見出し画像

集まり、考えることの難しさ - MYORPH:OPENをやる価値

こんにちは。sanmalです。
MYORPHというレーベルをやりつつ、音楽制作などをやっています。あとネット上の音楽コミュニティの研究をぼちぼちやってます。

そんな私ですが、今年の11月、MYORPH:OPENという新たなDiscordのサーバーを立ち上げました。


MYORPH:OPENは、音楽コミュニティでありつつ、参加者間で議論などを交わしながら、できることを探していくDiscordサーバーです。オープンして一ヶ月強で様々な方に参加していただいていますが、他のDiscordサーバーとどのように違う目的があるのか?という点についてもう少し補足したいなと思いこの記事を書いております。

今のネットコミュニティ

これまでは2ちゃんやTwitterなどがネット上での音楽コミュニティの中心的存在でしたが、現在ではDiscordが音楽に関わる人たち(聴く側も作る側も)にとってかなり貴重なツールになっています。

アーティストの連絡ツールにもなっていますし、プロモーションの場所にもなりますし、やろうと思えばイベント会場にもなります。そしてそれが全て1つのページ内で切り替えられるという、、、。そしてほぼ全世界のユーザーが使っているので、Discordさえ入れておけば色々な国の人とコミュニケーションが取れてしまいます。

Discordを使う音楽系のコミュニティは、気の合う人だけで構成されるクローズドなものか、アーティストの宣伝や、情報交換のために利用する大規模なものが体感上多い気がします(たまにアットホームなノリを保ちながら、何万人もの人が集まっている異例なサーバーも見受けられますが)。

ですが何となくその2パターンだけでは満足できない部分があるなという気持ちがずっとしていました。

今のTwitterなどのSNSは、他者の目線があって風通しが良いですが、悪く言うと野ざらしにされてどこからも見られているような感じですし、かと言って完全に部外者をシャットアウトしたコミュニティの中で過ごすというのもなんとも、、

なので、その2つのノリが混じり合うような、ちょうど中間のようなコミュニティが今のネットで作れないか、ということを考えるようになりました。

コミュニティの価値

ただ、Discordでサーバーを実際に立てたことのある人なら分かるかもしれませんが、実際にそういう近い界隈や遠い界隈が混ざり合ったコミュニティというのは結構維持するのが難しく、放置しておくと誰も使わなくなってしまいます。

Discordは、「ユーザーたちの間で価値を作り上げていく」という体験を提供しますが、その「価値」というものが、皆同じようなものであるとは限りません。普段は気にしませんが、少し他の人のDiscordでの行動を気にしてみると、身近な人でもその価値観が自分と違っていることに気付いたりするかもしれません。

普段は全然良いのですが、ひとたびコミュニティを作ろうとすると、互いの価値観の違いがわからないまま、最終的にはバラバラになってしまいます。

集団力学などを研究する杉万俊夫氏は、「組織・コミュニティデザイン」という本の中で、コミュニティのデザインに対して「数人による価値観の溶け合いを通じて、第三者の声として新たな規範が創出される」というような説明をしています。

もしかすると、この価値観の溶け合いをDiscordでも起こすことが出来れば、最初はバラバラだったコミュニティでも一つの方向性が生まれる可能性があるのかもしれません。


価値とコミュニティ

よく「シーン」という言葉を耳にしますが、シーンというのは、何者かが類まれなアイデアで新しい価値観のものを作り、その周りにコミュニティができ、それがコミュニティの外部へと広がることで形成されていくように思います。
新しいものとは、曲のスタイルであったり、あるいはファッションや遊びであったり様々なものがあると思います。

この最初の新しいものができる段階で、きっと参加者の中で価値観の溶け合いが生じ、新たな規範が誕生することで、コミュニティに方向性が生まれるのではないでしょうか。

大きな話題を呼んだtakawoさんのNFTアート作品「Generativemasks」と、そのコミュニティのあり方などは、その良い例なのではないかと思います。


自分のレーベルでも、もっとこのように新しい価値観を作るような活動がしたいですね・・・・


MYORPH:OPENをやることの価値

MYORPH:OPENの話に戻りますが、このサーバーにおける価値というのはまず、

「参加者一人一人の意思」

だと思っています。一人一人の意思の価値を高めることで、発言がただの呟きではなく、一つの提案として受け取られやすくなります。また、それぞれの意見を受け止めることで、今まで無視されてきたような小さなニーズに気づくこともできるはずです。
MYORPH:OPENでは、個人の意思の価値を高めるために、サーバー内に議論や投票を行うための仕組みを取り入れています。

そして、

「そうした民主的な価値を保ちつつ、実験的なカルチャー(主にクラブカルチャー)について触れることができること」

が、このサーバーのもう一つの価値としてあると思います。
自分自身そこまでクラブに入り浸ったりしているわけではないですが、国内外の情報を追ったりバーチャルなシーンを追ったりしていて、こういう事があるのか!という情報を共有できる場所があればいいなと思っていました。このサーバーでは、そうしたカルチャーの情報を共有するだけでなく、Discordの機能を活用し、実際にイベントをしたり、自分ならどういうことがしたいか?ということを話し合ったり、具体的な行動ができるようになればいいなと思います。

民主制を重んじているのに、実験的なことが果たしてできるのか、、!正直これは難しいことなのかもしれませんが、きっとできるはず、と自信を持つしかないですね。

MYORPH:OPENは、この2つの価値をサーバー内でより高めていきたいなと思っています。

さてどうやって?

現在は、DEF TVのようにレフトフィールド系のライブのアーカイブをYouTubeに上げる活動を、サーバーのメンバー主体で行うという提案などをし始めています。

もう一つは「ドキュメンタリー映像を作る」というもので、ここ数年の音楽シーンの変化を記録として残そうという企画です。

Future BassやらHyperpopなどのメインストリームのムーブメントから、これまで自分がnoteやブログで紹介してきたようなLeftfield BassやExperimental Bassなどのシーンの進化などを対象にしたいなと思っていますが、どこまでをどのように切り取るかはもっと考えていきたいところです。(Sober Bearと話していたらサンクラユーザーにはあるあるな「not bad」や「naruto remix」について追うドキュメンタリーをやるとかヤバいアイデアも出ました)

まだまだ未熟で自分も一つ一つ悩みながらの活動なので歩みが止まったりしがちですが、それでも数年、十数年と続けられるものになれば良いなと思っています。コミュニティの中で世代が交代していくところを見てみたい、、

以上の話を読んで、興味があるという方はぜひ以下の招待リンクからサーバーに参加していただけると嬉しいです。なお参加には電話番号認証が必須になっておりますが、セキュリティ対策のためにご協力いただければ幸いです、、!

またMYORPHのリリースも随時募集しております。
誰も聴いたことないようなやつできちゃいましたという方、ぜひMYORPHにデモお送りください。待ってます。

おわり



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?