見出し画像

#987 「困ったときに助け合う」の次のステージに進もう

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

書籍『仕事は自分ひとりでやらない』にいただいたご質問

今日のテーマは、「助け合い」を取り上げたいと思います。
両立サプリではおなじみのヘルプシーキングですよね。
ビジネススキルとしての助け合いをテーマに取り上げたいと思います。

経緯としては、私がヘルプシーキングについて書いた書籍『仕事は自分ひとりでやらない~仕事を抱え込まず、周りに助けを求める技術「ヘルプシーキング」の教科書』を2020年の4月に出版させていただいたんですけれども、この本を手に取っていただいた方から感想と質問をいただきまして、こちらを取り上げたいと思います。
結構、このVoicyを聴いてくださる方が、書籍『仕事は自分ひとりでやらない』も手にとっていただいて、たまに「本も持っていますよ」とか、「本も読みましたよ」こんなふうに言っていただいて、めちゃくちゃうれしいなと思っております。
今回もそんなお一人です。
ハンドルネームはみいさんです。

助ける側に負担がかかる中で、ヘルプシーキングをどう実践していくか

【Voicyで小田木さんのことを知り、体系的にヘルプシーキングを理解したいと考え、本書を手にしました。
私は、昨年3月に出産、産休中に昇格。出産を機に、夫のいるエリアに引っ越し、Iターンをし、今年4月からは新しい部署で育児と仕事の両立をスタートさせました。
仕事は、産休前の部署も今の部署も営業部門です。
一方、以前の部署が働き方の見直しがだいぶ進み、残業を遅くまでする文化がなかった一方で、今の部署は、ザ・気合い・根性・長時間労働で、急な締め切りの業務に対応することもしばしばです。
私は課長代理という自分の役割も鑑みて、今の状況を嘆くのではなく、自分がこのチームの文化を変えていきたいと思っています。
そして質問はこちらです。
チーム内になんとなく若手は助けを求めるだけ、年長者は助けるだけといった文化があるように感じています。
ヘルシーキングを推進すると、ただでさえ残業ばかりの年長者が、助けを求められすぎてつぶれてしまうのではないかとも感じています。
若手が困った際に頼ってもらうことはウェルカムな反面、それで手が回らないこともあるのは事実で、この辺りのバランスについてアドバイスがあればお願いします。】

というご質問です。
改めてみいさんの状況を整理させていただくと、割りと業務量が多い。さらに、突発的な業務も多い。こういったチームに今はいらっしゃる。
課題感は、若手は助けを求められるけれども、年長者がそれを受け止めすぎると、こっちもまたつぶれちゃうんじゃないか?そんな中でヘルプシーキングをどう実践していくかについてアドバイスがほしい。
こんなふうにおっしゃっていただきました。

みいさん、まずはこのチャンネルを聴いていただき、さらに書籍も手にとっていただきありがとうございます。
チームを良くしたいなという気持ちもめちゃくちゃ伝わってきましたので、今日のテーマを一緒に考えていきたいと思います。

今回のケースですが、ぱっと拝見させていただくと、困った時に抱え込まない。助けを求め合う。特に若手がちゃんと助けを求める。この段階はすでにクリアできているといえそうですよね。
ただ、このままいくと、助ける側にちょっと負担が寄りすぎてつぶれてしまうんじゃないかという懸念を持ってらっしゃって、こういった中でヘルプシーキングをどう推進していこう?これが今回のお題です。
皆さん、このヘルプシーキングですけど、本のタイトルにも『仕事は自分ひとりでやらない~仕事を抱え込まず、周りに助けを求める技術「ヘルプシーキング」の教科書』と書いてあるんですけれども、実は抱え込まない、周囲に助けを求める、これってヘルプシーキングの本当に入り口なんですよね。
なので、今日は、抱え込まず助けを求める、この先について皆さんと一緒に考えてみたいなと思います。

ヘルプシーキングの実践と効果を「3階建ての建物」で考えると分かりやすい(かも)

