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#778 「立場が違うから対話が難しい」問題を考える

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、仕事をおもしろくするチームワーキングが学べる、オンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日は、いただいたご質問を取り上げて放送をお届けしたいと思います。
両立サプリでは、チャンネルのプロフィール欄に質問ボックスというリンクが貼ってありまして、放送で取り上げてほしいテーマやご質問をいただける投稿ボックスがご用意されています。
もし、こんなことをテーマにしてほしいな、こんな質問を取り上げてほしいなというメッセージがありましたら、ぜひ質問ボックスをお使いいただきたいと思います。
順番に取り上げておりますので、送ったけどまだ放送になっていないよという方、お待ちください。
すべて目を通し、順番に取り上げさせていただいております。

非正規雇用のメンバーとも、チームについて対話をしたい

今日は、いよかんさんからいただいたご質問です。
いよかん、いいですよね。
たぶん、みかんのいよかんですよね。大好きです。
コメントは、こちらでございます。

【いつも気づきや心が揺さぶられるお話をありがとうございます。
思い切って初めて質問を送ってみました。
お伺いしたいのは、「非正規雇用の人たちとの対話、どう巻き込む?」ということについてです。
私が所属するチームは、6名で、半数が非正規雇用のスタッフです。
副業や子育てといった理由で、今の働き方を選んでいるので、正社員登用を目指している方々ではありません。
リモートワークが増えて、互いの役割が見えにくくなったり、目の前の仕事にとらわれがちなため、どんな立場や働き方のメンバーとももっと対話したいなと思っています。
例えば、ビジョンミッションを振り返ったり、業務改善点を話し合う中で、よりお互いを理解し、チームワークを高めたいと私個人は思っています。
ただ、「そのような話は、マネジメント層や正社員の方でやってください。私たちは指示に従うだけなので。」という、一歩引いた雰囲気を感じてしまいます。
給与にも違いがありますし、強制は良くないと思っています。
また、業績についてはありがたいことに、特に現状は問題はありません。
ただ、新しく採用した方の離職が続いていて、課題も感じています。
週一回のミーティングは行っているため、まずは正社員同士が雑談のレベルでも良いので対話し、「〇〇さんはどう思う?」といった声かけをするといった巻き込み方も考えたりしています。
小田木さんでしたら、立場や働き方が違っていても、より良いチームを作る、非正規のスタッフを巻き込んでいくポイントとは何だと考えますか?
もし可能でしたら、実際にNOKIOOさんでされている取り組みなども聞かせていただけると嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。】

という、いよかんさんのご質問です。
いよかんさん、ありがとうございます。

今回のメッセージのポイントをまとめると、まずここですね。
立場の違う人たちとの対話、どう巻き込んでいくかを考えていきたい。
そして、非正規雇用のメンバーとも、チームについて対話をしたい。
立場や働き方が違っていても、良いチームを作るポイントは何なのか考えたい。
こんなところかなと思いました。

立場や働き方が違っても、良いチームを作るポイント

まず、私の個人的感想ですが、いよかんさんの希望がとてもいいなと思いました。
みんなにとって良いチームにしたい。みんなでいい仕事をしていきたい。
そんな希望が伝わってきますよね。
ということで、立場や働き方が違っても、良いチームを作るポイントって何だろう?
これを私も一緒に考えていきたいと思います。

一人一人違うということを前提にする

まず、私自身はこういうケースのポイントは何だと思っているかなというところですが、大きく二つあるなと思いまして、一つは、立場の違いよりも、個体差のほうが大きい
こういうふうに考えています。
これはよく、性差よりも個体差、こんなふうにも言われますよね。
例えば、非正規であるか、正社員であるかの違いよりも、やっぱり個々との違いのほうが大きい。
例えば、正社員はみんなチームやビジョンについて考えるという意欲で仕事をしているかというと、これもまた違いますもんね。
それぞれにバラバラ。
性差というところでいくと、男性であるか、女性であるかという違いよりも、やっぱり一人一人の違いのほうが大きい。
若手であるか、ベテランであるかとか、フルタイム勤務であるか、時短勤務であるかとか、上司であるか、部下であるか、こういういろんな立場だとか属性というラベルがあると思うのですが、圧倒的にレベルの差よりも個体ごとの違いのほうが大きい
なので、私自身もこういうときにポイントに置いているのは、一人一人違うということを前提にする
まず一つはここかなと思います。

