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日本人の余暇時間についてのここ数ヶ月の変化は確かに過去70年に匹敵する随分急激な変化だと思う.

落合陽一です.最近余暇について考える時間が増えた.多分直接的な理由は移動や出張が減って飛行機の中の長い時間がなくなったからだろうか.身体が長く考える時間を探しているのかもしれない.しかし,気の持ちようが変わってから一時期前よりも休みたい欲求は減ってきたような気がする.

余暇について,なんとなく気になっていて,先週は日本人の余暇時間と労働時間に関する幾つかのサーベイを読んでいた.論文を読んだり,政府の統計資料を読んだりしながらぼんやりと考えている.

黒田 祥子, 日本人の余暇時間─ 長期的な視点から, 日本労働研究雑誌 2012年8月号(No.625),2012.

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なるほど男性の週あたりの余暇時間は1981年から2006年までほぼ横ばいなのか.(週あたりで1-2時間のズレはある)

他にも下記のいくつかのサーベイやら論文やらもみながら考えごと.

三谷 直紀, 余暇と労働時間の長期的推移に関する経済理論と実際, 日本労働研究雑誌 2012年8月号(No.625),2012.
仁科 幸一,国民の余暇生活はどう変化したか,みずほ情報総研レポートvol.19,2020.

さて,それでこのコロナ禍の労働時間がどう変わったか,未来投資会議の参考資料にサーベイ資料があった.

内閣官房日本経済再生総合事務局,基礎資料,未来投資会議(第42回)配布資料,2020.

この辺をざっと流し読みしながら,黒田(2012)の中の図表と現状の未来投資会議の配布資料で見比べると面白い.

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1日あたり1時間23分就労が減り,余暇が37分増えた.これは1941年から2006年までの変化に匹敵するほどの変化だ.しかも1941年から減り続けた余暇時間がコロナで回復した.これは確かにすごいことだ.しかもここ数ヶ月の新常態で起こった変化である.

なるほどなるほど,今日は何となく余暇について考えていこうと思っている.

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