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迷い0 再現性100% 客観的にトレンドラインを引く方法

チャート分析において主観的な要素にはなんら優位性はない。
思い込みで勝てるほどトレードや投資は甘くはない。
テクニカル分析で主観的弊害が最も顕著なのはライントレードだろう。
サポートライン、レジスタンスライン、トレンドラインを
どこからどこへ引くのか。どの高値とどの高値を結ぶのか。
「正解はありません」と逃げ口上の用意を怠らない。
「迷ったら引かない方がいい」と無責任に突き放す。
「世界中のトレーダーが見ていて意識しているラインが重要」などと
まことしやかに、そしてオウムか九官鳥のように、繰り返す。
あるラインを世界で何人が見て意識しているかを確かめる手立てはない。
これもまた思い込みにすぎない。単なる妄想である。

あるラインが機能するか否かはマーケットの内部構造に起因する。
世界中で多くの人が意識しているからではない。
極端なことを言えば、世界中で誰一人気付いていなくても
それゆえ利確や損切りの注文がひとつも置かれていなくても
値は止まるべきところで止まるし、反転すべきところで反転する。
のみならず止まるのも反転するのもあらかじめ規定された「時」に起こる。
すべてはマーケットの内部構造によるのだ。
日本人トレーダーが大好きなダウ理論やエリオット波動論や
グランビルの法則などのことを言っているのではない。
もっと"esoteric" (ἐσωτερικός) に属することを言っている。
当然のことながら、ここではその内容に深入りすることは許されない。
ではあるが、”秘伝”の内部構造の一端を誰でも、迷い0、再現性100%で
チャート上に可視化する極意をこっそり伝授する。

日足を例にとって解説する。
日足チャートに週足のローソク足を重ねて表示する。
Trading Viewで使えるインジケーターを以前紹介した。

便利な世になった。いにしえのトレーダーは手書きチャートのローソク足を四角で囲んだものである。

MT4には「CustomCandle6」という無料のインジケーターを使うといい。

日足に週足を重ね描き

上昇トレンドの場合、つまり週足が陽線の場合
・週足ローソク足の右下の角を2点結ぶトレンドラインを引く。
・週足ローソク足の左上の角を2点結ぶトレンドラインを引く。
ローソク足の実体ではなくヒゲを含んで囲った四角形であることに注意。

日足に週足を重ね描き

下降トレンドの場合、すなわち週足が陰線である場合
・週足ローソク足の右上の角を2点結ぶトレンドラインを引く。
・週足ローソク足の左下の角を2点結ぶトレンドラインを引く。

次に、週足の長方形の延長線がトレンドラインと交差するところに水平線を引く。これがのちにサポートラインとレジスタンスラインとして機能する。

これが週足レベルでのラインである。

さらに、日足チャートに今度は月足のローソク足を重ねて表示する。
上と全く同じ要領で月足レベルでの注目すべきラインを引くことができるであろう。これが上位足における環境認識となる。

もっと短い時間軸でデイトレードを行う場合には、日足以下のチャートで同じ作業工程を繰り返せばいいだけだ。たとえば、執行時間軸が15分足ならば、15分足チャートに1時間足のローソク足と4時間足のローソク足を描画して、ラインを引く。

ラインは上位足のローソク足が確定するたびにあるいは引き足しあるいは引き直す。水平線はのちのちまで機能することが少なくないが、トレンドラインに関しては、ブレイクしたあと反対側から再度タッチ(リバースタッチ)したら消してしまっても差し支えない。

時間軸、銘柄、通貨ペアを問わない。片っ端からチャートを開いてラインを引いてみるといい。自分の目で確認し確信することがなにより大切だ。手書きでチャートを作成していた時代の人たちの労力を思えば、面倒くさいなどとは言えないだろう。

このラインの引き方を知る者は極めて少ない。知って実践している者はさらに少ない。そこに優位性がある。ほとんどの人には見えていない値動きの道筋がこれを知る者にのみ見えているのだから。

【追記】
上位足キャンドルを重ね描きすることによって、トレンドラインを引くことができるだけではなく、上位足キャンドルのプライスアクションに注目することができる。たとえば、日足チャートに週足や月足キャンドルを重ねて描画する。そして、週足キャンドル、月足キャンドルがダブルトップやダブルボトムなどを形成するのを見逃さないという分析方法である。

ライントレードの観点から特に注意したいのが、上位足キャンドルが形成するInside Barだ。酒田罫線では「はらみ線」と呼ぶ。赤子を腹に宿した母のイメージである。

天井や底でよく見受けられるプライスアクションで、トレンドの転換を示唆することが多い。Mother Candle(つまり長い方のローソク足)をブレイクした方向に仕掛ける。下のチャートは日足に週足キャンドルを重ねて描いたものである。

同じくOutside Bar(抱き線、包み線)にも注目するといいだろう。


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