まず相手が見ている景色を見にいく

そしてもう一つは、こっちが見ている景色を見せるよりも、まず相手が見ている景色を見にいく
二つ目のポイントは、まず相手が見ている景色を見にいく。
伝えたいことがあったりすると、私たちは誰しも、一生懸命自分が見ている景色を相手にも見せようとするじゃないですか。
こういうことに気付いてほしい。こういうことを考えてほしい。こんなふうに振る舞ってほしい。
これがいわゆる、こっちの景色を見せるとか、こっちの景色を見に来てもらうというところだと思うのですが、それより先にくるのは、まず私たちが相手が見ている景色を見にいくということですよね。
こっちの景色を見せるというのが、チームについて話をすることだとすると、相手が見ている景色を見にいくというのは、相手の話を聞きにいく
こういう順番になるかなと思います。
相手が見ている景色というのは、非正規のみんなは、みんな同じ景色を見ているかというと、全然違うんですね。
一人一人事情も違うし、背景も違うし、個人としての個性も全然違うはずなので、「仕事、どう?」と聞いても、一人一人返ってくる答えは全然違うんじゃないかなと思います。
でも、一人一人返ってくるのが違う答えを聞きにいくというのが、たぶん相手が見ている景色を見にいくことで、「仕事、どう?」と聞いた場合に、「このぐらいでちょうどいいかなって思います。」という人もいれば、「特にストレスも困ってることもないですが、なんかちょっと物足りないなと思っています。」という人もいるかもしれないし、一方で、じゃあ、もうちょっとチャレンジしたいかというと、事情を考えると時間が増やせないという人もいるだろうし、もしくは、「今の働き方であれば、たぶんこのぐらいがトントンかな」と、やりがいと働きやすさはトレードオフだと思っている人もいるかもしれない。
もしくは、「このチーム、どう?」と聞いた時に、「こんなもんじゃないですか。」という人もいるかもしれないし、「あんまりチームで仕事しているという感覚はないですね。」という人もいるかもしれない。
とにかく、相手が見ている景色をまず見にいくことが、私は大事だなと思っています。

NOKIOOでもいろんな立場の人と仕事をしています

私がいるNOKIOOのケースも聞いてくださいましたけれども、副業でチームに入ってくれているメンバーもいますし、パートナーとして、特定のテーマ、特定の分野でだけ関わる人もいて、とにかくいろんな人とコラボをして、仕事が前に進む、チームが成り立っているというのが、私たちも同じ状況だと思うんですよね。
その中でやっぱり大事にしているのは、一人一人の事情だとか背景をちゃんと聞くことと、そうは言っても、一緒に仕事をするという時間に対しての期待を聞き合うし、期待を伝え合うということもしています。

もう一つ大事なのが、一個一個の意味をめっちゃ説明する
例えば、「このミーティングの意味は」とか、「この話をあなたとしたい意味は」とか、「この意見をあなたに聞きたい意味は」こんな感じで、とにかく一つ一つの参画だとか関わりの意味をめっちゃ説明しています。
これを聞くと、面倒くさいと思うかもしれないですが、全然逆で、これをやらないよりもやったほうが、圧倒的に仕事はスムーズに進むし、チームとしての起動力もあがるので、時間効率をいうのであればいうほど、ちゃんと意味を説明したほうが、仕事がよく回るという手ごたえを持っています。
その都度、意味を説明するにしても、30秒とか一分の話だと思うんですよね。
その時間を惜しむ理由がないな。そんなふうに考えています。

事情を聞いたり、期待を聞き合ったり、伝え合ったり、意味をめっちゃ説明するところの意図は何かというと、人って自分の期待が満たされているという確認が持ってると、ここにいたいと思うし、さらに相手に期待されているという手ごたえが持てると、ここで頑張ろうという気持ちになれる
それが結果、お互いの良いパフォーマンスを生み出していくのかなと思います。
そういう意味でも、一人一人違うということを前提に、まず相手が見ている景色を見にいく。これが本当にいろんな立場の人と仕事をするコミュニケーションの起点になっていると思います。

勝手に解釈せずに、相手の見ている景色をいったん見にいく

いよかんさんが、すごい鋭いことを書いていて、『「それは正社員の皆さんで」という空気を感じる』というコメントもありますけれども、ここでこそ勝手に解釈してはだめですよね。
相手の見ている景色をまず見にいくと、例えば、そういう雰囲気をいよかんさんが感じる背景に、例えば、相手が「なぜ自分がそれに関わるのか分からない」というケースもあるかもしれないし、「自分には荷が重い」と感じているケースもあるかもしれないし、「具体的に何を求められているのか分からない」というケースもあると思うのですが、今、言った3つだけでも、どれかが分かれば、たぶんいよかんさんたちはもっと工夫してコミュニケーションが取っていけると思うので、そういう意味でも勝手に解釈せずに、相手の見ている景色をいったん見にいくというところが起点になるという考え方ができるかなと思います。

私がいいなと思うのが、いよかんさんが「このチームで一体感を持って良い仕事ができたら」と思っていることで、実際にそういう体験ができたら、それはいよかんさんにもメンバーのみんなにも、この上ない良い仕事の景色になるんじゃないかなと思いますので、ぜひワクワクしながら、トライをしていただきたいなと思いました。
心から応援しています。
ありがとうございます。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜
び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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