3/28(木)3/27のこと

流石にお金は欲しいので、アルバイトをすることに。
とはいえ失業手当を受給しながらとなると諸々制限があるので、小遣い稼ぎ程度で。

先日友人が、昔ポスティングのバイトをしていたと話していた。
部屋数が多いマンションだと一気に配れるから効率が良い。
なんて話を聞いて、へー！なんて感心して。

ふと、ポスティングのバイトって今の私にかなりちょうどよくない？と気付く。
とにかく今、誰かと何かをする・新しいコミュニティに属すという事に対して腰が重い。
ポスティングなら1人で働けるし、軽い運動にもなるし、今からなら気候も良いし。
ということで探し始めたのは一週間前くらい。

短期OK・１日２h〜OK・ちょっと働きたいときに！・服装髪型自由…
素晴らしく自由な条件が揃っていた。
ホームページの雰囲気もなんか洒落てて、もう半ば勢いで応募した。
履歴書も写真も不要なんて、雇う側もなかなか勇気がいるだろうなあなんて余計なお世話をはたらきつつ。

スムーズに面接(という名の説明会)の日程も決まり、それが昨日だった。

都心の駅からちょっと歩いたあたり。
ちょっと肌寒いけど、十分春の訪れを感じる良い気候。
大通り沿いには桜並木。
細身のすっきりした木で、色は濃いめのピンク。
ビュンビュン走る車とビルの間に咲く姿は、都会の桜って感じで不思議だった。
海外からの旅行客や、若い子達が立ち止まって写真を撮っていた。
こんなにみんなが群がって撮っていると、私は撮ってやらんぞという天邪鬼が顔をだす。

なかなか素敵な道のりを経て事務所に到着。
小さなアパートの１階。
入って良いものか悩んでいたら、中から開けてくれた。

代表の方は、大柄な３０代後半くらいの男性。
腰が低くて丁寧で好印象だった。
小さな部屋にはもう1人若い男性がいて、どうやらここのスタッフの方。

私は不思議なくらい緊張していなかった。
ここがダメでも他を探せば良い。
長く続けるつもりは無い。
そんな心持ちが私に余裕を持たせているようだった。

履歴書不要だった代わりに、ウェブのシステムで簡単な情報の入力を促される。
住所とか個人情報を入れているときは流石に、初対面なのにここまでさらけ出すってなんかすごいな、下手なことはできないな…と、ここで不思議な緊張感が生まれた。

入力完了後は、私の希望と勤務条件のすり合わせ。
それにしてもこの代表の方、本当に腰が低い。
何度もすみません、って謝りながら丁寧に説明してくれた。

とにかく初めは儲からない、と正直に言ってくれてこれまた好印象だった。
歩くしチラシも重いし、体力勝負だということでちょっと不安はよぎったけど、
前職でもかなり歩いていたのでまあどうにかなるかなと思った。

途中で若い女性が入ってきた。
小柄で声が高くて、こんなか弱そうな女性が働いているなら、私にもできそうかなと、ちょっと勇気が出た。

しかし聞けば聞くほど、今の私に条件がマッチしている。
シフトの締切は無い。働けそうな日の前日、何なら当日に申し出る形でもOK。
働ける時間数に合わせてチラシを用意してくれる。
雨の日は無理して出なくてOK。実際雨の日は効率も下がるので、出勤しない人が多いらしい。

私は雨の日に外出するのがかなり嫌いで、ポスティングの懸念点もやはりそこだったのでかなり安心した。

とにかく初めは儲からないので、早々に辞める人も多いらしい。
最後に意思確認をされた。
今の所私は儲けよりも体を動かしたいとか、ちょっと新しいことがしてみたいとか、リハビリ的な要素を求めていたので、二つ返事で宜しくお願いしますと答えた。

まずは研修を三日間受けるそう。
現住所に合わせて担当エリアを決めるらしく、偶然にも私が１年だけ一人暮らしをしていた街が担当とのこと。
なんだかご縁を感じて嬉しかった。

ポスティングのバイトをすると家族に伝えるとちょっと怪訝そうにするし、
正直なところ私もポジティブなイメージは無かった。
だけど条件面はあまりにも私にマッチしているし、代表の方も優しくてかなり安心した。

実際に始めてみるともちろん大変なこともあるかもしれないけど、
きつかったら辞めればいいや、という緩さがかなり心にゆとりをもたらしてくれている。

もちろん収入面やその他諸々不安が無いというわけではない。
とりあえず自分の気持ちに正直に、無理せず気張らずやってみる。

なんだかちょっと明るい気持ちになって、帰り道に観光客と混じって桜の写真を撮った。


私のテンポとキャパに合った良い生き方を、絶対に見つけてやる。