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めちゃくちゃ気持ちいいぞ、って誰かが言っていた。 / #日々短文雑記

落合陽一です. #日々短文雑記 は一週間無料配信の短文雑記です.さくっと読んでください.

久しぶりに昔雑誌に書いたおすすめ本が流れてきた.その書名をイリヤの空、UFOの夏という.ちなみに事ある度にこの書名を挙げている.秋山瑞人の本はだいたい全部読んでいる.秋山文体のフリークになってから早17年くらいだろうか? 正直,一生の半分以上も秋山文体フリークとして生きてくるとは思ってはいなかった.17年だ,そんじょそこらの17年じゃない,中学生から加齢臭の漂い始める32歳までの永遠にも近しいその時間を,落合陽一はこの文体を眺めながら過ごしてきたのだ.

「表紙のイラストを見て、ライトノベルと侮ることなかれ。著者である秋山瑞人の文体は秀逸で、有名文芸誌に作品の書評が載るほどです。
UFOの研究がされているといううわさの空軍基地の町、園原町が舞台で、主人公の少年浅羽が夏休みの最後の日にプールに忍び込んだことで、ある不思議な少女と出会うという物語。『オカルトとSFと夏休みと恋が嫌いな男の子はいない』と言わんばかりに、10代の少年がときめくあらゆるものを詰め込んだボーイ・ミーツ・ガールの小説です。
主人公・浅羽と同い年の中学生2年生のときに初めて読んだのですが、そのときは主人公に、20歳を迎えるころには主人公の先輩の水前寺に、ハタチを越えてからは、自衛官の榎本に感情移入して読みました。飛行機移動が多いのですが、Kindleに入れていつも持ち歩いています。最後に小説から好きな一節を紹介します。
『今さら後には引けず、絶対に怯んではならず、一歩たりとも譲ってはならない』
こういう青い覚悟が重要なときって、人生に必ずあると思うんですよね」

何がいいかって文体の自由さだと思う.言葉とイメージを扱う職業だから,言葉が人称から自由でいたい.そんな気持ちを本棚の端に眠らせたまま,今年もUFOの夏を探している.いつの間にかボーイミーツガールの歳を経て,二人の子供の父親になり,社会の中に夢を見ていられるユートピアを少年少女の影に探すような大人になってしまっても,夏が近づくとときめくのである.この夏のどこかに心をざわつかせるようなサイエンスやテクノロジーの驚きと出会う瞬間があるかもしれないということを.

研究室に篭って明け方の夏の空気が好きなのは,こういった青春の体験が影響しているんだと思う.さて今年の夏はラボで何を明らかにしようかな.

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落合陽一が「今」考えていることや「今」見ているものを生の言葉と写真で伝えていくことを第一に考えています.「書籍や他のメディアで伝えきれないものを届けたい」という思いを持って落合陽一が一人で頑張って撮って書いています.マガジン開始から1年近く経ち,購読すると読める過去記事も380本を越え(1記事あたり10円余),内容も充実してきました.

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メディアアーティストで光や音や物性や計算機メディアの研究をしているような感覚的物書きで博士持ちのスナップ写真家です.多様性社会を目指す波動使いの准教授.Noteは作家としての個人的な発信です.ご連絡はリンク先のお問い合わせまで. https://yoichiochiai.com

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落合陽一が日々見る景色と気になったトピックを写真付きの散文調で書きます.落合陽一が見てる景色や考えてることがわかるエッセイ系写真集(平均で月25回くらい更新しています)

コメント (3)
なるほど、
‘人称から自由な文体’かぁ・・・
「大きな主語で語る人の言説は信用ならない」
との指摘をする友とLINEで勉強報告会をするようになって
私はブログやnoteの更新が滞りがち、、、
自由に行ったり来たり
主語の呪縛を解き放っちゃえば楽になりそうだ
そういえば、僕にとっての小林秀雄は十三年間の付き合いになります。詳しく聞きたかった話なので描いていただき嬉しいです。準備出来次第、また塾復活するので少々お待ち下さい🙇‍♂️ありがとうございます。落合陽一さんの秋山文体の話から今書いている二十一生紀人世花傳まで繋がりました。オリジナルなものが書けそうです。しばらくnote遡って読んでます。面白い作品が完成したら嬉しいです。📕
文体の自由さは視点の自由さ?やば!柔軟体操しよ。目の体操も。私が早朝や夕焼けの下をどこまでも歩いて行っちゃいそうになるのは子供の頃のめり込んでいた忍者マンガの影響。何十年経っても変わらぬ恐ろしさ。「夏が近づくとときめくのである.この夏のどこかに心をざわつかせるようなサイエンスやテクノロジーの驚きと出会う瞬間があるかもしれないということを.」「研究室に篭って明け方の夏の空気が好きなのは」という状況は文章よりも博士が研究室で集中している写真を拝見するとより明らかであります。外では少年少女に未来を見るようにもなった。研究室では自らが少年未来。もうすぐ夏至だ。
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