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#579 「女性活躍」という言葉の違和感の正体とは?

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、両立期にはまる落とし穴を賢く避けるオンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

ビッグワードを、ビッグワードで終わらせない

今日は、今、私が情熱を注ぐテーマについて放送したいと思います。
キーワードは、”女性活躍”です。
ただ、今はおそらく、この放送を聴いてくれている人の数だけ、”女性活躍”というキーワードに対して、いろんな意味や、想像されるものや、感情が持たれるのではないかなと思います。
このキーワードに対して、聞く人の数だけ、意味、想像、感情が、たぶん星の数ほどあるんじゃないかな。
もちろん、ポジティブに聞く人もいれば、ネガティブな印象がある人もいると思います。

それは仕方がなくて、”女性活躍”は、そもそもがめちゃくちゃなビッグワードなんですよね。
私の中では、”コミュニケーション”と”マネージメント”に並ぶ、職場のビッグワードのベスト3に入るんじゃないかなと思っています。
なので、こういうビッグワードは、定義が大事だと思います。
何か一つの定義にこだわるというよりも、「自分はこう解釈している」とか、「私にとっては、こういう定義で受け止めている」という定義の部分ですね。
私自身はどんなふうに定義を持っているかというと、”女性活躍”、つまり女性が活躍している状態のゴールイメージを定義してまして、一つは、女性を含む多様な人材が、組織やチームの中で最高のパフォーマンスが発揮できている状態
これが達成される取り組み全般。
もう一つ、欠かせない定義がありまして、それは何かというと、女性を含む多様な人材から最高のパフォーマンスを引き出せる組織であること
これが私にとっての”女性活躍”ですし、女性活躍の取り組みの結果として達成されるゴールかなと思っています。
”女性を含む多様な人材”という着眼点だとか、どういう状態がゴールイメージなのか、いろんな人が最高のパフォーマンス発揮できていて、さらに、いろんな人から最高のパフォーマンスを引き出せる組織であること、これが達成されるのであれば、私は、特に”女性活躍”という言葉にはこだわらなくていいかなと思っています。
目指すところは、そこだよ。
この世界観がとても良いし、とても大事だと思うので、ここに向かうためのプロセスに情熱を注いだり、これを一つ仕事として、いろんな企業さんやチームに関わらせてもらっているのが今です。

さらに付け加えると、”女性活躍”というと、「女性はすでにいっぱいいますし、活躍していますし。」といった声もちらほら聞こえますが、そうであれば大変結構です。
ただ、”女性活躍”とほぼセットで語られるのが、「多様な女性リーダーを増やそう」”女性管理職比率”みたいな目標があって、これも達成していこうという機運もすごくあるなと思います。
数値目標を掲げる必要があるのか、そこに議論や賛否があると思うのですが、私はその議論についてはこんなふうに考えています。
例えば、社内の男女比率が、6:4だったり、7:3だったり、8:2だったり、いろんな会社があると思うのですが、一つのバロメーターとして、全体の社員比率が6:4であれば、リーダーの男女比率も、6:4。
7:3であれば、同じ7:3。
ここにもしもギャップがあるのであれば、何らかの課題があるかもしれないという前提に立って、そのギャップを見にいく取り組みが、すごく大事だと思っています。
もちろん、管理職になる・ならないは、男女も含めて、組織の要請と個人の合意・希望が相まって、それが実現されるわけなので、ならなきゃいけないという話ではないと思いますし、なりたくないという意見も尊重されるべきだと思うのですが、なりたくないの後ろに、なれないとか、もしくは、なりたいと思えるような環境にないといった理由があるのであれば、ギャップを解消しにいく必要はあると思っています。

「女性活躍」という言葉の違和感の正体とは?

この放送では、女性活躍について、「社会がもっと」とか、「国がもっと」とか、「世の中をもっと」といった話をしたいわけではなくて、私はあくまで、今、自分たちから見える景色の話として、男女に関わらず当事者として、そして自分にもインパクトのある、ポテンシャルのある話として、どんな着眼点があるかなというのを、一緒に考えたいなというコンセプトでおります。

これだけ”女性活躍”というキーワードが飛び交う日々ですので、いろんな様子、考え方にも触れるのですが、その中で「あれ?なんかちょっと違うよな」と、違和感を感じることもあるんですよね。
なので、私自身も感じる、この違和感の正体は何なのか、考えてみましたので、最後に共有したいと思います。

女性支援モードで語られる女性活躍推進

まず、違和感を持つケースその一は、女性支援モードで語られる女性活躍推進ですね。
どういうことかというと、「女性は機会に恵まれなくって、かわいそうじゃないですか。ライフイベントによって、いろんな影響を受けやすいので、いろんな面から支援をしてあげないとね。」これは、もちろんめちゃくちゃ重要ですけれども、支援だけで終わってしまうのは、すごく残念だなと思っています。
「支援モードで制度をいろいろ整えたので、あとは女性次第じゃないでしょうか?」こんな感じになってしまっていると、すごく残念だし、そういうケースで終わってしまっていることに、もったいなさ、違和感を感じます。

