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#901 「控えめな性格」じゃダメですか?そんなわけない

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日は、チャンネルの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げたいと思います。
質問ボックスは、チャンネルのプロフィール欄にリンクが貼ってありまして、各放送のコメント欄ではない形で、チャンネルへのご要望とか、感想や放送してほしいテーマやご質問をお送りいただいております。
ご利用くださっている方、ありがとうございます。
すべてに目を通しております。

おとなしい性格が悪い印象になっているのかもしれない

今日の質問は、ステイリーさんからいただきました。
ステイリーさん、いつもありがとうございます。
【いつも楽しく聴かせていただいてます。ありがとうございます。
あるメンバーが、先輩同僚から「○○さんって、何年目?もっと自発的にならないとだめじゃないの?」と言われました。
言われたメンバーは、ショックを受けていました。
メンバーは、5年目です。
私から見ても、アグレッシブではないおとなしいタイプ。でも、ちゃんとやっています。
このおとなしさが悪い印象になっている気もします。
お願いしたことをちゃんとやってくれる彼女の存在は大変助かっていますが、言われたことだけやるようにも見えてしまっているのでしょうか。
このケースへの小田木所感をお願いします。】

というご質問です。
ステイリーさん、ありがとうございます。一緒に考えてみましょう。

皆さん、このケースを聴いていただいていかがでしょうか。
仕事をしていると、特定の性格、キャラクター、もしくは、振る舞いを強く求められているような気がする。もしくは、そういうケースがグッドで、そうじゃないケースがバッドと言われているような気がする。こういうことって度々感じたりしませんか。
今回でいくと、積極的なことはいいことだ。翻って、控えめなことはあまり良くないことだ
たぶんそういう思い込みが、特に仕事においては、職場とかチームの中とか、もっと言うと、私たちの中にも結構あるような気がするんですよね。
皆さんはいかがでしょうか。

聞くべきアドバイスなのか、流していいアドバイスなのか

今回の事象は、どんなふうに考えられるかというところですけど、まずこの事象そのものの判断は、書いてあることだけだと難しいですよね。
なので、この事象をどう考えるかについては、たぶん二つの着眼点が必要だなと思います。

一つは、メンバーさんの観点ですよね。
メンバーさんは、どんな役割をチームの中で担っていて、どんな成果を期待されているのか。
それに対して、今はよく貢献できているのか、それとも、できている部分はあるけれども、ギャップがあるのか。
それによって、聞くべきアドバイスなのか、それとも、流していいアドバイスなのかが変わってくるなと思います。

もう一つは、先輩のコメントの意図や背景ですよね。
もしもこのコメントが、普段からメンバーさんと一緒に仕事をして、よくメンバーさんを観察し、メンバーさんの役割や期待されている成果を前提にしながら、さらにメンバーさんをちゃんと思ってのコメントであれば、そのコメントを受け取って、考える余地があると思います。
一方で、よく見もしないでなんとなくの印象で決めつけて、自分の思い込みを前提に、自分が言いたいことだけをいったコメントであれば、流していいんじゃないの?こっちに入りますよね。
質問の書き方からは、どっちかというと、こっちかなという気がしますけれども。
先輩のコメントの意図や背景から、拾うべきコメントなのか、流してコメントなのかという観点もあると思います。

なので、ステイリーさん、よかったらこの二つの観点から、「このケースは流していいよ」と、ポンポンとメンバーさんにやってあげるか、「いい機会だから一緒になって考えてみよう」そんなふうな機会にするのか、そこは判断いただければなと思います。

誰もが持っているステレオタイプバイアス

この事象そのものの判断はそんな感じなんですけれども、質問者のステイリーさんも、よかったら小田木所感をお願いしますと言ってくれたので、このケースから私が思うことを共有させていただければなと思います。

