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Ver.6

◎7月
梅雨らしいじめじめとした気候が、からっと乾いた夏の陽気に変わる。
ひとつ年を重ね、わたしは24歳になった。
昨夏、自律神経失調症を患った際には一切かけなくなってしまった汗が、じんわり肌にまとわりつくようなかき方に変わり、なおさら身体に熱がこもることに気付く。毎日行ってきた自宅でのリハビリも、長い時間続けるのは危ないと思い、涼しい時間に15分くらいの短時間のメニューを何回も行うことにした。
6月末に勧められた大学病院での検査入院について、総合病院から紹介状を送っていただくようお願いする。1週間ほどで紹介状ができあがり、大学病院への受診日が12日に決まったことを総合病院から電話で伝えていただいた。それまでは今まで通り身体と相談しながら、自宅でのリハビリや家事をしたり求職活動に専念することにした。
2度目となった大学病院の受診。予約時間から2時間後に採血、そこから1時間強待ってようやくてんかん外来での診察を受ける。物腰のやわらかい小児科にいそうな先生だなと思った。てきぱきと出されるたくさんの問診に答えていく中で、脳波検査の結果に生理的なもののような小さな棘波が確かに見られることを伝えられる。昨秋の入院では長時間ビデオ脳波モニタリング検査はなかったので、この検査についての詳しい説明と検査結果次第で今後の対応について考えていこうということを告げられた。
理学療法士さんのお墨付きをいただき、6月下旬からハローワーク内にある長期療養者のための相談窓口に通い始めた。幼児教育という専門職に2年6か月従事しただけという、わたしの浅く短い社会経験なら、ここから先の本格的な求職活動のためには、専門家のお力をお借りすることが最適だと考えた。子どもとかかわる仕事 ということを芯として、わたし自身の身体と相談しながら求職に励んでいる。


◎8月
7月の後半から、身体の一部分に痙攣のような震える感覚があったり、主に患側である左側に関節痛が酷く出てきた。もう幾度となく、身に覚えのない症状がその都度出てきたり消えたりしてきたので、自覚症状が新たに増えることは、正直そんなに恐ろしいことではない。常に敏感に異常を感じ取れるようになったということだけでも、相当しあわせなことだと思う。
診察で数えれば8回目の通院。目前に迫ってきた大学病院での検査入院について、主治医と情報を共有する。前回の6月の診察の際に、わたしの病状に関して「正直分からないことが多い」と主治医から告げられていたが、今回も何か進展があるわけではなく、ここ2か月間の症状の変化に関しての問診と軽く握力の検査をした。
この検査入院で、わたしも主治医も分かることが少しでも増えればと願うばかり。リハビリテーションルームから出る際に理学療法士さんから、診察室から出る際には主治医と看護師さんから、精算をする際には医療事務の肩から、「検査入院頑張ってきてね」「それまでもこれからも身体休めてね」と背中を押していただいた。
正式に31日から検査入院が決定したことを、大学病院から電話で先ほど告げられた。人生ではじめての個室入院で、人生ではじめてのビデオモニタリング。できうる限り検査を受けつつ、しっかり休養をとりながら、はじめての経験を楽しみたい。

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