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2019年リリース4選

昨日の雨も上がって気温は30℃を超える。
梅雨明けも近いだろう。
2019年もあと半分もないなあ。
微熱を出しながら、6畳ワンルームで寝転がる。
いまのきぶんはチル、でも有機的なチルだと思う。
7月発売のものも多くセレクトしたので上半期ベスト、とは名乗れないが
よかったなあと思う曲をここに残します。
よかったら聴いてみてください。

パブリック娘。/川

チル、と言われると
とろけるようなエレピの音色、
抑制の聞いたパーカッション、
という景色を思い浮かべたりもする。

平成元年生まれ3人組ラップユニット・パブリック娘。は
幻想的なチルとは違う心の安らぎをもたらしてくれる。

トイレを借りる駅や、提出締め切りのあるこの世の中。
ここを離れてファンタジーの世界に逃げてしまうことはない。
折り合いをつけれなかったり、思い出を忘れてしまったり、
やるせのなさを覚えながら。

今日も生まれた日の夢を見る
「さようなら」青春の日々

といったリリックがまとう泥臭いキラメキ。

https://music.apple.com/jp/album/%E5%B7%9D/1467801895?i=1467802098

ズーカラデル/花瓶のうた

ぽろぽろとこぼれるようなギターにのって、
空間にとけた歌声が聞こえてくる。
ズーカラデルは札幌初のバンドであり、
かれらの「凍れた(しばれた)朝」「白い息」「薄雪の森」は
瀬戸内育ちの僕にはうまく思い描けないけれど、
冒頭の寂寥は冬の朝、ホコリが光に舞うような、
一日が動き出す前の一瞬の神秘を感じる。
寂しいが、地に足がついた日常に癒される。

窓辺に置いた花を枯らした
歌うよ 意味ないけど

という歌詞のように、無力感・諦念もにじみでてしまう日常である。
ワンコーラス終わったあとに疾走する音、
それに合わせて体を揺らすベースプレイ(動画を見てください)は
中に渦巻いてるナニカが伝わってくるようだ。
身をよじるか、毅然と立って歌うか、何かしていないと
気が狂いそうな冷たいシステムの世の中。
自分の中のナニカを暖めてくれるように感じる。

tofubeats / Keep on Lovin' You

何層も重ねられたメロディーが耳を賑わせる。
ビートはシンプルで、だからこそ
1本ずつの旋律が豊かに感じられる。

過剰な盛り上がるようなことはなく、
控えめに、おだやかに、心に寄り添って、
少しだけ見える景色を輝かせてくれる。
MVのように一日の始まりに聴きたい。

ASIAN KUNG-FU GENERATION / 解放区

これは以前の記事で詳しくかいたアジカンの新曲である。

サウンド面で言うならバンドサウンドながらも
ドンシャリ(高音と低音ばかり目立つイコライジング)ではなく、
中音がちゃんと届いてくれるので、胎内にいるような安心感を覚える。

いま自分が立っている地面の続く先のどこかのまちで
解放を合唱するハピネスな塊があると考えれば、
ちょっと自分の街のことも好きになれそうな気がする。

こうやってPVを並べてみると、
どれもセピアというか、スモーキーな色合いをしていることに気付いた。
服装やネイルの色でもスモーキーピンクやスモーキーブルーといった
くすんだ色が流行っていたのは知っていたが、
こうしてみると妙に説得力がある。

映画「愛がなんだ」のポスターをはじめとして、
手書き文字を目立つところに使ったアートワークや広告が
最近流行っているようにも感じる。

僕が体調を崩していたりしたので、
こうしたセレクトになったことが考えられる。
だからこれだけを見てトレンドだ!とは言えないが、
時代の気分としてあたたかみを求める流れはある。

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