からいちごが出たり、ちくわが主食だったり、お惣菜のきんぴらを大胆にトッピングしたり、肉をひたすら焼いて乗せたり。どれも自由。生のブロッコリーが鎮座してきたときは、ブロッコリーを調理する姿を見せたことがなかったんだな・・・と気がつくことができました。

サラダたち

それから。
ふたりの夜ご飯作りが可能になったからといって、義務にしない! 期待しないと自分に言い聞かせています。「今日はママが当番だったよね」と、突然気が変わるのが彼らだから。非日常のなかで、できることが増えたけれど、当たり前ではない。束の間でも成長を感じられたことを喜ぼうと思います。

一方で、興味を持ったタイミングは大切にしたいと思って、家庭科にも使えそうな料理本をポチりました。ケンタロウさん本がお気に入り。ルビがないのでひとりではまだ読めないけど、写真がわかりやすくて、早速「ぶんまわしおにぎり」を作ってくれました。

ママはイライラしているけど、あしたおかしなしとはいいきれない

おうち学校は、遠隔サポートのおかげさまで、結構機能しています。
それでも、非日常ならではのイライラは尽きません。

一緒にいる時間がのびたから兄妹喧嘩は爆増。その様子にイライラしていると、「喧嘩するほど仲がいいっていうでしょママ」と諭され、カウンターパンチを食らった気分になることもあります。

仕事が思うように進まないことが1番のイライラポイントでした。リモート会議中、背後を子供がうろうろ。ここから入らないというラインを設定したら、「いくZ!激しく燃えるバトル〜いくZ!ピンチはチャンスだぜ〜」ノリノリの歌声。さらに奥からリコーダーがピーピー。「だって今音楽の時間だもん」・・・じわじわとイライラが溜まります。

ゲームテレビ視聴時間の上限は緩みがち。休み時間が終わっても視聴をやめられず、あまりに切り替えができなかった日、「15時30分の会議なし」「おやつなし」決定をくだしたことがありました。この1カ月で一番の攻防戦だったかな。兄は会議なしが何より辛く、妹はおやつなしが何より辛い。ゆるさも必要だけど、その日はこちらも譲れなかったんです。

でもその晩、壁に張り紙が。

「あしたおかしなしとはいいきれない」

www
一本取られた。
ぺこぱさんの全肯定漫才好きなママのツボをよく理解しているうえ、笑いで返してくるとはあっぱれです。翌日のおやつタイム、会議タイムはもちろん復活です。

おうち学校で、今のところ身についたこと

こんな感じで、おうち学校では「時間を意識して使うこと」と「楽しみを創造する力」は身についてきているかなと思います。
先週から始まった学校からのWeb授業コンテンツは使いこなせていないけれど、引き続きおうちで健康を維持して、学校が再開したときに、無理なく生活を組み立てられたら万々歳です。

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