見出し画像

#610 子育てしながら営業職は続けられる?

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、復職後の仕事が三倍楽しくなるオンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日は、チャンネルの質問ボックスにいただいた質問を取り上げさせていただきたいと思います。
質問ボックスは、両立サプリチャンネルのプロフィール欄にリンクの貼ってあるURLです。
放送で取り上げてほしいことや聞いてみたいことを自由に送っていただけるコーナーになっていますので、良かったらぜひお使いください。
ここにコメントや質問をいただくと、放送のテーマができて私も大変嬉しいです。


子育てしながら営業職は続けられる?

今日は、おさんぽさんからいただいた質問です。
【いつも気付きになる発信をありがとうございます。
突然ですが、小田木さんは子育てをしながら女性営業を続けることは可能だと思いますか?
というのも、私は20代に法人営業をしていたのですが(建築関係)、多忙さやゼネコン相手の対応でストレスがたまったのか、体調を崩し、部署異動で今は管理部門に所属しています。
会社としては、女性営業を増やしたい思いがあり、採用も女性と男性を半々くらいにしているのですが、30代で続けているのはごくわずかです。
業界的な理由もあると思うのですが、小田木さんが営業という仕事に抱くイメージはどのようなものでしょうか?
周りの同僚と話していると、営業という仕事自体、女性が長く続けることは難しいと思って組織を計画するほうがいいのでは?という意見もよく耳にします。
長々とすみませんが、会社としてSDGsなどを語りながらも、現場は疲弊している状況にモヤモヤしています。
何かアドバイスをいただけたら幸いです。】

というご質問です。
まとめると、まず子育てしながら女性営業を続けることは可能だと思いますか?背景としては、法人営業で多忙さとストレスでご自身が体調を崩した経験があると。
そして、営業職の女性の採用を増やしているけれども、社内で30代で続けている女性はごくわずかである。
会社は女性営業を増やしたがっているが、現場は全体で疲弊している状況にモヤモヤしている。
こういったご質問です。
おさんぽさん、ありがとうございます。
私は、すごく考えたいテーマだと思いました。
今日はこちらを取り上げたいと思います。

営業は最高に面白い仕事のひとつ

ご質問の中で、私が営業という仕事をどう捉えているか?という質問をいただきましたので、まずはそれにお答えしたいと思います。
私自身は、これまでの大半が法人営業のキャリアです。
今も、”人・組織”が仕事のカテゴリーではあるのですが、営業機能を有するチームをマネジメントしていますし、私自身もチームのメンバーの一員としてなんでも仕事をやりますので、そういう意味で今でも法人営業の側面があると思います。
どう捉えているかですが、私は営業という仕事は最高に面白い仕事の一つだと思っています。
営業という仕事を経験して、そういう側面の魅力を感じている方もたぶん多いんじゃないかなと思うんですよね。
私は営業は相手の課題解決を実現する仕事だと思っていますし、それがうまく実現するために相手と握手することはもちろんなのですが、自社の社内でもサービスやソリューションを提供するに際して、関わる人全体とうまく握手ができると、最高の課題解決が実現する。そういった成果をお膳立てするのに欠かせない機能・仕事が、営業という役割だなと思ってます。
これをやると、あらゆる体の筋肉が鍛えられるんですね。
相手のことを観察する力もつくし、相手の立場に立って、課題を言葉にする力もつくし。いわゆる言語化能力ですよね。
一方で、自分たちの強みだとか、提供できる価値をきちんとつかんで、握手できるポイントを探す力もつくし、何ができるか伝える力もつくし。
なによりも社内調整がきちんとできないと、適切なサービスデリバリーができないので、調整能力やディレクション能力も身に尽くし、さらに、数字を組み立てる力とか、プロセスを設計する力、企画提案力とか、あらゆる調整能力とか、ビジネスパーソンとして仕事をしていく上で必要になる、いろんな力を鍛えてくれるし、一方で、いろんな面白みがあるのが営業という仕事だと思っています。

営業職についてくるイメージ

なので、私は最高に面白い仕事の一つだと思っているのですが、ただ、営業という仕事についてくるイメージは、私は一般的に決していいものじゃないケースが多いなと思ってますし、私自身も嫌いではないですが、この仕事はしんどいなと思っていた時代もあるので、そこについてもちょっとお話をしようかなと思います。
まず、営業という仕事についてくるイメージを私は変えたいなと思うのですが、一般的にはよく、”ごり押しで売る人”みたいなイメージがあったり、顧客のために何でも聞かなきゃいけない人とか、長時間労働の人、数字を生むのでストレスを抱える人、一方で、社内では、「売ってきてるんだから、おまえら、言うことを聞けよ」みたいな感じで威張る人のイメージがあったり、結果を出すために、とにかく気合と根性、足で稼いで粘ってプレッシャーをはねのけてなんぼ、そういうイメージがあることも承知しています。

