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3/29(金)春が始まる瞬間を見た

朝から大雨と強風。
私の部屋は5階かつベランダが丸出しって感じのタイプなので、風をもろに受ける。

隣の部屋との仕切りはネジが外れてしばらくパタパタギーギーうるさくて相当ストレスだったのだけど、
数日前にたまたま持っていた万力で固定して解決。
その安定っぷりは素晴らしくて、惚れ惚れしてまうほど。
今日みたいな強風にもしっかり耐えている姿はもはや誇らしくて、つい窓の外を見てしまう。
たまたま万力を持っていた なんて訳わからないけど、我ながらファインプレーだったなと思う。

ところで今日は9:00~11:00まで断水であることを忘れて、9:00過ぎに目覚めてしまった。
数日前までは、その時間帯は図書館に避難しようとか考えていたのに。
覚えていたとて、この大雨と強風では外に出る気も起きない。

実家に居る時は何も気にせず水道水がぶ飲みだったが、
今の家にはウォーターサーバーを設置。
今日ほど、ウォーターサーバーを導入して良かったと思う日は無かったかもしれない。

お茶を飲みつつご飯を食べていたら、意外とあっという間に11:00を回った。
蛇口を撚ればすぐに水が出る。
たった数時間の断水でもなかなかストレスだったのに、災害中の断水なんて、想像しただけで恐ろしい。

自由に水を使えるありがたみを噛み締めつつシャワーを浴びたりゆっくりしていたら、
ふと部屋の中が明るくなってきた。
遠くの空はもう青空になっていた。

わー天気予報は雨のち晴だったけど、本当に晴れるんだ〜
ならばと、溜まってしまっていた洗濯物を回す。

みるみるうちに明るくなってきて、嬉しくてベランダに出る。
太陽がカッと照り、表情豊かな雲が浮かぶ。
薄い綿雲や、こんもりホイップみたいだったり、飛行機雲も一筋。
すっかり温かくて、空気の質感がガラッと変わった感じ。
紛れもなくそれは春の幕開けだった。


春 幕開けの瞬間。



こんなにも明確に季節が変わる瞬間を見たのは初めてで、かなり興奮した。
何だか凄いものを見てしまった。
存分に暇を持て余している今だからこそ見れた瞬間。

冬から春って一番特別な移ろいな気がする。
体の内側から、細胞一個一個が喜んでる感じがした。
大袈裟だし恥ずかしいけど、希望に満ち溢れるとはこの事だなと。
春って凄い。

季節が変わる瞬間をもっと見たいと思った。
ゆっくり休むことにしてから、自然の力をひしひしと感じている。
安直で陳腐かもしれないけど。
どうしたって体も心も自然を求めて止まない。

猫にも外を見せてあげた。
スンスンスン と、一生懸命に外の空気を嗅いでいて可愛い。
春がきたよ、あったかいね、気持ち良いね。
こうして春の訪れを共有できる存在が居ることも幸せ。

高揚が止まらない。
これはもう春を全身で受け止めなくては!
自転車で外に出たい衝動に駆られて、洗濯物を急いで干し、普段はダラダラしがちな私がテキパキと準備を進める。

この前刺繍をしてもらったジャケットを羽織り、
ずっと装着をサボっていた自転車用スマホスタンドもテキパキと取り付けた。
春がこんなにも背中を押してくれる!

とりあえず行き先は決めず、なるべく高台を目指す。
坂道からピューっと駆け降りるあれを、ずっとやりたかったから。

お気に入りの曲を聴きながらぐんぐん漕いで、あっという間に隣駅に到着。
新ルートも開拓できて嬉しい。

この駅にはちょっと大きい図書館の横に公園があるのでそこを目指す。
せっかくなら、軽食も取りたい。
カフェオレはローソンで調達。
近くの良さげなパン屋さんを探して赴く。
ツナが入った固めのパンと、クリームパン。

公園に到着すると、春の訪れに導かれたであろう人たちが思い思いの時間を過ごしていた。

小学生の女の子二人組は、レジャーシートを広げてピクニック。
2人とも紫色の服で揃えていて、何だかお洒落なことしてるなあと感心。

1人でご飯を食べる男性、シャボン玉で遊ぶ母と子。

お互いを干渉せず、良い距離感。
確実に良い時間が流れていた。

ベンチは無くて、適当に腰掛けてみる。
強い日差しで石畳もすっかり乾いていた。

買ったばかりのパンを頬張りながら、ただぼーっとする。
これはかなり贅沢な時間だと思った。
好きな時に好きなことを出来る。
健康な体と、恵まれた環境、平和な街。
今はこれらに存分に甘えて、とにかく健やかに笑えていれば良いなと思う。

帰宅して、窓を開けて音楽をかけながら猫を愛でる。
季節の変わり目は、猫の毛がよく抜ける。
撫でてくれと甘える猫をブラッシング。とても気持ちよさそう。

それから掃除機をかけて気になる埃も拭き上げて。
春が背中を押してくれたおかげで、普段は億劫なことも実にスムーズにこなせた。

ここから我が家のゴールデンタイム。
夕暮れ時は部屋の中が金色になる。
猫の白い毛も茶色い毛も、金色に染まる。

スマホの電源を切って、音楽をかけながら本を読む。
こんな時にみうらじゅんを読む私は、どうしたってサブカルの端くれで心底恥ずかしくなる。
でもそんな自分を多分嫌いじゃないから、これまた恥ずかしい。

西陽を頼りに本を読む。
みるみるうちに、ページを染める陽の色が変わっていく。
徐々に影を落とし始め、自然と眠くなる。
少し肌寒くて窓を閉め、音楽を止めて眠りに落ちた。
足の上で猫が眠る。


なんて贅沢で尊くて幸せな1日。
今日抱いた感覚を忘れないように、みっちり細かく書いてみた。
春から夏に変わる瞬間も見れるだろうか。
その時自分が何を感じるのか、楽しみ。

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