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#768 「失敗しないと成長できない」と焦ってしまうお悩み

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、これからのチームワーキングを手に入れよう、オンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今週も木曜日がやってまいりましたので、毎週木曜日恒例、チャンネルを一緒に運営するあいちゃんの質問コーナーをお届けしたいと思います。

大きな失敗をした経験がないことをネガティブに感じてしまう

今日のあいちゃんの質問は、こちらです。
大きな失敗をした経験がないことをネガティブに感じてしまう』というタイトルがついています。

【私がNOKIOOに入社し、また社会人となって、約一年がたとうとしています。
そんなタイミングで、最近感じている、ある悩みを小田木さんに相談しようと思います。
働き始めて約一年、私にはこれといった失敗経験がありません。
小さなミスは何度もありましたが、大失敗と言えるほどの経験もありません。
もちろん、このこと自体は良いことだし、失敗をしたいというわけではないのですが、大きな失敗をした経験がないことが、個人的に悪いことなのではないかと思ってしまうのです。
失敗から多くのことを学ぶと言いますが、大きな失敗の経験がないことで、なんだか自分は学べていないような気がしてしまいます。
また、実は大きな失敗だったのに、自分ではそこまでとらえられていないケースもあったのかなと思います。
どうしてこんな気持ちになってしまうのか、自分でも分からず、もやもやしています。
小田木さんは、この件をどう思いますか?
ぜひお話をお聞きしたいです。】

という質問です。
あいちゃん、ありがとうございます。
まず感想を一言でいうと、「こんなことを考えているんだ、あいちゃん、すげーな」そんな感想がポロッと出てしまいました。私だけでしょうか?

あいちゃんの今回の質問をまとめると、これといった失敗経験がないと自分で感じている。
小さなミスはあるが、大きな失敗はない。
失敗がないということは、学べない、成長していないんじゃないかという気持ちが、ちょっともやもやしてしまう。
こういうことですね。
なによりもあいちゃんが、仕事でちゃんと成長したいという気持ちを強く持っていることも伝わってきました。

本題に入る前に、私はこんなことをちゃんと考えていたかなと、新卒時代を振り返っていますが、振り返った結果、たぶん考えていませんでした。
私は、新卒で入った会社で配属されたのが、新規事業に付随する営業部門みたいなところだったのですが、その時の課長が、関西人で、強面で、髪形がオールバックで、「うわ、こわい」みたいな感じだったのですが、「わしは、息子ばっかりで娘がおらんかったねん」と言って、怖いお顔とは裏腹に、ちゃんと目をかけてかわいがってくれたり、先輩もとにかく良くて、当時、私は「むっちゃん」と呼ばれていたのですが、「むっちゃん、むっちゃん」と、のびのびやらせて、いろいろチャレンジもさせてくれるし、そんな環境の中で、仕事については、とにかく先輩に褒められたい一心でやっていたな。
それに比べてあいちゃんは、なんて考えてるんだろうと思ってしまいました。
すみません、これは余談です。

失敗すれば、自動的に成長するわけではない

あいちゃんの「失敗しないと成長しないと焦ってしまう気持ち」を一緒に考えてみたいと思います。
いくつか考えるポイントがあるなと思うのですが、まず一つは、あいちゃんの中で「失敗すること=成長できること」という構図があるんじゃないかなと思いますが、失敗することと、学んで成長できることは、イコールではないというところは、大事なポイントになるかなと思います。
もちろん、たくさん失敗してたくさん成長する人もいるし、一方で、たくさん失敗するけれども、変わらない人もいる
なので、とにかく失敗すれば、自動的に成長するではないというところが、結構大事なポイントになるかなと思います。

成長に必要なものって?

では、成長に必要なものは何なのかというと、一つは、ストレッチですよね。

ストレッチゾーンに踏み出す

先週、居心地の良いコンフォートゾーンから一歩外に出ることが成長に欠かせないという放送をちょうどしたところだと思うのですが、自分にとっての居心地の良いところから一歩踏み出す。
一歩、ゾーンを越えると、そこがストレッチゾーンで、例えば、慣れた同じ方法ではなくて、ちょっとやり方を変えてみるとか、もしくは、経験がないから手探りだけれども、考えながらやってみる。
こういった慣れた環境にいるよりも、頭も使わなきゃいけないとか、ドキドキした気持ちも抱えなきゃいけないとか、居心地の良さよりも、ちょっと緊張感があるとか。
こういった状況に身を置くとか、そういった仕事のタイプを経験してみるというところが、たぶんストレッチゾーンに出るというところかなと思います。
これは、いわゆる「挑戦」ですが、挑戦と言っちゃうと、言葉が大きくて、大層なことをしなければいけないというイメージもあるかなと思いますので、あえてコンフォートゾーン(居心地の良い場所)から一歩踏み出す、半歩を踏み出す。
こういったイメージを持ってると、いいんじゃないかなと思っています。