私自身も、嫌いじゃないけどしんどいと思っていた時代もあって、いつかというと、第一子出産前後に働いていた職場の頃なのですが、もともとのイメージの通りに近かったなと思います。
個人目標は結構厳しいし、営業マンが一から十まで基本的には責任を持つスタイルだったので、売るほどに忙しい。結果をあげようと思うと、長時間労働が前提なんですよね。
さらに、営業会議が18時にスタートする。夕方までは基本的に顧客のために時間を割くので、営業会議は18時以降でやるのが普通だよねという空気で、「これはもう、子どもを産んだら参加できないじゃん」みたいな前提だったり、さらにその会議も、偉い人の前で詰められるみたいな、針のむしろのような会議だったなと思うと、このときは「なんという、しんどい仕事や」と思っていましたし、「子どもを持ったら、もう無理じゃん」そういう思いを私自身も抱えていました。

営業はシンドイという仕事定義の更新時期です

そのように振り返ると、結局何が問題なのかというと、私は営業という仕事に問題があるのではなくて、営業という仕事定義の更新がされないことが問題なんじゃないかなと思います。
営業という仕事定義の更新が必要ということですね。そろそろアップデートの時期ですよ。

仕事のやり方を抜本的に変える

以下は私の所感ですが、私は今でも営業機能を有するチームをマネジメントしていますが、営業という仕事のやり方を抜本的に変えました。
例えば、ありえないと思われるかもしれませんが、個人目標を撤廃しました。人に仕事を付けるのではなくて、営業プロセスを運営していく上で必要な機能を定義して、連携して仕事を進めるやり方に変えたんですよね。
チームのメンバーは、得意なことが一人一人違うんですよ。得意なことが違うメンバーに、同じ役割を強制的にあてはめるよりも、営業は一連のプロセスの中でマーケティングもあるし、インサイドセールスもあるし、そこからフィールドセールスもあるし、受注後のディレクションもある。こういった一連の機能を分解して、さらに、その機能を最もうまくパフォーマンスが発揮できるメンバーをアサインしながら、チーム全体で一連の成果を出す。
こういうやり方に変えていったんですね。
長時間労働を前提とした仕事のやり方をしない。
気配・根性のアナログモデルをそもそも変える。
問題があれば、みんなで共有して問題解決にあたって、結果が出れば、みんなで喜ぶ。
個人が抱えてやりきって疲弊するやり方を、変えてみるトライをずっとしてきたと思います。

どうなったかというと、個人的には、営業という仕事がますます楽しくなったなと思っています。
メンバーにしてみると、営業経験の有無に関わらず、セールス機能の中で、自分の得意を生かしてチームに貢献できている実感があると思いますので、たぶん今のチームには、”営業は営業”みたいな形ではなくて、顧客の便益の最大化、チームの成果の最大化のために、どう連携するのが最も良いかを考えたり、出た結果をみんなで喜び合うという、手応えのあるチームになっているんじゃないかなと思っています。

という所感も踏まえて、冒頭のおさんぽさんの「子育てをしながら、女性営業を続けることは可能だと思いますか?」というクエスチョンに対してですが、そもそも”子育てをしていたら続けられない仕事がある”、これはどう考えてもおかしくないですか。
個人的にはそう思うわけですね。
なので、どうなればいいと思っているかですが、「今のやり方の営業をどう続けるか?」「今のやり方の営業で、どう女性を増やすか?」という考え方ではなくて、「今のやり方の営業でよかったっけ?」こっちの方を考える必要があるなと思っています。
仕事定義をそろそろ更新していこうよ。
そういう対話をチームで始めようよ。
そんなテーマの置き方からスタートできると、いろんな人がヘルシーに頑張れて、結果も出るチームが作れるんじゃないかなと思います。
おさんぽさん、ありがとうございます。

book cafe対談が配信されました

チャプターを追加させていただいております。
8月9日にVoicyにある、荒木マスターが運営する”book cafe”にお邪魔をして、対談をさせていただいております。
書籍『仕事は自分ひとりでやらない』をbook cafeの荒木マスターにいろいろ突っ込んでもらったり、一緒に考えていただく企画なのですが、こちらの放送がVoicyの”book cafe”で配信されております。

いつもはインタビュー役の方が多いですが、ツッコミを受けながらしゃべるのも新鮮で面白いく、荒木マスターの視点や解釈が、毎度ながらしびれるなと思いました。
また違う側面の味わいがあると思いますので、ぜひ”book cafe”で配信されている、書籍『仕事は自分ひとりでやらない』をテーマにした対談放送をお聴きいただければ嬉しいです。
この放送にもリンクを貼っておきます。

皆さん、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
*育休スクラ公式HP|https://schoola.jp/
*Facebook|育休スクラ|https://www.facebook.com/schoola.jp
*Instagram|@odagitomoko|https://www.instagram.com/odagitomoko/
*Twitter|@odagitomoko|https://twitter.com/odagitomoko
*YouTube|小田木朝子の今日のワタシに効く両立サプリ*育休スクラ|https://www.youtube.com/channel/UCT8k-TH1TMSJVbMPMXxFQBA