まず、このケースの先輩のコメントが、自分の思い込みを前提に、自分の言いたいことだけ言ったケースだとしたら、これはまさに典型的なステレオタイプバイアスというやつですよね。
私も含めて、誰しも持っているはずです。
特定の属性や傾向に対する偏ったイメージ
例えば、男の子なんだから泣いちゃだめみたいな話だとか、女の子なんだからおとなしくしなきゃとか、あとすごい極端だけれどもあるあるなのが、男性は判断力があるからマネージャーに向いているとか、女性は思いやりがあるからサポートする役割がぴったりだ。
男女の属性だけじゃなくて、例えば、父とは、母とは、妻とは、夫とは、勉強ができる人ってこういう人だよね、スポーツをやってたってことはこういうタイプなんじゃない?
本当にいろいろありますけど、特定の属性や傾向に対する偏ったイメージのことを、ステレオタイプバイアスといって、私たちの脳にあった便利な機能の一つなので、誰しも持っている。
だって、そうやって考えて処理したほうが、脳の省エネルギーになるじゃないですか。
なので、誰しも持っているけれども、これが例えば、相手を制約したり、認めないことにつながってしまったり、もしくは、自分自身の考えや行動も縛り付けてしまっているようであれば、この思い込みと前提をきちんと自覚して、コントロールしたほうがいいよ。
これが、ステレオタイプバイアスだと思います。
会社とはこうだ。管理職とはこういうものだ。 こういう年次だったらこうするべきだ。と、相手も制約しちゃったり、それによって相手を否定する、もしくは、自分自身に対して「こうしなければならない」「こう振る舞わなければいけない」という感じで、無意識のうちに縛り付けたり、制約しちゃっていることは、本当にあるなと思うんですよね。
だからこそ、自分で「ああ、偏った思い込みを持っちゃっているな」と、相手に対して、もしくは、自分自身に対して、そうやって気づけることがすごく大事だなと感じますよね。

いろんな役割があって、チーム

今回は、チームの中でもっと積極的であるべきだという前提が発動しちゃったように見えるんですけど、私たちが改めて気をつけなきゃいけないのは、一部を見て全体を見ない、この状態にはまらないようにしなきゃいけないなと思いました。
例えば、今、目の前に広がるチームがどう回っているのかと考えると、おそらく攻めもあれば守りもある。こういう状況が、あらゆるチームに当てはまるんじゃないかなと思います。
例えば、新しいことを考えて積極的にトライしていく役割を担っているメンバーもいれば、一方で、決まったことをちゃんと回して着実にチームの礎を築いているメンバーもいる。
顔ぶれを見ても、攻めが得意なメンバーもいれば、守りでこそ強みを発揮するメンバーもいる。
これの両方があって、チームが回っている
それが実体だし、そうやってちゃんとチームを見ているかどうかって、すごく大事な視点だと思うんですよね。
そうやって考えると、例えば、リーダーがバリバリと全員をけん引しているように見えたとしても、リーダーがバリバリと先頭に立って走れるためには、リーダーの後方支援をするメンバーが不可欠なわけなので、改めてチームというのはいろんな役割やいろんな機能が組み合わさって、全体として成果を一番大きくできるかどうか。 これが大事なんだなと思います。

実際に私のチームでも、アイディアを考えたり決めていくことが得意なメンバーもいれば、決まったことをきちんと計画化して着実に回すことに強みを多大に発揮するメンバーもいて、この両方がないと絶対にチームなんて回んないんですよね。
それぞれの得意を持つメンバーには個性があって、例えば、発言を求められれば、まずパッと発言できるメンバーもいれば、熟考型できちんと建設に考えてから発言するタイプのメンバーもいて、それってどっちが良い悪いというよりも、それがその人の勝ちパターンや個性。
そういった多様性を内包して、きちんと一人一人が最高のパフォーマンスが発揮できるというのがそもそもの目的だと思うので、みんなが同じになることが全然目的でもないし、そうなればパフォーマンスが上がるかというと、それはまた違う話だなと思います。

なので、一部を見て全体を見ない、こういう思考にはまっていないかな?
いろんな役割があって、いろんな機能が組み合わさって、チームは最高のパフォーマンスが発揮できるんだな。
これを頭と心に刻んで、私も一人一人の強みや個性を、自分の分も含めて大事にしていきたいなと思います。

ということで、今日は質問にお応えの放送になりましたが、ステイリさん、ご質問ありがとうございます。
メンバーさんの強み、そして、今、果たしている役割と貢献にちゃんと目を向けて、メンバーさんが最高のパフォーマンスを発揮できるように支えてあげてください。

最後に、チャンネルの質問ボックスをよかったら皆さんも活用してみてください。
難しすぎる質問は取り上げられないかもしれないですけど、日常の疑問やこんなことを放送してほしいとご要望をいただけると、私は放送ネタができてめちゃくちゃうれしいですので、使ってみていただけるとうれしいです。

最後までお聴きいただきありがとうございます。

今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜
び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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