「山奥ニート」を読んでみて

「山奥ニート」を読んでみて、なんかいいなと思いました。まず、私自身、ニートの文章が好きなんですよね。

ニートの人の文章は、上昇志向が強くない感じがして、疲れる圧迫感がなく、すごく読みやすいんです。彼らの文章には、現実世界での競争や成功への追求といった要素が薄いため、読んでいると心が軽くなるような癒やしやリラックスの効果を感じることができます。

さらに、「山奥ニート」のコンセプトもとても好きでした。この本では、イデオロギーや目的意識を持たずに〇〇するために生きるのではなく、ただ生きることに重きを置いているという考え方が提案されています。これは、社会的な価値観や期待にとらわれずに、自分自身と向き合い,精神的,物質的な面での充足を求めながら生きることの大切さを伝えています。

ニートのことを理解している風な人が「まあモラトリアムも大事ですよね」と言っているのに対して、「ニートってモラトリアムじゃないとだめなの?」という反論をしていたのもすごく印象的でした。この反論によって、彼らにとってニートはモラトリアムではなく、単に生活の一形態であり、また、ニートはいつか終わるべきものではなく、彼らにとって持続可能性のある生き方なのだと感じました。彼らの視点から見ると、ニートというラベルは社会的な枠組みに捉われずに、自分自身のペースで生活し、内なる喜びや満足を追求するための手段に過ぎないのです。

こうした考え方に触れると、心が楽になります。社会から押し付けられる成功や成果への追求に疲れている人にとって、ニートの生き方は新鮮であり、肩の力を抜くことができるのです。

「山奥ニート」の生き方は、いい意味で動物的で素敵です。彼らは生きるために自炊したり、自然の中で作業をしたりすることで自立しています。彼らは文明をガンガン利用する一方で、無理して仕事をする必要もありません。なぜなら、彼らは変な社会的なこだわりを持たずにいるからです。彼らの生き方は、物質的な豊かさや社会的な地位にこだわる必要がなく、シンプルで自由な生活を送ることができるのです。

現代の社会では、個性や自己実現、成功といった概念に対して異常なほどの重要性が求められています。しかし、個々の人によってその意味や追求するものは異なるため、社会からの期待や要求にこだわるほど、人々は疲れていくのです。ですから、こうした本を読むことで、ニートの生き方に触れることは、自分の肩の力を抜くための一つの手段となるのです。

「山奥ニート」は、その生き方を通じて、自然との共生や自分自身との向き合い方、内面の充実といった要素を提案しています。これによって、読者は自分が本当に求める生き方や幸せの形を考えるきっかけを得ることができるでしょう。

ニートの生き方を紹介した「山奥ニート」は、社会的な常識にとらわれずに自分らしく生きることの素晴らしさを伝える一冊です。私たちは、自分自身の意思を大切にし、他人と比べることなく、自分のペースで生きることができることを思い出す必要があります。そうすることで、心が軽くなり、人生において本当に重要なものに気づくことができるのです。


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