![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/138288223/rectangle_large_type_2_0d8153d429dd12cc750eeef8d6a2f82a.jpeg?width=1200)
63小品目 妖怪いぬぜおい
春先のことである。ホームセンターのレジに並んでいたところ、入口から青いつなぎを着たおじさんが入ってきた。まあ、なんら変わりない風景であるのだが、一つだけおかしなことがあった。おじさんの左肩からプードルがニョッキリ現れているのである。
注目していると(注目せずにいられるもんですか)おじさんはウエストポーチをしていて、前ではなく、お尻側にポーチを配して付けており、犬はその上に立って、おじさんの肩に手を乗せピーンと立っているのである。
サーカスか!
と突っ込みたくなるが、ほのぼのと良い風景を楽しんだ。
その何週間か後に違うホームセンターで、夫と子供と犬を見ていたところ(どちらかというと犬の販売は好ましく思わないが、ワンワンが見たいというこどもの気持ちも尊重する)この間のおじさんにまた遭遇した。こちらではペットを乗せてもいいカートがあるので、そちらに鎮座しており、背負いはしていない。
かわいいねぇ
犬が好きなおじさんは子供も好きなのか話しかけてきてくれる。
犬見せたろ、思って来たんだよ
そうなんや……そうなんや、なんか、なんか飼っている犬に売り犬を見せる気持ちって、善悪好き嫌いを超えて、分からなすぎて途方もない気持ちになる夕暮れなのだった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?