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経営における矛盾を両立するパラダイム ヴィジョン編

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「意識のマネジメント」に着目をして、変化に適応して矛盾を両立する経営やリーダーシップのあり方を論考するマガジンです。経営リーダー、管理職の方はもちろんのこと、管理職ではない方にと… もっと読む
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記事一覧

なぜ、いまヴィジョンが大切か?

みなさんは、「あなたが所属する組織のヴィジョンは何ですか?」と問われたら、どのように答えますか? また、「あなたのヴィジョンは何ですか?」と問われたらどうでしょう? 将来のイメージについて何らかの形で持っていたとしても、改めてこのように問われるとすぐに答えることができなかったり、答えることができたとしても、部分的な表現になってしまったり、自分が意図していることをうまく表現できなかったりするのではないでしょうか。 ヴィジョンとは、端的に言えば「将来像」という意味です。ビジ

なぜ、ヴィジョンがお題目になってしまうのか?(いいヴィジョンの要件①)

前回の記事では、なぜ、いまヴィジョンが大切かについて、個人と組織の関係性が変わっていく時代の流れにおいて、「みんなで遠くにいく」ことを選択して、中長期的に一貫性をもって取り組んでいくための中核となるものがヴィジョンであるという話をさせて頂きました。 今回の記事では、いいヴィジョンとは何か、について、意識の意識化の観点からお話しします。ヴィジョンについては、すでに多くの経営書などにおいてその定義や重要性は示されていると思いますが、意識の意識化の観点から光を当ててみると、違う切

野心と志は何が違うのか?(いいヴィジョンの要件②)

前回の記事では、いいヴィジョンの要件の一つとして、「主体的真理とのつながりがあること」、別の角度で表現すれば、「石にかじりついてもやり続ける」人が一人でもいること、についてお話ししました。 今回の記事でも、引き続き、いいヴィジョンの要件について考えていきたいと思います。 いいヴィジョンは、野心ではなく志みんなで大きなことを成し遂げようとするときに、ヴィジョンが必要になります。 「早く行きたければ1人で行け。遠くに行きたければ、みんなで行け。」 前の記事で紹介したアフリ

なぜ、「いいヴィジョンは明確である」だけでは不十分なのか?

前回の記事では、いいヴィジョンの3つめの要件として、いいヴィジョンは意識の変容を含意していることについてお話しました。今回の記事では、これまでお話ししてきた、いいヴィジョンの要件をまとめた上で、「一般的に言われているいいヴィジョンの要件」との違いについて考えたいと思います。 これまでの記事で取り上げてきた、いいヴィジョンの3つの要件を確認しましょう。 いいヴィジョンの(原因的)要件 ▼【主体的真理とのつながり】自分の、そして、チームメンバーの主体的真理とつながっており、内

内なるエネルギーと志の両立が難しいと感じた時に読む記事

前回の記事では、いいヴィジョンの原因的要件と結果的要件のつながりについて考え、原因的要件を満たすようにヴィジョンを創っていき、その後で結果的要件を満たすように表現することが大切であることをお伝えしました。 いいヴィジョンの要件 ▼【主体的真理とのつながり】自分の、そして、チームメンバーの主体的真理とつながっており、内なるエネルギーが引き出されている ▼【野心ではなく志】自分のためだけ(野心)ではなく、自分を含めた周囲の人のため(志)になっている。そして、内なるエネルギーと志

チームメンバーとして、既にあるヴィジョンをどう捉えればよいのか?

前回の記事では、内なるエネルギーと志の両立が難しいと感じる場合には、内なるエネルギーを捨象することなく、本音と建前を使い分けたり、自己開示することによって対処することについてお話ししました。 これまでのヴィジョンについての話は、リーダー的な立場の人がヴィジョンを描くことを想定して書かれていると思われた方もいらっしゃるかもしれません。ヴィジョンについてお話しをするときに、よくいただく質問の2つ目としては、次のようなものがあります。 リーダーの立場ではないので、チームのヴィジ

世の中の流れをどのように捉えればいいのか

前回の記事では「チームメンバーとして、既にあるヴィジョンをどう捉えればよいのか?」という問いに対して、チームのヴィジョンを再解釈するというアプローチをご紹介し、「だれでも、どんな立場であってもヴィジョンの設定はできること」についてお話ししました。 今回の記事では、ヴィジョンの構想プロセスにおいて、よくいただく3つ目の質問として「世の中の流れをどのように捉えればいいのか」についてお話します。 ヒト・モノ・カネ・情報のつながりの強さが、VUCAの時代をもたらしている みなさん

ヴィジョン構想のはじめの一歩は何か?(ヴィジョン構想のプロセス①)

前回の記事では、世の中の流れをどのように捉えるかというテーマで、VUCA時代において現象面での予測は難しくなってきている一方で、意識レベルの流れについて捉えることはできるという話をしました。 世の中の流れをどのように捉えるとよいか ▼両極をもつ軸において意識の重心の移り変わりと捉えること ▼歴史的に見れば螺旋的発展として捉えること ▼その発展は連続的変化だけではなく飛躍的変化として現れる可能性があること これまでの記事において、いいヴィジョンの要件についてお話しをしてきま

ヴィジョンを閃く(ひらめく)ためには何が必要か?(ヴィジョンの構想プロセス②)

前回の記事では、ヴィジョンの構想プロセスの冒頭部分として、①主体的真理から始めるということと、②意識の自然な流れと意識の偏在とのギャップに注目するということをお話ししました。 今回の記事では、ヴィジョンの構想プロセスの続きをお話しします。 ③問いを立て、直感を活用する①主体的真理につながりながら、②世の中の集合的意識の流れと偏在に目を向けたならば、いよいよヴィジョンを導出するための問いを立てて、直感を活用します。 3+1意識モデルにおいては、直感意識を活性化するというこ

どうすれば、一人ひとりがヴィジョンとのつながりを持てるのか?(ヴィジョンの構想プロセス③)

前回ならびに前々回の記事において、ヴィジョンの構想プロセスについてお話しをしてきました。これまでの内容をまとめると次のようになります。 ヴィジョンの構想プロセス(途中まで) ①主体的真理から始める ②意識の自然な流れと、意識の偏在のギャップに注目する ③問いを立て、直感を活用する 今回の記事では、このヴィジョンの構想プロセスの最後のポイントについてお話しします。 上記の①〜③のプロセスは個人で行うプロセスになりますが、個人で構想したヴィジョンあるいは、ヴィジョンの元とな

ヴィジョンは過去にその本源がある

これまでの記事において、ヴィジョンの構想プロセスについてお話しをしてきました。これまでの内容をまとめると次のようになります。 ヴィジョンの構想プロセス ① 主体的真理から始める ② 意識の自然な流れと、意識の偏在のギャップに注目する ③ 問いを立て、直感を活用する ④ 対話とマッシュアップによって、ヴィジョンを共創する ヴィジョンシリーズもいよいよ大詰めです。本章の最後の記事として、ヴィジョンは過去にその本源があるということをお伝えしたいと思います。 ヴィジョンが現在や