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祈りとホモコンヴィヴィウム, #落ヌル と #ヌル即是色色即是ヌル #デジタルネイチャーからマタギドライヴへ 第5回

祈りという行為は実に人間的な行為に見えて,物質世界の変化を及ばさずに自分のソフトウェアをチューンナップし,誰かへの共感に寄せるという観点では実にAIに近い行為なのだといつも思う.つまりは,祈ることは物質を動かさないけれども行動を変容させる.静かに心を寄せてソフトウェアアップデートすることは大切なことだ.インターネットの上の集合知も常にそうやって変容し続けている.

祈りとデジタルネイチャー,そしてホモコンヴィヴィウムは連関している.猫とキノコと遊牧民が関連しているように,デジタルネイチャーの地平ではメメントモリも,コンヴィヴィアリティも,猫も,きのこも,遊牧民も全てのものは言語モデル的にも祈りのインナーアップデートの面でもつながっているのである.

円空仏を作り始めたことがある.

ここから機械生成の旅が始まったわけだけれど,円空が生涯に彫った12万体の仏像に込められた祈りも,デジタルに生成された仏像の祈りも人の祈りとしては優劣をつけ難い.処理能力の問題なのかもしれない.

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落合陽一が「今」考えていることや「今」見ているものを生の言葉と写真で伝えていくことを第一に考えています.「書籍や他のメディアで伝えきれないものを届けたい」という思いを持って落合陽一が一人で頑張って撮って書いています.マガジン開始から2年以上経ち,購読すると読める過去記事も800本を越え(1記事あたり5円以下とお得です),マガジンの内容も充実してきました.

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