見出し画像

伝統と革新を打ち出す、新たなる門出! パシフィックフィルハーモニア東京の第1弾アルバム

1990年に設立した東京ニューシティ管弦楽団から名称を変え、 2022年度より新たなスタートを切ったパシフィックフィルハーモニア東京。初代音楽監督として飯森範親を迎え、「伝統と革新」というテーマを打ち出した意欲的な活動が注目を集めています。

2023年12月20日に発売となるアルバム第1弾に選んだのは、モーツァルトの初期交響曲。綿密なリハーサルとセッション録音により、奏法や解釈を団員とともに細部まで磨いていく、妥協のないアルバムになっています。


収録曲

モーツァルト:
交響曲 第31番 ニ長調 K.297 (300a)「パリ」
第23番 ニ長調 K.181 (162b)
第16番 ハ長調 K.128
第17番 ト長調 K.129
飯森 範親(指揮)
パシフィックフィルハーモニア東京

収録日:2023年2月6-7日(第23番)4月4-5日(第31番)埼玉・和光市民文化センターサンアゼリア、
7月10-11日 東京・タクトホームこもれびGRAFAREホール〈保谷こもれびホール〉(第16番、第17番)にてセッション録音

楽団プロフィール

パシフィックフィルハーモニア東京 
Pacific Philharmonia Tokyo

 1990年「東京ニューシティ管弦楽団」として設立。定期演奏会等の自主公演の他、オペラ、バレエ、音楽鑑賞、レコーディング、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動。
 また2017年からポップス定期演奏会を開催し、アニメ・ゲーム音楽など各界のアーティストと共演を続けている。2018年からは楽団誕生の地である練馬で練馬定期演奏会を開催し、地元に根差した活動も行っている。2022年4月には飯森範親が音楽監督に就任し、さらに楽団名を「パシフィックフィルハーモニア東京」へ改称して、更なる飛躍を目指す。

音楽監督:飯森 範親 
指揮者:園田 隆一郎 
ポップスエグゼクティブプロデューサー:藤原 いくろう

ブックレットより


パッケージと内容

パッケージは豪華デジパック仕様

ブックレットには飯森範親へのインタビュー(聞き手:音楽ジャーナリスト岩野裕一)、大津聡による曲目解説を収録。

発売記念特別公開 対談インタビュー

左:岩野氏 右:飯森氏 オクタヴィア・レコードオフィスにて

 東京の新しいプロ・オーケストラとして、その意欲的な活躍ぶりが音楽界の注目を集めているパシフィックフィルハーモニア東京(PPT)。初代の音楽監督に迎えられたのは、山形交響楽団や日本センチュリー交響楽団の改革に大きな成果を挙げてきた飯森範親である。飯森は、楽団の演奏力向上を主な目的として、山響とはモーツァルト、センチュリー響とはハイドンの交響曲全曲演奏に取り組んできた。エクストン・レーベルによってライブ録音されたCDは、日本のオーケストラに対する固定観念を打ち破るような充実した響きで、いずれも高い評価を受けている。

 PPTの音楽監督のオファーがあった際、飯森は「ただ引き受けるのではなく、(前身の東京ニューシティ管弦楽団から)楽団自体が生まれ変わる必要がある」と考え、名称の変更とレコーディングのプロジェクトを提案したのだという。
 「オーケストラがうまくなっていく、よりよい楽団になっていくプロセスの中に、レコーディングを位置付ける」ことを願った飯森は、PPTにおいてはライブだけでなくセッションでの録音を積極的に行う方針を打ち立てた。スケジュールや費用の面からいって楽団の負担は大きいが、その効能と重要性をこう説明する。

 「PPTの場合、理事長の理解もあって、幸いにも余裕を持った日程でセッション録音を行うことができます。演奏してはみんなでテイクを聞き返し、自分たちの音を客観的にとらえることで、みるみる音色やアンサンブルが変化していく。この経験を積むことが、楽団の成長にとって非常に大切なのです。音楽家は聴く側に立って音楽を創らなければならないのですから」

 飯森がセッション録音の第一弾に選んだのは、新コンサートマスター高木凛々子のお披露目を兼ねたヴィヴァルディの『四季』と、モーツァルトの初期交響曲選集だった。山響との全交響曲録音という偉業を成し遂げた飯森が、なぜ再びPPTとモーツァルトに挑むのか。

 「PPTは3管編成の大きな楽団を目指しており、いずれは大規模な作品にもチャレンジしていきますが、まずオーケストラの基礎的な力を向上させるには、室内楽的なモーツァルトの初期の作品にじっくり取り組むことが非常に有効なのです。センチュリー響とのハイドンでおなじみのチェンバリスト、パブロ・エスカンデ氏がPPTとのモーツァルトにも参加してくれたことで、山響とのモーツァルトとはひと味違う、より落ち着いた響きになりました」

 軽やかでスピート感がありながら繊細さを併せ持った弦楽器群を、名手エスカンデのチェンバロが引き締め、さらにバロック・ティンパニとナチュラルの金管楽器で演奏することによって、モダンのオーケストラでありながら、爽快で切れ味のよいサウンドが実現したのだ。

 「もっとも意識しているのは、弦楽器の音の出し方なんです。オーケストラの発音と言ったらよいのか、ドイツ語には多くの子音があるように、モーツァルトの音楽にはモーツァルトにしかない作曲家固有の“言葉”があって、演奏を重ねることでオーケストラがそれを身につけていく。ハイドンやモーツァルトをしっかりとやることが、たとえばのちのちブルックナーを演奏するときに自然と生きてくるような、そんなオーケストラにPPTを育てていきたいと考えています」

 思えば、在京の常設オーケストラがセッション録音で、なおかつモーツァルトの初期交響曲をレコーディングするというのは、史上初めてのことではあるまいか。その意欲やよし。こうしたチャレンジを通じて、PPTは音楽的な個性を持った楽団として、わが国のオーケストラ界において重要な一角を担うようになるに違いない。
 今後の展開が大いに楽しみである。

ブックレットより


今後はセッション録音でのヴィヴァルディ「四季」を2024年春以降に発売予定。モーツァルトはじっくりと継続して取り組みます。演奏会のライヴ録音もしているので、そちらも順次発売予定です。パシフィックフィルハーモニア東京の活動に乞うご期待を!

商品情報

試聴はこちらから


関連作品