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#1116 「助けを求める」ことの心理的ハードルの越え方

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今週も木曜日がやってまいりましたので、毎週木曜日恒例の、一緒にこのチャンネルを運営するなつさんの質問コーナーをお届けしたいと思います。
今回のなつさんの質問はこちらです。

ヘルプシーキングを実践する上で感じるハードル

【上の子の入学式や、子どもの習い事の発表会で、節目と子どもの成長を実感しているなつです。
先週まで「仕事の基本のアップデート」と題してシリーズでお届けしましたが、リスナーの皆さんからいただいたコメントも大変うれしく拝見しました。
シリーズ形式の質問コーナーを4月も少し続けてみようと思います。
次のシリーズのテーマは、「ヘルプシーキング実践」についてです。
春先、新体制や新しいメンバーを迎える時期ということもあり、NOKIOOでもヘルプシーキング研修のご依頼や相談が増えています。
実際にトレーニングする前にいただくあるあるのお悩みや質問から厳選し、木曜質問をお届けしたいと思います。
まず第一弾の今日は、「ヘルプシーキングを実践する上で感じるハードルの高さ」です。
周囲の人に迷惑なのではないか?周りも忙しくてヘルプを出せる余裕がチームにない、新入社員や異動したばかりで声をかけにくいなど、ヘルプシーキングを実践する上で、まず自分の中にあるハードルを越えることが大事な一歩になると感じています。
必要性は分かっているものの、ヘルプの出しにくさから一歩を踏み出すヒントを教えてください。】

こんな感じで、なつさんから質問をいただきました。
ありがとうございます。
もうしばらくシリーズの質問を続けるよということで企画をいただいたのは、ヘルプシーキングです。

改めて今日のなつさんの質問の概要です。
今回からヘルプシーキングをテーマにした質問コーナーをお届けしたい。
一回目の今日は、ヘルプシーキングを実践する上で感じるハードルについて放送してほしい。ヘルプの出しにくさから一歩踏み出すヒントを教えてくださいと。
こんな感じでお題をいただきました。
小田木所感ですが、さっそく考えていきましょう。

ヘルプシーキングとは周囲に援助や支援を求める行動

ちなみに、ここまでヘルプシーキングというキーワードを使ってきましたが、両立サプリでは結構おなじみなんですけど、最近、聴き始めてくれたという方のために、改めてヘルプシーキングをおさらいしておきましょう。
ヘルプシーキングはヘルプをシークするという、割りとまんまの造語ですので、直訳すると、周囲に援助や支援を求める行動、こちらをヘルプシーキングと呼ばせていただいてます。
私たちは、さらにチームで仕事をする上で欠かせないスキルとして、連携して成果を出す仕事のやり方、ここまで範囲を広げながら、ヘルプシーキングという言葉を使って、コミュニケーションしたり、発信をさせていただいてます。
周囲に援助や支援を求めること、そして連携して成果を出す仕事のやり方、これがヘルプシーキング。
そう考えると、反対語は何かというと、たぶん抱え込むとか、一人でやりきってナンボの仕事のやり方、こちらですよね。
私も絶賛その状態にはまっていて、ヘルプシーキングとは真逆の仕事のやり方をしていた時期もあります。
でも、仕事のおもしろさとか、キャリアの持続可能性とか、なによりも今の難しい環境下で成果を最大にあげたいと思うと、一人でやれることには限界があるということで、私も連携して成果を出すという仕事のやり方にシフトして、ずいぶん景色が変わったなという所感も持っております。
ちなみに、2020年に出させていただいた書籍『仕事は自分ひとりでやらない』サブタイトルはまさに「仕事を抱え込まず、周りに助けを求めるヘルプシーキングの教科書」こちらの書籍は、ヘルプシーキングの実践について書かせていただいた本です。

今日のなつさんの質問は、そういった仕事のやり方を実践していきたいけれども、相手に迷惑をかけそうで気が引けるとか、みんなが忙しくてヘルプを出せる余裕がないとか、そんなまずはじめの一歩を踏み出すのが難しいという感覚をどうやって越えるのか?というのが、なつさんが放送してほしいとオーダーをくれたテーマですよね。
ちゃんとトレーニングする前にすごく多くあがるのも、まさにここだなって思います。