”女性が変わろう”ではなく、全員総変化で向かう

二つ目の違和感は、女性だけが主語で語られるケースですかね。
「女性がもっとキャリアについて真剣に考えなければいけない。女性がもっと管理職にならなければいけない。なので、女性のために研修を用意しました。もっとキャリアについて考えたり、管理職になってもらうことを考えてもらうための研修です。」これも、もちろん手段の一端としては必要かもしれないですが、それだけで女性活躍全般が定義されてしまうのは、ちょっと残念だなと思っています。
なので、”女性が変わろう”というメッセージではなくて、これをきっかけに、女性を含む多様な人材が最高のパフォーマンスを発揮できる組織って何だろう?これを考えて、全員総変化で向かっていこう、そんなメッセージになるとすごくいいなと思っています。

現状をさらにプラスに持っていく発想

最後、違和感の三つ目は、女性活躍推進というのを、マイナスを埋める発想、そんなニュアンスで持たれちゃうと、これまた残念だなと思っています。
例えば、女性を含む多様な人材が、ちゃんとパフォーマンスを発揮するためには、どんなエッセンスが必要かというと、私のケースだと、「今までは時間で成果を出す仕事のやり方しか知らなかったな。だから残業・気合・根性に基づいた頑張り方を変える必要があったな。」とか、ヘルプシーキングもそうですが、「誰しも抱え込まない、連携し合って、チームで成果を出せる仕事のやり方に変える必要があったな。」とか、あと、そもそも成果は何か定義したり、お互いの期待役割について合意形成をしたり、それに至る対話をもっと活発にできる関係性やチームのコミュニケーションの取り方があれば、いろんな人が同じ時間の中でも、もっともっとパフォーマンスが出せるようになるよな、こんなに考えると、本気で女性活躍をやろうと思うと、みんなで仕事のやり方やお互いの関係性をアップデートしていく取り組みになるはずで、マイナスをゼロに近づけるというよりも、現状をさらにプラスに持っていく発想になると思うんですよね。
そういう発想であれば、チームとしても会社としても、本気でそれをやりたいねという気分が、もっともっと盛り上がるんじゃないかなと思っています。

違和感の正体を言語化していく

いろいろお話ししましたけれども、とにかく情熱を注ぐ”女性活躍”というキーワードについて、女性がどうこうだけの話ではないチャンスがあると、私は思っていますし、本当の意味での定義や意味づけができれば、みんなでやりたくなるテーマの一つだと思うんですよね。
だから今、これをやっていて面白いなと思います。

今日は、私自身も持ってる違和感についてお話させていただきましたが、もし”女性活躍”という言葉に違和感がある人がいたら、その違和感の正体を言語化していくと、いろんな発見があるんじゃないかなと思います。

ということで、今日は”女性活躍”についての、私が考えることの放送でした。
お聴きいただきありがとうございます。

みんなで共有したい、女性活躍2.0

今日の放送はいかがでしたか。
キーワードとしては、”女性活躍”という一般名詞を使っているのですが、言い方を変えると、個人にも組織にも、その中にいる誰にとっても、良い形で仕事の景色を変えていこうよと、そういう話だと改めて思います。
今日は、アナウンスタイムのチャプターを追加させていただきますが、先ほど放送したような、これからどんな女性活躍の形であれば、女性だけじゃなくて、会社だけじゃなくて、誰にとっても魅力的なのか、こんなテーマについて発信して、みんなで考えて、取り組みのヒントを得ようというオープンセミナーを開催させていただきます。
毎月おなじみ、沢渡あまねさんと実施しているトークライブ、90分腹落ちセミナーの7月のテーマが、【組織が本気で取り組みたくなる女性活躍 2.0】。
誰かが違和感を感じる女性活躍を1.0とするのであれば、もしくは、これまで積み重ねてきた女性活躍を1.0とするのであれば、これからどんな方向に力を入れていったり、どんな課題を解決していくことで、誰にとっても良い(いわゆる組織が本気で取り組みたくなる)女性活躍になるのか。
これを”2.0”と名前を付けて定義して、みんなで考えてみようよ、これが今回のトークライブの趣旨です。
今、沢渡さんとめちゃくちゃ力を入れて発信しているテーマですので、今回もますます面白い場を作っていきたいと思っています。
ちなみに、どんな方に来ていただきたいかですが、まず、このテーマがちょっと面白そうだなとか、関心がある方には、ぜひオープンに来ていただきたいなと思います。
また、これを会社としてどう考える?どう進める?うちの会社、うちの組織、うちのチームにあった取り組みって何だろう?これを考える機会を作ろうというコンセプトもありますので、例えば、人事とか、ダイバーシティ推進とか、そういったテーマに関わって、まさに今、関心がある方には、ぜひお越しいただきたいなと思っています。
いろんな組織、いろんな立場の方が、オープンに参加して、90分腹落ちセミナーのいつもの雰囲気の通り、ワイワイと進められる良い場を作っていきたいと思いますので、ぜひお越しください。
7月13日水曜日の15時から16時半の90分間です。
組織が本気で取り組みたくなる女性活躍 2.0~成果とビジネス変革につながる女性活躍のススメ~】こちらを開催いたしますので、ぜひ一緒に取り組む仲間と誘い合って来ていただければと思います。
放送にリンクを貼っておきます。

最後までお聴きいただきありがとうございます。
それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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