わかっているから

今日は大雨だ。家の隣に立ったプレハブがやけに雨音を響かす。
外の様子を見ようと窓を開けるとさっきまでぐっすり寝ていた猫が顔を上げる。「すごい雨だよ。」猫に喋りかけたがそんなのどうでもいいようだ。



携帯を手に取り、公式ラインを消すところから1日を始める。最近、何もかもが面倒臭い。心は動くはずなのに体は全く言うことを聞かず動かないままだ。すぐに影響を受けるのにすぐに飽きる。とにかく形から入ろうとし、モノが揃ったら満足する。そんな自分が嫌なのに受け入れてしまった自分がいる。とことん馬鹿なのだろう。

よくある言葉もよくある映画もむしろ心に入ってくる自分なのに、涙腺が緩む自分なのに、常に何かが不足しているような、そんな心だ。
運命があったなら、そんな素敵なことがあったら、と思うばかり、それが運命なのだろう。

今日に満足しない毎日を繰り返すけど、もし明日死ぬとしても特別なことなんて行動にしないのが自分なのだ。だからそれでいい。退屈な毎日を繰り返すだけの1日がどれだけ贅沢で幸せか知っているから。

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