ヘルプシーキングはビジネススキルという入り口から入ってください

じゃあ、それをどうするかという話が少しできればと思うんですけれども、まずヘルプシーキングというテーマにどの入り口から入るかというのが、実はめちゃくちゃ大事なので、皆さん、ここの入り口から入りましょうねということを最初にお伝えしたいと思います。
入るべき入り口は、ビジネススキルとして入るということですね。
周囲に助けを求めるとか、連携するというと、ついタイプ論で語られがちなんですよね。「私ってそういうのを得意なタイプだし」とか、「ちょっと性格的に自分は無理なんですよ」みたいなタイプの話じゃないから。
さらに、誰かに仕事をお願いする表層的なテクニックでもないんですよね。
どう声をかけるかというレベルの話ではなくて、ヘルプシーキングはビジネススキルという入り口から入ってください
ビジネススキルだということは、それをやらないよりもやったほうが、圧倒的にビジネス成果が上がる、そういうスキルがビジネススキルですよね。
ビジネススキルだということは、体系立てて学習ができ、実践してトレーニングすれば誰でも上手になる。
これがビジネススキルだと思いますので、くれぐれも間違えて、タイプやテクニック論から入らずに、ビジネススキルの入り口から入りましょう。
これがまず大事な入り口ですね。
ビジネススキルですので、困ったら使うではなくて、どんなシチュエーションにおいても、チームで仕事をする上での基礎スキルなんですよ。
ビジネススキルですので、新入社員だとか、困っている人が使うスキルではなくて、リーダーも課長も部長も役員も社長も、誰しも実践することで成果があがる。
これがヘルプシーキングですよ。この入り口から入りましょう。
入り口を間違えないことで、すでに少し実践のハードルが下がるなと思いませんか?

最初の一歩を踏み出すポイント

その上で、誤解を解いて最初の一歩を踏み出すポイントとしては、私はこんな三つをよく伝えさせていただいてます。
一つは、自分の中にある心のブレーキに気づく
二つ目は、助けを求めるということは、仕事を代わってもらうだけじゃない。これがめっちゃ大事なんですよ。
もっと小さく、もっと幅広く、いろんな連携を自分の中に持つこと。
最後が、助ける人と助けてもらう人を固定化させない
たぶんこの辺の誤解をちゃんと解くことによって、ハードルを上げすぎずに、最初の一歩を誰もが踏み出すことができるんじゃないかなと思います。

すごくさらりとですけれども、一つ目の心のブレーキに気づくは、「助けを求めたら相手に迷惑をかけるんじゃないか?」と、迷惑をとにかくかけてはいけないというブレーキがかかりやすい人もいれば、一人でやりきらないと、成長できない、やりきってこそ仕事、やりきってこそ成長、こういうブレーキがかかりやすい人もいれば、もしくは助けを求めることで、「自分は仕事ができません」「自分は弱いです」と言っているような気がして、なかなか踏み出せないというブレーキのかかり方をする人もいます。
たぶんいろんなブレーキタイプを私たち一人一人が持っているんですよね。
これを完璧に手放すのは難しいかもしれないですけど、自分の心にどんなブレーキがかかりやすいのか、これを知っておくことでコントロールが可能な状態にする。これが可能になります。

ヘルプシーキングはチームのためにとる行動

じゃあ、迷惑をかけないとすると、助けを求めることや連携することは何なのかというと、チームのためにとる行動なんですよね。
チームの成果を大きくするために、抱え込んで誰かが疲弊するでもなく、ギリギリで頼ってリカバリーがすごく難しい状態でチームを動かすではなく、チームで上手に連携する、リスクがあれば早い段階で仲間と共有してチームでなんとかする、それによってチームの仕事を止めないとか、チームの成果をより大きくしていく。
そのための仕事のやり方なんだという認識を持つことで、心のブレーキに気づき、かつコントロールが可能な状態になっていくと思います。

二つ目の助けを求めるイコール仕事を代わってもらうだけじゃないですけど、過去を振り返ってみると、助かったなと思うときって、決して誰かに仕事を巻き取ってもらったときだけじゃないと思うんです。
「今、大丈夫?」みたいな感じで声をかけてもらったり、話を聞いてもらったり、「自分はどうにかできないけれども、どうにかできそうな人を知っているよ」と人をつないでもらったり、さらにハードルを下げると、書き込みに対して「いいね」とリアクションをもらったり、これだけでも助かったなとか、ありがたいなと思うことがたくさんありますよね。
これが全部ヘルプの形になります。
そうすることで、常に助ける側の人と、常に助けてもらう人を固定化させない。
固定化しないから、いろんな方向からの連携がどんどん生まれていく
これがまさにチーム全体でヘルプシーキングが活性化していくメカニズムだと思います。

スタートラインに戻ると、そんなふうにヘルプシーキングというキーワードをとらえて、そもそも助けを求めるこの行動の前提を変えていく。これがまず最初に小さな一歩を踏み出す、最初のスタートラインになるかなと私は思っています。
かいつまんでお話ししましたが、こういったテーマに興味のある人は、よかったら書籍『仕事は自分ひとりでやらない』も手に取ってみてください。

なつさん、最初の一歩、こんな感じでよろしいでしょうか?
質問ありがとうございます。

それでは、お聴きいただきありがとうございます。
次のチャプターで「先週の一番放送」をお届けします。

先週の一番放送は、相手との関係構築の技術「良いインタビュアーになる」!&今週のコメントご紹介

続きはぜひVoicyでお聴きください。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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