ということで、皆さん、この入り口の先には何があるのか、一緒にイメージを膨らましてみたいと思いますので、大変恐れ入りますが、私が言うように、絵を頭の中に描いていただいてもよろしいでしょうか。
皆さんに想像していただきたいのは、三階建ての建物です。
シンプルな三階建ての建物を想像してください。一階、二階、三階とあります。
この三階建ての建物が、いわゆるヘルプシーティングの全体像なんですけれども、まず建物の一階部分を見てください。
建物の一階部分が、困った時に助け合う、そして抱え込まない。これがヘルプシーキングの一階部分なんですよね。
みいさんも、ここはある程度クリアできていると言っている。それが一階部分です。
ヘルプシーキング、助け合いって、つい一階部分だけで考えちゃいがちなんですけれども、実は二階と三階があります。
まさにみいさんが言うように、これって助け合いだけだと解決にならない問題がありそうだな、そういうことに気づいた場合は、やっぱり二階に上がっていく。そのタイミングだと考えてください。
じゃあ、建物の二階部分が何かというと、ここが、仲間と連携してチームの課題を解決するという階層のステージなんですよね。
一階が困ったときに助け合う。そして、困っている人が抱え込まない。これが一階に対して、二階に上がると、仲間と連携してチームの課題を解決する。要は根本的な課題を仲間と連携し合って解決する。これが二階です。
さらに、三階部分もあると申し上げましたので、先に3階を紹介しておくと、ここが、チームで連携することによって、チームのパフォーマンスが最大になるという、こういうステージです。
困ったので助けを求める。マイナスをゼロにするのでもなく、本質的な問題を解決するのでもなく、さらにその先ですよね。
連携するので、一人であげる以上の成果が一人一人にあがって、結果、チームの成果が最大になる。
これがヘルプシーキングの三階部分です。

今日は、一階と二階の違い、さらに二階の部分にフォーカスをして、話を進めたいと思います。
ここからは、みいさんのご質問をもとにした私の妄想もだいぶ入ってしゃべりますので、「なるほど、そんなふうに考えるわけね」という事例としてお聴きいただければと思います。

根本的な問題をみんなで協力して解決しにいくというのが、二階部分

一階部分がクリアできても、一階だけでは解決しないテーマが見える状況、皆さんも分かりますよね。
困った時に助け合う。
例えば、急な業務がふってきて一人ではなんともできないので、仲間に応援を依頼する。
そうすると、急な業務にチームで助け合って対処するということはできても、急な業務がふってくるという根本的な問題は解決には至らないじゃないですか。
そこに目を向けて、急な業務がふってくるという根本的な問題をみんなで協力して解決しにいくというのが、二階部分です。
一階との違いが伝わりますか?

今回の質問者みいさんの感覚、これだけだと難しい気がするというのは、まに二階部分に上がる必要がある。そういう感覚だと思いますので、大事にしてください。
じゃあ、どうするかというと、例えば、仲間と連携して解決したいチームの課題が、締め切りがタイトな業務が急にふってくるという事象を何とかしたいとするじゃないですか。
二階部分のヘルプシーキングというのは、起こっていることをチームの課題として対象に据えて、みんなで解決を連携して進める
こういう発想になりますので、例えば、この状況が起こってしまう原因が何かをチームのみんなで出し合うとか、その中で何を解決すべきか決める、ターゲットを絞るとか、解決に必要なことを実際に協力して進めたり、もしくは解決に必要な関係者を巻き込んで解決を進めていく。
これが二階部分。
仲間と連携してチームの課題を解決していくヘルプシーキングのイメージです。
例えば、何が原因かな?と、みんなで出し合ってみると、他部署で勝手に引き受けちゃう。「分かりました、できます」と言っちゃうみたいなことが、結構インパクトの大きな原因だとすると、じゃあ、そうならないためにどんなことができたらいいだろうか?例えば、そもそもできることとできないことのサービスのガイドラインを明確にするのか、それとも他部署は顧客に対してそれを説明できるように、みんなで理解を深めるのか、それとも受注したら情報が共有されるのではなく、案件の話が上がった段階で、営業部に情報が共有されるようなプロセスにするのか。
たぶんいろいろ解決の糸口が見えると思うんですよね。
そうしたら、関係部署も含めて、誰と協力して何を実現するのか、これをみんなで進める。そんなイメージです。
これが、ヘルプシーキングの二階です。

くどいようですけれども、一階と二階の違いは、一階が困ったときに助け合う。そして、一人一人が抱え込まない。この状態の実現に対して、二階は仲間と連携してチームの課題を解決していく。
こういう違いがありますので、一段上の階に上がっていくイメージを、そんなふうに持っていただければと思います。

みいさん、ご質問をどうもありがとうございます。
みいさんの、困った時に助け合うだけだと、この状況は解決しないんじゃないか?という、その感性がめちゃくちゃさえていると思います。
ぜひ一人でではなく、仲間と一緒に二階に上がっていただいて、「やっぱり連携っていいよね」そんな手ごたえや成功体験をチームで増やしてみていただきたいなと思います。

ということで今日は、書籍『仕事は自分ひとりでやらない』にいただいたコメントとご質問を取り上げて放送させていただきました。
みいさん、ありがとうございます。
私も心から応援しています。

ヘルプシーキングを体系的&実践的に学べるオンラインスクール「スクラ」です

続きはぜひVoicyでお聴きください。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
*スクラ公式HP|https://schoola.jp/
*Facebook|スクラ|https://www.facebook.com/schoola.jp
*Instagram|@odagitomoko|https://www.instagram.com/odagitomoko/
*Twitter|@odagitomoko|https://twitter.com/odagitomoko
*YouTube|小田木朝子の今日のワタシに効く両立サプリ*スクラ|