ハードシングスに向き合う

そして、あいちゃんが言うところの「大きな失敗」に変わるものは何かというと、ハードシングス難しいことに向き合うということだと思うんですよね。
失敗とは、今、やっていることや行動の結果として起こることが失敗じゃないですか。
でも、ハードシングス、難しいことは向こうからやってくるんですよね。
来ちゃう。
私は、ビジネスパーソンのキャリアにおいては、こっちのほうが圧倒的に多いんじゃないかなと思います。
例えば、異動しましたとか、上司が変わりましたとか、役割が変わりました。環境が変わったことで、「これまでやってきたことが通用しない」とか、「これまで知っていることでうまくいかない」みたいなことも、人によってハードシングスだと思いますし、経験のない役割にトライするとか、問題だらけの案件にアサインされる、さらには、ライフイベントの出産なんかによって、気合い・根性・長時間労働といったこれまでの勝ちパターンが通用しなくなるというのも、一つのハードシングスじゃないかなと思います。

そういう状況に向き合うと、結果としていろいろ失敗するんですよね。
コンフォートゾーンからストレッチゾーンに出たときも、たぶん結果として、いろいろ失敗することになるし、難しいこと(ハードシングス)に向き合った場合も、結果としていろいろ失敗することになる。
そういう経験が、たぶんその人の成長とか、礎を作っていくんじゃないかなと思います。

ここまで二つ出たことは、失敗すること=経験じゃないよ。
なので、失敗をちゃんと振り返るとか、消化することが成長につながるよという話と、二つ目は、成長に必要なもの=失敗というよりも、たぶんそれ以前に、ストレッチゾーンに踏み出すことや、ハードシングスに向き合うこと。
そこに結果として失敗がいろいろついてくることになるので、失敗だけ切り取って、成長のエッセンスという感じでもないと思うという話をさせていただきました。

また立ち上がれるレベルで経験を積む

ここで、もう一つだけ私が大事だなと思っていることがあるのですが、ここまでの話に、ぜひ三つ目のポイントを付け加えて考えてみるのがいいんじゃないかなと思うのですが、大事なのは、再起する足腰
ここだと思います。
再起する足腰という言葉は、今、私がはまっている『左ききのエレン』で使われている言葉でもあるのですが、また立ち上がれるというレベルで経験を積むのが、欠かせないんじゃないかなと思います。
大きな失敗というけれども、自分で抱えきれないぐらいの大きな失敗、もしくは、今の自分では折れちゃって再起できないぐらいの大きな失敗は、もはやあんまり意味がないんですよね。
さっき、「ストレッチゾーンに踏み出す」という話もしましたが、ストレッチゾーンのさらに向こう側があって、行き過ぎるとパニックゾーンにまで踏み込んじゃうので、このゾーンにまで行っちゃうと、心身に不調をきたすという状況になっています。
例えば、まったく運動していないのに、いきなり42.195キロを走れる人はいないじゃないですか。
毎日、コツコツ練習を積み重ねて、42.195キロを走れる人にとっては、42.195キロがストレッチゾーンであり、越えることのできるハードシングスだと思うのですが、私みたいにまったく運動していない人が、いきなり「マラソンをするぞ、大きなチャレンジします、42.195キロ走ります」って、これは無謀でしかないわけで、完走もできなければ、たぶん体も壊すといった結果にしかならないというのが、いい例なんじゃないかなと思います。

ということは、私たちに必要なのは、自分で再起できないぐらいのトライだとか、失敗をすることではなくて、日々コツコツストレッチゾーンに踏み出して、足腰を鍛え続けることなのかなと思います。
そうすることで、マラソンにしても、例えば、まずは1キロを走るところからスタートだったとしても、ちょっとたつと、2キロを走れるとか、3キロを走れるとか、そうこうしてるうちに、10キロを走れて、もしかしたら2年も続けたら、ハーフマラソンに出るかもしれない。
足腰を鍛えるということが、すごく大事なのかなと思います。
折れちゃったり、心身に不調をきたしたら、まったく意味がないわけで、そういう積み上げだから、進んでいければいいんじゃないかなと思います。

あいちゃん、「焦らなくて大丈夫だよ」とお伝えしておきたいなと思います。
ということで今日は、失敗しないと成長できないと焦ってしまう気持ちを取り上げさせていただきました。
あいちゃん、ありがとうございます。

先週の一番放送

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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